「観終わった後に思わず空を見上げたくなるような、本当に爽やかな気持ちになる作品」映画『アイの歌声を聴かせて』アヤ役・小松未可子インタビュー

10月29日（金）より全国公開となるポンコツ“AI”とクラスメイトが織りなす、爽やかな友情と絆に包まれたエンターテインメントフィルム『アイの歌声を聴かせて』。

本作は女優の土屋太鳳が主人公のAI・シオンを演じ、多彩な楽曲たちをエモーショナルに歌い上げる。また、もうひとりのヒロインであるサトミを福原遥、幼馴染のトウマを工藤阿須加が参加し、「AI」と「人間」の関係というテーマを、高校生の少年少女たちが織りなす瑞々しい群像劇が描かれている。

そんな本作からシオンを見守る登場人物の１人アヤを演じる小松未可子さんにインタビューを実施。

「心も晴れやかになった」と語った本作の魅力などたっぷり答えてもらった。

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――完成した映画を観ていかがでしたか？

小松未可子（以下、小松）：　まず、手書きのアニメーションとCGがすごく自然な形で融合していて、本当に映像が美しかったです。
舞台になっている学校だったり、AIを研究している実験都市だからこそできるAIと融合している街全体の描写など、シオンたちがそれを活用してすごく幻想的な世界を作り出している所は、何より美しいなと思いました。
本当に圧倒的な映像美で、やっぱり劇場で観るからこその映像だなって思いました。
それだけじゃなく物語の本筋であるシオンを中心とした、ある意味群像劇的な部分もありますし、親子のお話でもあります。
最終的には映像で感じた美しさと同じように、心も晴れやかになった印象がありました。

――確かに田舎的な懐かしさとＡＩがすぐ隣にいる新しさがうまく融合している映像はすごく綺麗でした。学校もあの古い校舎の感じは学生時代を思い出すんですが、そこにAIが所々に出てきますよね。

小松：　一見普通の田園風景かと思いきや田植えロボットが存在していたり、バスとかも随所にAIが活用されてますよね。

――小松さんが演じているアヤというキャラクターの最初の印象と演じ終えた今の印象に違いはありましたか？

小松：　オーディションを受けた時から前半のセリフは特にそう感じたんですけど、アヤの言葉の当たりが強いというか、最初にセリフだけを見た時はいわゆるちょっと嫌な立ち位置なのかなって思ってたんです。
オーディションに受かったタイミングで監督から最初に「第一印象にアヤらしさがすごく溢れていたんですけど、アヤを嫌な子には見せたくない」っていうメッセージをいただいたんです。
アヤの中にもゴッちゃんとの関係とか悩みがあったり、サトミが告げ口姫と言われている理由もあったりして、アヤはすごくストレートな物言いをするがゆえに当たりが強く嫌な子に見えてしまうという部分からスタートして、それがゴッちゃんとの関係性からくるものもあったり、恋愛に関しては非常に一途で周りが見えなくなるような所もすごく高校生らしいなって思いました。
その問題が晴れてからは周りのこともよく見えている子だし、気を遣える部分もあって、トウマの背中を押したり、とても素直で他人を思いやれる子なんだなという印象に変わっていきました。

――小松さん的に見所だなと思うシーンはどこですか？

小松：　本当に色んな側面を持っている作品だなって思うんです。歌に関して言えば、シオンが突然歌い出すシーンがあって、シオンの歌はこの物語のすごくキーポイントで、その歌は何のための歌なのか。シオンを中心として周りの関係性が変化していく中で、歌にも意味合いに変化が少し出てくるのかなっていう所もひとつ大きな見どころなんじゃないかなと思います。
一番度肝を抜かれたのはシオンが歌い出すシーン。歌い出すだけじゃなくて、彼女がAIであるがゆえに学校と同期しているテクノロジーを駆使してミュージカルの世界を作り上げられちゃうというのはすごく面白いと思いました。
学校全体がステージになってまさにオンステージでしたね。

――作品全体の中から1つ挙げて頂きましたが、ではアヤに絞っての注目シーンはどこでしょうか？

小松：　この作品はアヤとゴッちゃんの関係性から生まれた問題というか、アヤが抱える葛藤という部分が、ある意味第1章みたいな所があって、そこを乗り越えた辺りを境にみんなの関係性が一つにまとまっていくんです。
ゴッちゃんとぶつかり合って、アヤがわだかまりをぶつけるシーンというのは、彼女の中の変化とそれに付随して、ひとつの関係性がどんどん周りに影響を及ぼしていくっていうのがすごく面白い構造になっていて、物語の第一関門のようなアヤとゴッちゃんとの関係性は最初に注目していただきたい所かなと思います。

