2024年8月14日(水)開幕!「ひろしまアニメーションシーズン2024」コンペティション部門作品が決定!広島の夏を創造性あふれるアニメーション 全78作品が彩る!

 

米国アカデミー賞公認、“世界4大映画祭”の後を継ぐ2 年に1度のアニメーション芸術の祭典「ひろしまアニメーションシーズン2024(HAS)」が2024年8月14日(水)〜18日(日)の5日間、広島県広島市で開催される。

HASは、世界4大アニメーション映画祭のひとつとして知られた広島国際アニメーションフェスティバルが2020年に終了したのち、2022年より新たな装いで生まれ変わった2年に1度のアニメーション映画祭。
アニメーション映画祭としては日本唯一のアカデミー賞公認となります。HASでは、ユニークなアニメーション作家たちが集い、作品を披露しあうという映画祭のコアを現代的にアップデートし、長編、テレビ、ウェブメディアなど短編にかぎらずアニメーションの可能性と未来をパーソナルかつユニークに掘り起こすクリエイターたちを、古今東西・商業非商業の枠を超えて紹介していく。

今回は世界中から関係者が集う場としてのHAS会場に併設するかたちで、国境を超えたクリエイターの連携を目的とした「ひろしまアニメーションアカデミー&ミーティング(HAM)」(2024年8月15日〜17日)を新設。映画祭参加者間のコミュニケーションをブーストすることで、業界内の知見を深め、国際的な友情を新たに構築することを目指す(詳細は後日発表)。

今回、コンペティション各部門の入選作品が決定!
今回は97の国・地域から、前回の「ひろしまアニメーションシーズン2022」(2022年8月17日〜21日に開催)の2149作品を大きく上回る2634作品の応募があり、(募集期間:2023年12月1日〜2024年4月14日)。本映画祭アーティスティック・ディレクターの山村浩二、本映画祭共同プロデューサーの宮﨑しずか、アニメーション作家の矢野ほなみの3名を選考委員として(アドバイザーとして本映画祭プロデューサーの土居伸彰も選考の一部に参加)、全78作品(短編73本・長編5本)が入選作品として選出された。
入選作品のうち3/4近くの入選作家・プロデューサーが、すでに映画祭現地への参加を表明。映画祭当日は、国際性溢れるコンペティション上映が展開される。
また、アーティスティック・ディレクターの山村浩二によるコンペ選出についてのコメントも到着している。

 

★コンペティション部門★2022年〜2024年製作の作品を対象
■短編コンペティション
全世界の作品(30分以内)を対象に、「現代の寓話」「社会への眼差し」「虚構世界」「光の詩」の4つのカテゴリで選出・上映。
5名の国際審査員が各カテゴリ賞に加え、全体のグランプリを選出します。
(グランプリ作品は賞金50万円のほか、アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネート資格を取得)
■長編コンペティション
全世界の作品(30分超)が対象。審査員は設定せず、観客の投票でグランプリを決定
■環太平洋・アジアユースコンペティション
同地域の学生作品・デビュー作(卒業後第一作)を対象。3名の国際審査員がグランプリおよび審査員賞を決定
■日本依頼作品コンペティション
ミュージックビデオ、CM、テレビ番組用映像など、コミッションによって作られた作品を対象。3名の審査員がグランプリおよび審査員賞を決定。

 

 

山村浩二(アーティスティック・ディレクター)コメント

今回の選考では、優れた作品であっても落選したものも多くあり惜しまれます。戦争と難民をテーマにした作品が目立っていたほか、ベテラン作家の成熟と挑戦が目を惹き、また中国と台湾の作品が特異性と技術力で台頭したことが、選考結果にも反映されました。技術面では、AIを用いた作品が格段に増えました。入選した作品には、AIを使用する意味に対する意識的な取り組みがあったものを評価しました。物語を語る作者の立ち位置も焦点になりました。特に戦争を扱った作品は、テーマに対する意識は適切か、その表現技術を用いる意味はあるのか、美意識に溺れてしまっていないかといったことが選考時に議論されました。

 

 

