大人も泣けるアニメとして300万人の心を動かし、現在のアニメブームの礎となった「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などアニメファンだけでなくアニメに馴染みのない人たちの心も掴む脚本家であり、監督デビュー作となった『さよならの朝に約束の花をかざろう』で国内外から高い評価を得た岡田麿里。
2作目となる監督最新作で、数々のヒット作を手がけるスタジオMAPPA初のオリジナル劇場アニメーション作品となる『アリスとテレスのまぼろし工場』が、ワーナー・ブラザース映画とMAPPAの共同配給で、9月15日(金)から全国公開される。
今回、アニメーションスタジオMAPPAが、5月21日(日)、東京ガーデンシアターで実施したスペシャルイベント「MAPPA STAGE 2023」で、『アリスとテレスのまぼろし工場』のスペシャルステージが行われ、本作の最新情報が解禁された。
MAPPA STAGE 2023『アリスとテレスのまぼろし工場』ステージ概要
■日時:5月21日(日)
MAPPA STAGE全体 15:30~21:30
『アリスとテレスのまぼろし工場』ステージ 20:58~21:28
■場所:東京ガーデンシアター(江東区有明2-1-6)
■登壇者:榎木淳弥、上田麗奈、久野美咲
ステージイベント
岡田麿里による完全オリジナルストーリーで、MAPPA初のオリジナル劇場アニメーション作品となる『アリスとテレスのまぼろし工場』。
岡田監督の才能に惚れ込んだ、MAPPAの大塚社長が「岡田監督の作りたい世界を徹底的に追求した作品を作りたい」と制作を決意したこのプロジェクトは、2021年に制作発表され、同時に公開された特別映像は瞬く間に500万回以上の再生回数を叩き出し世界から注目を集めている。
その後、新しい情報はなくヴェールに包まれていたが、この日は最新情報が発表されるとあってステージに会場に集まった5,000人を超える観客たちの期待の眼差しが注がれる中、MCの呼び込みで榎木淳弥、上田麗奈、久野美咲の3名が登場!歓声が鳴り止まない中、本作のメインキャストを、榎木、上田、久野が務めることが発表された。
併せて、本作が「ある日突然起こった製鉄所の爆発事故により出口を失い、時まで止まってしまった町」が舞台の物語であることも判明。
この世界の住人たちは、いつか元に戻れるように“変化”を禁じられてしまう。
榎木が演じるのは、そんな閉ざされた世界で退屈な毎日をただ過ごす中学三年生の少年・菊入正宗。榎木は「正宗は14歳で時が止まっているという状態なので、退屈さや変化してはいけないこと思うところがあって、鬱屈したところからスタートしていく。睦実や五実と関わることでどう変化していくのか…ネタバレしそうで本当に怖い…!」と恐る恐るながらも役どころを説明しつつ、「めちゃくちゃ濃厚な作品に仕上がっていると思います!」と自信満々に語った。
正宗の気になる存在で、少し大人びた雰囲気がある同級生の佐上睦実を演じることになった上田は「睦実はミステリアスな少女。この町のルール、“心を動かしてはいけない”“変化があってはいけない”という中で人一倍、“動かしてはいけない”と思っているキャラクター。なぜ、そこまでルールを守っているのか?本当の気持ちはどこにあるのか?探りながら観ていくと、より面白く観ていただけると思う。そんな絶妙なキャラクターになっている」と魅力を語った。久野が演じる五実は、突然現れた言葉も話せず感情剥き出しの謎の少女で「言葉も話せないですし、野生の狼みたいな正体不明の…話せる内容が限られていて、何言ってもダメな気がする(笑)」と戸惑いながらも「正宗と睦実が五実と出会ってどう変わるかが重要なポイント」と物語の鍵を握る少女であることを明かした。
言葉を慎重に選びながらも、榎木は「3人とも主人公みたいな、3人の成長が描かれていく作品」と説明すると上田も、「皆さんのお芝居の爆発力がとんでもない!」と魅力を明かす。榎木と久野に対して「物語やキャラクターの成長を表現するお二人の爆発力はこの作品の見どころになるんじゃないかなって思ってます」と称賛すると、すかさず榎木も「上田さんも凄かったですよ!」、久野も「あんな麗奈ちゃん初めて見た!」と興奮気味に返した。「人間と向き合う作品だから、アフレコの時に3人でトライアングルになって、お互いを見ながらバチバチにアフレコした。楽しかった思い出がある」と榎木が驚きのエピソードを明かすと、会場からは感嘆の声が漏れた。