――シオンとサトミの印象はいかがですか？

小松：　シオンはこんな子がいてくれたらいいなってすごく思えるような女の子だなって思いました。だんだんAIじゃなくてシオンっていう一人の女の子として見られるんですよね。それはシオンだからこその魅力だと思いますし、突然距離感ゼロで飛び込んでくれる行動力というか人の心を突破してくる感じで、「サトミ今幸せ？」ってずっとそればっかり聞いてくるんですが、それは幸せにしようとしてくれて、もしかしたら誰よりも人を思いやってくれてるのかなって感じて、そういう部分はすごく魅力的ですね。
作品を最後まで見ると、なぜシオンがシオンとして生まれたんだっていう所が分かってくると思います。
サトミは一見普通の女子高生なんですけど、サトミの母親が街全体のAIの研究での大事な役割を担っていて、研究者として前線に立っている女性ということもあって、親子関係が少し特殊なんですよね。
それでいてサトミは母親のことをすごく思いやっていて、家族愛が非常に強いなって思います。めちゃくちゃポジティブな子っていう訳じゃないんですけど、何よりも心の優しさを持っているのかなと思います。福原さんのお声によってとても柔らかい女の子になっていると思いました。

――今福原さんのお話が出ましたが、今回共演されている土屋太鳳さん、福原遥さん、工藤阿須加さんのお芝居の印象はいかがでしたか？

小松：　皆さん、非常にナチュラルにアニメと合致していて、アニメのお芝居って実写のお芝居と比べると分かりやすく伝えようとして、どうしても誇張ぎみにはなってしまうんですが、それがすごくナチュラルに融合しているのは素晴らしいなって思いました。
何より第一声でシオン、サトミ、トウマだって印象を受けるのはすごいことなんですよね。もう説得力が抜群で、トウマの朴訥な雰囲気は、普段実写でお芝居されている工藤さんから全然想像がつかないぐらい素晴らしいお声だなと思いました。
サトミもその透明感と柔らかさと相手を思いやれる心の深さが感じられましたし、シオンは柔らかい声だけど芯がすごく強くて、AI感というか絶妙な加減が素晴らしいなって思いました。もうただただ圧倒されました。

――どんな方に観てほしいと思いますか？　最後に視聴者の方にメッセージをお願いします。

小松：　私はこの作品を通して自分の高校生時代も思い出しながら、こんなことがあったら良いな、あんなことがあったらいいなって思いをはせられましたし、そういう作品ってとても素敵だなって思うんです。この作品はまさにそうですし、舞台も自分がいる今の世界の延長線上にあるような世界観ですごく没入できると思います。
幅広い世代の方に観ていただけますし、青春時代の葛藤というものがきっとダイレクトに伝わる方もいれば、親目線で感じる『親子っていろいろあるよね』っていうのがどのキャラクターにもにじみ出ていて、それぞれの関係性や家族観が全然違うので、それも共感していただけるんじゃないかなって思います。
必ず観終わった後に思わず空を見上げたくなるような、本当に爽やかな気持ちで映画館を出られると思うので、今こういう状況でモヤモヤしている気持ちを持った方も多いと思いますが、心晴れやかになる作品ですので、ぜひ観てほしいなと思います。

☆作品詳細

アイの歌声を聴かせて

10月29日（金）より全国ロードショー

＜CAST＞
土屋太鳳 福原 遥 工藤阿須加 興津和幸 小松未可子 日野 聡
大原さやか 浜田賢二 津田健次郎 咲妃みゆ カズレーザー（メイプル超合金）

＜STAFF＞
原作・脚本・監督：吉浦康裕 共同脚本：大河内一楼 キャラクター原案：紀伊カンナ 総作画監督・キャラクターデザイン：島村秀一
メカデザイン：明貴美加 プロップデザイン：吉垣 誠 伊東葉子 色彩設定：店橋真弓 美術監督：金子雄司〈青写真〉
撮影監督：大河内喜夫 音響監督：岩浪美和 音楽：高橋 諒 作詞：松井洋平
アニメーション制作：J.C.STAFF 配給：松竹 歌：土屋太鳳

【OST情報】
『アイの歌声を聴かせて』オリジナル・サウンドトラック

発売日：2021年10月27日（水）
品番：LACA-9858 ～ LACA-9859
価格：3,300円（税抜）／3,630円(税込)
音楽：高橋 諒 作詞：松井洋平 歌：土屋太鳳・咲妃みゆ
劇伴曲+劇中歌(5曲)を収録
発売元・販売元：バンダイナムコアーツ

映画『アイの歌声を聴かせて』公式サイト：https://ainouta.jp/
公式Twitter：@ainouta_movie
公式Instagram：@ainouta_movie

映画『アイの歌声を聴かせて』歌詞付きMV♪土屋太鳳「ユー・ニード・ア・フレンド 〜あなたには友達が要る〜」｜10.29 ROADSHOW
https://youtu.be/7I6gy4w9GXU

映画『アイの歌声を聴かせて』予告編②｜10.29 ROADSHOW
https://youtu.be/2j2CQBk8uWM

（C）吉浦康裕・BNArts／アイ歌製作委員会