短編コンペティション「現代の寓話」:現代において寓話を語る・観ることの意義を問いかけるもの

ベルギー・アニマ映画祭グランプリのニーナ・ガンツ、オタワ国際アニメーション映画祭グランプリの折笠良など他の主要なアニメーション映画祭で受賞している作品に加え、過去作が新千歳空港国際アニメーション映画祭グランプリなど世界的に評価されているスティーブン・アーウィンなど、現代を代表する若手作家たちが躍動するプログラムとなっています。

 

<入選作品>
『Children of the Bird』(Julia Tudisco、2024年、ハンガリー、11分31秒)
『パーキングエリアの夜』(村本咲、2024年、日本、11分34秒)
『WORLD TO ROAM』(Stephen Irwin、2023年、イギリス、12分21秒)
『みじめな奇蹟』(折笠良、2023年、フランス=日本=カナダ、8分13秒)
『The Role』(Paolo Chianta、2023年、イギリス、5分28秒)
『Wander to Wonder』(Nina Gantz、2023年、オランダ=ベルギー、13分50秒)
『Ship Down the Well』(Chen Xi / Zhou Xiaolin、2023年、中国、14分28秒)

 

 

短編コンペティション「社会への眼差し」:ドキュメンタリーなど、社会的なトピックにアプローチしているもの

前回審査員として来日したフランス・アニメーション界の巨匠フローランス・ミアイユ、以前の広島での常連作家シモーネ・マッシといったベテラン作家たちがそれぞれの視点から反戦を唱える一方、AIなど新たなテクノロジーがもたらす社会の変容も作品のテーマとして目立ちました。

 

<入選作品>
『There are people in the forest』(Szymon Ruczynski、2023年、ポーランド、9分53秒)
『Butterfly』(Florence Miailhe、2024年、フランス、15分00秒)
『All my Scars Vanish in the Wind』(Angélica Restrepo / Carlos Velandia、2022年、コロンビア、14分18秒)
『Mee and Burd』(Greg McLeod、2023年、イギリス、7分48秒)
『From Our Side』(Simone Massi、2022年、イタリア、5分00秒)
『Dear Humans』(Joo Peter、2023年、インドネシア、5分00秒)
『Beautiful Men』(Nicolas Keppens、2023年、ベルギー=フランス、18分53秒)

 

 

短編コンペティション「虚構世界」:アニメーションによる独自の世界観を見事に作り上げているもの

アニメーションならではの独自の奇妙な映像世界を展開する作品をフィーチャー。過去ユナイテッドアローズのCM映像がトレンドを作り出したジャンルイジ・トッカフォンドの新作のほか、台湾土着文化を熱狂する映像へと翻訳していく『熱帯複眼』などに注目です。

 

<入選作品>
『I would eat it if I could』(Bence Hlavay、2023年、ハンガリー、10分1秒)
『熱帯複眼』(Zhang Xu zhan、2022年、台湾、17分5秒)
『Ruthless Blade』(Zhang Bo、2023年、中国、12分17秒)
『Whatever moves is alive』(Noémie Marsily 、2022年、ベルギー、11分5秒)
『La Voix des Sirènes』(Gianluigi Toccafondo、2024年、フランス=イタリア、19分42秒)

 

 

短編コンペティション「光の詩」:ビジュアルによる詩的表現として優れているもの

日本でも根強い人気のドン・ハーツフェルト最新作に加え、エイミー・クラヴィッツ(1956年生まれ)、ジョルジュ・シュヴィッツゲーベル(1944年生まれ)、大井文雄(1944年生まれ)、デイヴィッド・アーリッヒ(1941年生まれ)といった大ベテランたちによるフレッシュな新作が並ぶ点も注目です。

 

<入選作品>
『Two One Two』(Shira Avni、2023年、カナダ、4分12秒)
『From one painting… to another』(Georges Schwizgebel、2023年、フランス=スイス、3分10秒)
『The Hour Coat』(Amy Kravitz、2022年、アメリカ、12分39秒)
『Gina Kamentsky’s Pinocchio in 70mm』(Gina Kamentsky、2024年、アメリカ、3分12秒)
『O/S』(Max Hattler、2023年、香港=ドイツ、5分00秒)
『The Eastern Rain』(Milly Yencken、2023年、エストニア、9分7秒)
『Sing, David, Sing』(David Ehrlich、2023年、アメリカ、2分19秒)
『胡蝶の夢』(大井文雄、2024年、日本、6分44秒)
『Burning』(Liu Yi、2024年、中国、4分30秒)
『Croak Show』(Suresh Eriyat、2024年、インド、4分12秒)
『ME』(Don Hertzfeldt、2024年、アメリカ、22分00秒)