続いて、岡田監督から届いたメッセージが読み上げられ、メッセージと共に届いた、岡田監督からの質問へキャスト陣が回答するコーナーへ。
久野は、生命力の塊である五実と自分に似ているなと思うところがあるかという質問に「ここ最近は自分の本能というか思いのままというか、衝動的に行動しちゃっている瞬間がある。野性味の強いキャラクターなのでそういった部分で重なるところはあるんじゃないかな?」と回答。
すると榎木も久野に「野性味を感じる」と賛同。「やっぱり飲み屋での姿が…」とアフレコが終わり3人で初めて飲みに行った時に久野がはじけていたことを暴露、3人の仲睦まじいエピソードに会場は和やかな雰囲気に包まれた。上田に対しては演じた睦実が一筋縄ではいかない複雑な少女であることから、上田自身にも他の人には理解してもらえない習慣やクセがあるかという質問が投げかけられ「猫ちゃんが2匹いて、その子たちに行ってきますと挨拶してから家を出るんですけど、『もう一生会えなくなるかも…最後かもしれない…ありがとう!』と心の中で思ってからじゃないと家を出れない」と意外な一面を披露した。「猫も困惑していると思う」と榎木がツッコむも、まさかの久野が「気持ち分かる!」と意気投合する展開に。榎木のオーディションテープを聞いた瞬間に「正宗を見つけた!」と思ったという岡田監督。
テープを収録する際に自身でどんなディレクションをしたのか、という質問に対して榎木は「オーディションの時もあまり作品の情報がなかったけれども、リアルにやってほしいと言われて。アニメってデフォルメすることが多くてリアルにやる現場多くないので、リアルにやっていいと太鼓判をいただいたので、『じゃぁ、自分の好きな世界観を出そう!』と。セリフ聞き取れなくてもいいやってくらいの気持ちでやったら、岡田さんにすごい褒めていただいて。『よっしゃ!受かった!』と思った(笑)」と、オーディション時の心境を素直に語った。
イベント中盤では最新のティザービジュアルと特報映像がお披露目された。陽の光に手にかざす謎めいた雰囲気の少女が大々的にデザインされたビジュアルがスクリーンに投影されると一同、「かっこいい!!」と声をそろえて絶賛!
特報映像は、<変化は悪>とされ“恋する”ことすら許されない世界で、葛藤する少年少女たちの切ない表情や泣き叫ぶ少女の声が容赦なく胸に突き刺さる映像となっており、観客もわずか30秒の映像ながら引き込まれている様子だった。
そして、岡田監督が10年ぶりに書き下ろした、本作の原作小説が角川文庫から発売されることも発表された。6月13日(金)より全国の書店および電子書店で発売が開始される。
最後に、久野「MAPPA初のオリジナル劇場アニメということで、岡田監督含めて、スタッフさんが命を削りながらこの作品と向き合っているので、一人でも多くの人に観てもらいたい。私も全部ぶつけてアフレコしたので、楽しみにしていただけたら」、上田「本当に恋っていいな、と思わせてくれる作品。大人になるにつれて恋みたいに心が激しく動くことって少なくなっていく。その中でこのキャラクターたちに触れて、こんなにも溢れて止まらないものがあるんだって、改めて恋っていいなぁって。みんなの熱量がフィルムから伝わってくる作品になっている」、榎木「岡田監督が100%こだわり抜いた作品になっている。こんなにアフレコで疲れたのは初めて。それだけエネルギーを秘めた作品になっている。劇場で観たら見終わった後、茫然としてしまうと思う。公開を楽しみにしていただけたら」と作品をアピールし、大歓声の中イベントは幕を閉じた。
岡田麿里監督最新作『アリスとテレスのまぼろし工場』は9月15日(金)より全国公開される。
変化を禁じられた世界で、止められない思いが、暴走するー
突然起こった製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時まで止まってしまった町で暮らす中学三年生の正宗。いつか元に戻れるように、住人たちは変化を禁じられ鬱屈した日々を過ごす中、謎めいた同級生の睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのは喋ることのできない、野生の狼のような少女―。二人の少女と正宗との出会いが世界の均衡を崩していき、日常に飽きた少年少女たちの、止められない<恋する衝動>が世界を壊し始める―。
監督:岡田麿里×制作:MAPPA×配給:ワーナー・ブラザース映画が初タッグを組んだ豪華布陣!
