Sir Vanity 3rd Live“TO”ライブレポートが到着!

声優の梅原裕一郎と中島ヨシキ、作曲家・桑原聖、クリエイティブディレクター・渡辺大聖によるバンドプロジェクトSir Vanityが、8月24日(日)に神奈川・KT Zepp Yokohamaにて、『Sir Vanity 3rd Live “TO”』を開催した。今年3月の千葉・森のホール21以来のライブ。6月25日には、舞台『東京リベンジャーズ』の主題歌として書き下ろした楽曲を集めたコレクションアルバム『Timeless』をリリースしたこともあり、ファンにとっては待望のワンマンライブに。ここでは、同公演のオフィシャルライブレポートを写真とともにお届けする。

開場時にまず多くのファンが注目したのは、ステージ中央にそびえ立つ塔のようなオブジェだ。まるでホールやアリーナでのワンマンライブのようなSir Vanityらしい遊び心が感じられる壮大なセットに、開演を待つファンの期待値も高まっていく。Sir Vanityのライブは、毎回セットのデザインやライブの構成で、タイトルやコンセプトの世界観を体現しているところが大きな特徴。強烈なインパクトを与えた今回の塔のオブジェは、Sir Vanityの5年間の活動が交差し、時間や空間を超えて繋がる基地局を表現しており、集まったファンの思いを電波として吸収し、新たな世界線を生み出していく…。
今回の“TO”はそんなメッセージも含んだライブとなっていた。レーザーに照らされる中、近未来感溢れるOvertureが流れ出し、10からのカウントダウンが始まるとメンバーが順番に登場。大きな歓声が上がると、舞台『東京リベンジャーズ-血のハロウィン編-』の主題歌「will」でライブはスタートした。1曲目からヘヴィーでドラマチックなバンドサウンドに乗せて、梅原と中島のツインボーカルが響き渡り、派手な照明やレーザーの演出も相まって、一気にライブという非日常空間へと誘っていく。続いて、照明が赤に切り替わるとピアノイントロが印象的な「New Day」へ。さらに、イントロで渡辺が「横浜、騒いでいこうぜ!」と煽りながら、2020年6月リリースの1stシングル「Vanity」へと続く。Sir Vanityにとっての始まりの1曲であり、決意表明とも取れるようなバンドのテーマ曲的なナンバーだ。人気曲を一気に3曲畳みかけ、Sir Vanity最大の魅力である骨太なバンドサウンドとツインボーカル全開の幕開けとなった。

ここで最初のMCパートへ。中島が何度もリハを重ねてきたので「仕上がっているぜ、Sir Vanity!」と語りファンを沸かせると、誰もが気になっていたであろうステージ中央の塔のセットに触れ「やり過ぎだよ」と笑いを誘いつつ、キーボード、ギター、ドラムのサポートメンバーを紹介。今回も3月のワンマンと同じこの7人体制でライブを盛り上げてゆくことを約束し、次のブロックへ。

曲紹介をすると大きな歓声が上がり、中島がメインボーカルを務める「紫陽花」でスタート。紫の照明で始まり、サビの「降り続けてる冷たい雨が私を濡らして」というところでは、青い照明が印象的に降り注ぐ。続いて、全体の照明がゴールドに近いオレンジに変わり、梅原がメインボーカルを務める「goldfish」へ。ラストの転調でドラマチックな展開を見せると、再びかけ合いのようなツインボーカルが冴え渡る「透明なわたし」へと続く。クラップが沸き起こり、会場の一体感がさらに増したところで、「大切な人を思い浮かべて聴いてください」というMCから「home」へ。このブロックは曲や歌詞に合わせた照明演出なども合わさり、Sir Vanityの楽曲世界への没入感が高まるゾーンに。特に、ミディアムなナンバー「home」ではステージをじっと見つめ聴き入っているファンの姿がとても印象的だった。

続いてのMCパートでは、前回3月のライブを振り返りつつ、改めて今回のライブへの意気込みを語り、この後は「長くてぶち上がる」ブロックになると予告。中島が「腕上げられますか?盛り上がっていこうぜ!」と煽り、赤い照明に包まれる中、「Dawn」で次のブロックに突入すると、早速、手を掲げて自由に楽しむファンの姿が見られる。続いては、ピアノの音色が印象的で疾走感溢れる1st Albumのタイトル曲「Ray」。後半のシンガロングで更なる一体感を生み出すと、間髪入れずにキャッチーなギターイントロから「to start over」へ。さらに、4つ打ちのリズムに乗せたサビのコール&レスポンスのレクチャーを経て人気曲「御免あそばせ」へと繋いでいく。ファンとの結束が一気に強まったところで、渡辺が「最高だぜ!ありがとう!」と叫ぶと、軽快で爽やかなバンドサウンドが魅力の「らしくないかもな」をパフォーマンス。「君と出会えたこの日に ありがとう、なんてさ」という歌詞が印象的に鳴り響き、多幸感溢れるブロックを締め括った。ぶち上がるブロックとの予告通り、この日最大のハイライトとも言えるようなエモーショナルなブロックとなったのだが…、ライブはこの後さらにぶち上がる展開に。