 

 

長編コンペティション

ハイクオリティなファンタジーが目を奪う『SIROCCO』、ユニークなドローイングによるコメディが楽しい『When Adam Changes』、実写とのハイブリッドによるSF『WHITE PLASTIC SKY』、日本アニメに大きな影響を受けたパキスタン初の2D長編『The Glassworker』と、多種多彩でユニークな5本が揃いました。

 

<入選作品>
2023年度アカデミー賞カナダ代表作品として選ばれたアニメーション・ドキュメンタリー。2002年に起こった中国国営テレビ局の電波ジャック事件の真相を追う。

『When Adam Changes』(Joël Vaudreuil、2023年、カナダ、93分30秒)
カナダ・ケベック発のオフビート・コメディ。第2回新潟国際アニメーション映画祭グランプリ受賞作。
『SIROCCO AND THE KINGDOM OF THE WINDS』(Benoit Chieux、2023年、フランス=ベルギー、80分00秒)
日本でもヒットした『ロング・ウェイ・ノース』で作画監督を担当したブノワ・シューのデビュー長編。奇想天外なビジュアル世界
『WHITE PLASTIC SKY』(Tibor Bánóczki / Sarolta Szabó、2023年、ハンガリー=スロベニア、111分00秒)
ユニークな短編を制作してきた二人組の長編デビュー作。動植物が失われた2123年のブダペストで、妻を救出する男を描いたSFアクション。
『The Glassworker』(Usman Riaz、2024年、パキスタン、90分00秒)
パキスタンのアニメーション史上初の2D長編は、スタジオ・ジブリの美学を新たに発明しなおす意欲作。

 

 

環太平洋・アジアユースコンペティション

同地域の学生作品・デビュー作(卒業後第一作)を対象。国際審査員がグランプリおよび審査員賞を決定
ニュージェネレーションらしいアイデンティティの探求から、社会問題に言及したものまで、技法も話法も多様なプログラム。特に中国作品の層の厚みと、この地域の独自性が際立つ作品群。

 

「環太平洋アジアユースコンペティション1」入選作品
中国、日本、アメリカ、エクアドル、コロンビアなど、独特な立体作品や奇妙なビジュアルの実験。
『BODY OF A SHADOW』(Anderea Munoz Alvarez、2024年、コロンビア、11分59秒)
『Sewing Love』(Xu Yuan、2023年、日本、8分36秒)
『bonem9』(Li,Jian-Hua、2023年、台湾、6分15秒)
『Return』(Chen Lindong、2023年、日本、2分50秒)
『Wind Whisperer』(Fernanda Caicedo、2022年、ドイツ=エクアドル、6分30秒)
『I Am a Horse』(Chaerin Im、2022年、韓国=デンマーク、7分58秒)
『私は、私と、私が、私を、』(伊藤里菜、2024年、日本、7分44秒)
『Blood Machine』(Xiao Wenbo、2023年、中国、8分27秒)
『SKINNY WORLD』(Yang Huaxu、2023年、中国、3分14秒)
『Cut &』(Di Liang、2023年、アメリカ=中国、1分47秒)
『Syppyt Suruktar』(Kyhynngy Oyuur、2024年、サハ共和国(ロシア)=オランダ、12分00秒)

「環太平洋アジアユースコンペティション2」入選作品 
技術的な実験作品や、身近な出来事から社会問題まで、今を生きる作家たちの多様な声が響くプログラム。
『孤』(ajisa、2023年、日本、11分18秒)
『Lying Ant』(Tay Jing Sy、2023年、シンガポール、3分46秒)
『Vision』(Çağıl Harmandar、2023年、日本=トルコ、7分18秒)
『Friday-Fair』(Luiza Alberti、2023年、オーストラリア、3分49秒)
『ゾウのかたち』(Sam Kuwa、2023年、日本、8分11秒)
『The tree』(Guillermo Arias、2022年、チリ、4分48秒)
『The Posthuman Hospital』(Junha Kim、2023年、韓国=アメリカ、6分54秒)
『Mold』(Shi Shengxue、2023年、日本=中国、2分42秒)
『This Is a Story Without a Plan』(Cassie Shao、2023年、アメリカ、7分35秒)
『あさいゆめ』(鈴木まり奈、2024年、日本、2分29秒)
『I See Myself a Monster』(AA Cheng、2023年、中国=アメリカ、3分42秒)
『Dear Daughter』(Hsu Pan Naing、2023年、ミャンマー=ドイツ、12分29秒)