アニメーション制作は『この世界の片隅に』 『劇場版 呪術廻戦 0』 「進撃の巨人 The Final Season」など数々のヒット作を手がけるスタジオMAPPA。岡田の才能に惚れ込み「岡田監督の作りたい世界を徹底的に追求した作品を作りたい」と初のオリジナル劇場アニメーション作品の制作を決意した。また、これまで細田守監督『サマーウォーズ』や、空前の大ブームを巻き起こした『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』など、常に時代の最先端をいくクリエイターを発掘し、大ヒットに導いてきたワーナー・ブラザース映画が、今回も満を持して岡田監督最新作の配給を担い、全国拡大公開を決めた。
制作陣にも実力派スタッフが集結!副監督に「呪術廻戦」の平松禎史、キャラクターデザイン・総作画監督に 「凪のあすから」の石井百合子、美術監督に『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』の東地和生、音楽は『空の⻘さを知る人よ』などの横山克が担当する。
作品について岡田は「少年たちが主人公の本作だが、甘酸っぱい⻘春物とは全力で逆走している、ヒリヒリした⻘春」を描いていると話す。本作の制作に至った理由の一つとして「自分が子供の頃に憧れた邦画や劇場アニメの空気を、現代の文法で作ってみたい」という思いを明かし「抱いていた理想そのままに、どこか懐かしい、それでいてちょっと見たことがないような映像になってきている」と手応えも伺わせた。岡田の元に集まった最強の布陣によってどのような作品が生み出されるのか、完成に期待が高まる。
“恋する衝動が世界を壊す”ーー容赦なく胸に刺さる特報映像&ティザービジュアルが解禁!
この度、特報映像とティザービジュアルが解禁。特報映像は、夕焼けが広がる空の下、光が反射する工場風景から始まる。14歳で時が止まった世界の退屈さを紛らわせるように、主人公の正宗と同級生の睦実がいらだちをぶつけ合っている中、空がひび割れ、突如、少女の泣き声が響き渡り、
風が吹き荒れるシーンが続く。何かの衝動のように映像が加速していく中、「退屈、根こそぎ吹っ飛んでいっちゃうようなの…見せてあげようか」という謎めいた睦実の声が聞こえ、“恋する衝動が世界を壊す”という意味深なフレーズで映像が終わる。
変化を禁じられた世界で果たして何が始まるのか、否が応でも胸騒ぎが止まらない衝撃の映像となっている。ティザービジュアルには、光に手をかざす少女の後ろ姿が描かれている。彼女の髪の毛は色濃く、その毛先には空のひび割れが続いており、謎めいた雰囲気を感じさせる。
一体この少女は何者なのか?「この少女に近づいてはいけない」という怪しげなコピーが、物語の始まりを想起させる。今後明かされる情報が楽しみだ。
映画『アリスとテレスのまぼろし工場』 特報|maboroshi 2nd Trailer
https://youtu.be/NvM28WMdRLQ
メインキャストに、榎木淳弥、上田麗奈、久野美咲ら人気声優が決定!
メインキャストも解禁!主人公・菊入正宗役には榎木淳弥。爽やかな少年系キャラクターから「呪術廻戦」の主人公・虎杖悠 仁のコミカルな演技まで幅の広い演技力を持つ榎木が、退屈を持て余しながらも睦実や五実と出会ったことをきっかけに変化し ていく14歳の少年を繊細に演じる。謎めいた正宗の同級生・佐上睦実役には上田麗奈。現在OA中の「マッシュル -MASHLE-」 レモン・アービン、「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」ギギ・アンダルシアなど常に演じるキャラクターが話題。可憐な声ながらキャラクターの持つ危うさや狂気じみた部分を巧みにのぞかせる演技力で、正宗を翻弄する睦実に息を吹き込んでいる。謎の少女・五実役には久野美咲。大ヒットアニメ「リコリス・リコイル」クルミ、「メイドインアビス 烈日の黄金郷」ファプタ、「サマータイムレンダ」ハイネなどで活躍、“リアルな子どもの声”でキャラクターを自在に操る演技で、謎の少女を熱演!
岡⽥麿⾥の書き下ろし!原作⼩説の発売が決定!
「あの花」以来約10年ぶりとなる岡田の書き下ろし⼩説が、⾓川⽂庫より発売されることも解禁された。登場⼈物達の迷いや葛藤、誰かに強く惹かれていく気持ちなど、繊細な⼼の動きが岡⽥⾃⾝の⾔葉で綴られており、映画公開に先駆けて堪能できる。⼀読してから映画を観れば、セリフの⼀⾔⼀⾔やシーン描写をより深く楽しめること
間違い無しの1冊だ。カバーイラストは、⾓川⽂庫版のみの限定カットで、光が差し込む製鉄所で正宗と睦実が佇む美しいイラストになっている。6⽉13⽇(火)より全国の書店および電⼦書店で発売開始。
海外にも新作を待ち望む多くのファン!唯一無二の世界を描き続ける岡田麿里とは!