 次のMCでは今回の衣装のコンセプトを説明。『東京リベンジャーズ』からのインスパイアであることに触れ、舞台『東京リベンジャーズ』にSir Vanityとして5曲の主題歌で関われたことへの感謝や敬意を伝えると、ライブのクライマックスに向けて、その主題歌を披露していくことを宣言。最後のブロックでは、「RiR」、「Timeless」、「HERO」という舞台『東京リベンジャーズ』の主題歌3曲を立て続けに披露して、会場をさらにぶち上げていった。東リベの世界観を表現したような情熱的な赤い照明で始まり、物語と楽曲が描く静と動、登場人物の感情の揺らぎや爆発する思いをサウンドと照明でも表現した形だ。そんなパッション漲るバンドサウンドと照明演出の融合はZeppというライブハウスならでは。このブロックは、Sir Vanity×『東京リベンジャーズ』が作り出す世界観に誰もが没入できるパートとなっていただけではなく、今回のライブ“TO”のコンセプトを最も体現したパートにもなっていた。

そして、この日最大の盛り上がりを見せると最後のMCパートへ。写真撮影を経て、リハーサル期間中に新曲が完成したことを発表するとファンは歓喜。10日ほど前にできたばかりで、まだレコーディングもしていないという新曲を最後に初披露するというファンにとってはサプライズ過ぎる展開が待っていた。作詞した中島が「Sir Vanityらしくライブで盛り上げれる曲、爽やかに終われる曲」だと語り、最後に「WOW WOW…」というシンガロングパートがあるので一緒に歌ってほしいと呼びかける。そんな新曲のタイトルは「MUSIC」。梅原と中島がそれぞれスポットライトを浴びて、同時に歌い出す曲の始まりもとても印象的だった。Sir Vanityの活動やライブへの思い、音楽にかける情熱、ファンへのメッセージなどが盛り込まれた新曲「MUSIC」は、今後のライブ終盤での定番曲になっていきそうだ。

そんな「MUSIC」の余韻に包まれる中、会場からはすぐさまアンコールが沸き起こる。アンコールは特に用意していないとのことだったが、メンバーが再びステージに揃うと、「みんなでハッピーになって終わりましょう!」と呼びかけて、人気曲「マイペース・メイカー」を披露。会場を埋め尽くしたファンが手を左右に振り、最後に更なる一体感を生み出して『Sir Vanity 3rd Live “TO”』はフィナーレを迎えた。この日のライブが2025年最後のライブだと語っていたが、「また会う日を待ってるさ」、「気ままに行こうぜ」といった歌詞から、再会を約束してくれる前向きなメッセージだと捉えたファンも多かったことだろう。メンバーがステージを去ると、そんなファンに向けて、来年のライブ情報が映し出される。これもまたSir Vanityからの粋なサプライズ。「Sir Vanity×斉藤壮馬 2man Live開催決定!」との情報が発表され、会場からは割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こった。歌詞にあった通りに、また会える日を最後に約束してくれた形だ。

今回の『Sir Vanity 3rd Live “TO”』は、語りと音楽をコンセプチュアルに繋ぎながらショーテイストに魅せた前回の『美園』とは異なり、Sir Vanityらしい緩いMCやファンの熱量が生み出した予定調和ではないアンコールなど、ライブとしての生感やSir Vanityらしいやりすぎを超えた演出によって作られた特別な空間が広がっていた。活動の記録を映像メディアとして残さないSir Vanityにとって、彼らが作り出すこの世界線を目撃したファンは観測者であり、そんな観測者達の証言こそが、彼らがそこにいた証明となる…そんな特別なライブになっていたのではないだろうか。

 

中島が最後のMCで語っていたように、Sir Vanityはそれぞれ本業がある中でのプロジェクトとしてのバンド活動だ。しかし、今回のライブでは、そんなことを全く感じさせないようなバンドとしての一体感とファンとの強い絆が見られた一夜となった。次のライブはバンドとしての醍醐味でもあり、真価が問われる“対バンライブ”だ。お互いに刺激し合い高め合うパフォーマンスに期待したい。きっとSir Vanityがバンドとして更なる高みを目指していくためにも、とても重要なライブになることだろう。そして、今回初披露された新曲がどのような形でリリースされるのかも今後の楽しみのひとつだ。これからもバンドSir Vanityの進化と覚醒、そして、彼らのこだわりと遊び心にも注目していってほしい。

 

WRITING:ATSUSHI OINUMA
PHOTO:福岡諒祠(GEKKO)、奥野倫(GEKKO)

 

 

■Sir Vanity×斉藤壮馬 2man Live

日時:2026年3月7日(土)・3月8日(日) 各日1公演予定
会場:TACHIKAWA STAGE GARDEN https://www.t-sg.jp/access/
出演:Sir Vanity、斉藤壮馬
※チケット販売詳細、開場開演時間および諸注意等は後日お知らせいたします。

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■Sir Vanity INFORMATION■
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■斉藤壮馬 INFORMATION■
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