 

 

日本依頼作品コンペティション

ミュージックビデオ、CM、テレビ番組用映像など、コミッションによって作られた作品を対象。審査員がグランプリおよび審査員賞を決定。
今回新設となるコンペティションには、ミュージックビデオやオンライン投稿サイト向け映像のほか、「みんなのうた」「プチプチ・アニメ」「おかあさんといっしょ」「しなぷしゅ」など乳幼児〜子供向けTV番組のための作られた短編作品、『きみの色』の公開を控える山田尚子によるショートアニメなど、日本のアニメーションの多彩な創造性が発揮される場としての依頼作品の姿を一望できるプログラムとなっています。

<入選作品>
『おかあさんといっしょ「やくめをおえてこのたび自由になりました団」』(うえ田みお、2023年、日本、7分54秒)
『みんなのうた「惑星」』(影山紗和子、2022年、日本、2分25秒)
『DUSTCELL「INSIDE」』(山田遼志、2022年、日本、3分6秒)
『WI-COCOON – ART TREAT SPA』(鋤柄真希子 / 松村康平、2022年、日本、5分28秒)
『プチプチ・アニメ「春告げ魚と風来坊」』(⼋代健志、2023年、日本、5分0秒)
『星宮とと+TEMPLIME「Mind Replacer」』(大谷たらふ、2024年、日本、1分52秒)
『鬼太郎EXPO「SPECTER FROM THE ABYSSAL ZONE!」』(水江未来、2023年、日本、2分15秒)
『Pass49e「白い悪魔」』(円戸サヤ、2023年、日本、3分41秒)
『Pass49e「Music Video」』(冠木佐和子、2023年、日本、1分7秒)
『シナぷしゅ「あるひのシナ田さん」』(平松悠、2023年、日本、7分50秒)
『シナぷしゅ「ベビートーベン 喃語協奏曲」』(鈴木友唯、2023年、日本、1分30秒)
『サイエンスSARU×MBSオリジナルショートアニメ大作戦!「オオクニヌシとスクナビコナ」』(横山彰利、2024年、日本、1分30秒)
『刀雨「Be Gone」』(羅絲佳、2022年、中国=日本、3分56秒)
『Garden of Remambrance』(山田尚子、2022年、日本、17分44秒)
『びじゅチューン「グランド・オダリスクvs蚊」』(井上涼、2023年、日本、1分35秒)
『「TIME TIDES」』(稲葉秀樹、2023年、日本=フランス、1分40秒)
『ヨルシカ「月光浴」』(久保雄太郎、2023年、日本、4分12秒)
『手話アニメーション「しゅわわん!」第1話「最高のだっこ」』(国好みづき、2023年、日本、5分0秒)
『Eテレ0655/Eテレ2355「たつこたつ」』(うえ田みお / 貝塚智子、2024年、日本、2分23秒)

 

 

【ひろしまアニメーションシーズン2024】

■名称:ひろしまアニメーションシーズン 2024
■開催日程:2024年8月14日(水)~ 8月18日(日)  
■会場:JMSアステールプラザ
■主催:ひろしま国際平和文化祭実行委員会、公益財団法人広島市文化財団
■協賛:三井不動産リアルティ中国
■助成:公益財団法人JKA
■メイン企画:
コンペティション(短編・長編・環太平洋アジアユース・日本依頼作品)
特集上映、シンポジウム、トーク、ワークショップなど
ひろしまアニメーションアカデミー&ミーティング(HAM)
■映画祭プロデューサー:土居伸彰(ニューディアー代表) 
■共同プロデューサー:宮﨑しずか(アニメーション作家/比治山大学短期大学部准教授) 
■アーティスティック・ディレクター:山村浩二(アニメーション作家/東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授)

■第2回ひろしま国際平和文化祭: https://hiroshimafest.org
■ひろしまアニメーションシーズン2024: https://animation.hiroshimafest.org