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」、『心が叫びたがってるんだ。』を始め、数々の脚本を手がけてきた岡田は、ファンタジックな設定の中で人間の心の機微を繊細かつリアルに描き、アニメファンのみならず多くの人々の心の奥底を深く揺さぶる作品を生み出してきた。また、監督デビュー作となった『さよならの朝に約束の花をかざろう』は2018年に劇場公開され、スマッシュヒットを記録。第 21 回上海国際映画祭「⾦爵奨:アニメーション最優秀作品賞」を⽇本のアニメ作品として初めて受賞、第 51 回シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭で「ファンタスティック・ディスカバリー部⾨最優秀⻑編作品賞」に輝くなど海外でも高い評価を受け、岡田の紡ぎ出す唯一無二の世界観は、日本のみならず、海外のアニメファンをも熱狂させている。待望の監督最新作『アリスとテレスのまぼろし工場』は、2021年6月の制作発表に合わせて、2分ほどの特別映像が公開された際には、瞬く間に再生回数が500万回以上を超え、YouTubeのコメント欄は国内外からの期待コメントで埋め尽くされた。
<岡田麿里コメント全文>
『アリスとテレスのまぼろし工場』ですが、作品に関わってくれている多くのスタッフの情熱により、少しずつ作品の完成形が見えてきました。
この作品を作っている理由の一つに、自分が子供の頃に憧れた邦画や劇場アニメの空気を、現代の文法で作ってみたいというものがありました。抱いていた理想そのままに、どこか懐かしい、それでいてちょっと見たことがないような映像になってきていると思います。
少年たちが主人公の本作ですが、甘酸っぱい青春物とは全力で逆走している、ヒリヒリした青春を描いています。皆さんに楽しんでいただけますよう、スタッフ一同頑張ります。なにとぞよろしくお願いいたします。
STORY
突然起こった製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時まで止まってしまった町で暮らす中学三年生の正宗。いつか元に戻れるように、住人たちは変化を禁じられ鬱屈した日々を過ごす中、謎めいた同級生の睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこにいたのは喋ることのできない、野生の狼のような少女―。二人の少女と正宗との出会いが世界の均衡を崩していき、日常に飽きた少年少女たちの、止められない<恋する衝動>が世界を壊し始める―。
★作品詳細
アリスとテレスのまぼろし工場
公開日:9月15日(金)全国公開
〈スタッフ・キャスト〉
監督:岡田麿里
副監督:平松禎史
キャラクターデザイン・総作画監督:石井百合子
美術監督:東地和生
音楽:横山克
アニメーション制作:MAPPA
キャスト:榎木淳弥 上田麗奈 久野美咲
配給:ワーナー•ブラザース映画 MAPPA
公式サイト:https://maboroshi.movie/
公式Twitter:@maboroshi_2023
公式Instagram:maboroshi_2023
ハッシュタグ:#まぼろし工場
岡田麿里監督プロフィール
岡田麿里(おかだまり)
1976年生まれ。脚本家。
1998年『DT エイトロン』で初めてアニメ脚本を手掛けて以降、主にアニメ脚本家として活動し、2011 年には原作・脚本の『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」が大ヒット。小説や実写作品の脚本、漫画原作、作詞など、活動の範囲を広げ続け、2018 年『さよならの朝に約束の花をかざろう』でアニメ監督としてデビューした。
【代表作品】
監督 「さよならの朝に約束の花をかざろう」(2018年)
脚本 「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(2011年)、「凪のあすから」(2013年)、「心が叫びたがってるんだ。」(2015年)、「空の青さを知る人よ」(2019年)
「泣きたい私は猫をかぶる」(2020年) ほか多数
【受賞歴】
「第16回アニメーション神戸賞」個人賞、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭第5回ニューウェーブアワード(クリエイター部門)、第61回埼玉文化賞
MAPPAプロフィール
株式会社 MAPPA(マッパ)
アニメーション制作会社。
2011年6月、元・マッドハウスプロデューサーの丸山正雄によって設立された。2016年4月、設立メンバーの一員である大塚学が社長に就任。創業以来、テレビアニメを中心に映画、WEBアニメ等、ジャンルにとらわれない様々な映像作品の企画・制作を行っており、設立10周年の節目を迎える 2021年も多様な作品制作に取り組んでいる。代表作は「この世界の片隅に」、「ユーリ!!! on ICE」、「ゾンビランドサガ」、「呪術廻戦」ほか。
映画「アリスとテレスのまぼろし工場」 特報
https://youtu.be/lEJToD1Ji8U
©Maboroshi Project