2018年8月27日(月)、東京・TOHOシネマズ日比谷で劇場版『フリクリ プログレ』の完成披露上映会が、雲雀弄(ひばじり)ヒドミ役の水瀬いのりさん、井出交(いでこう)役の福山潤さんが登壇し、行われた。MCはアメリカザリガニの柳原哲也さんが務め、福山さんとの軽妙な掛け合いで会場を沸かせながら、2000年にOVAが登場して以来となった本作の世界最速の上映会となるイベントを盛り上げた。
上映会はまず、上映会を迎えた今の心境を問われると、水瀬さんは2000年当時は5歳だったと話すと、福山さんは「もうデビューしてた」と漏らし、会場からも驚きの声が上がった。水瀬さんは続けて「当時5歳だった時期にご覧になった作品が、今22歳になった私が関わることができて嬉しいです。それだけ愛される作品に関われる事に喜びをかみ締めています」と笑顔で語った。
2000年の頃はデビュー3年目位で『フリクリ』を収録していた別のスタジオで別の仕事をしていたと言う福山さんは「17年の時を越え、まさか(水瀬さんと)同い年の役で(共演するとは)。アニメの可能性はすごいね。夢がありますね!」と当時を振り返りつつ、客の笑いを誘った。
本編を観た感想を求められると、水瀬さんは「率直な感想としては分からない(笑)。分からない事が正義なのかなと思うくらい。なんだか分からないけどサイコーという気持ちにさせてくれる作品だなと思っています。分からないと思いながらもシーンは怒涛に展開していくので、振り回される事が正しいと思いながら観て頂きたいです」と話すと、一方の福山さんも「楽しかったですね!分かる分からないじゃなくて楽しかったですね!」と思わずMCの柳原さんが「なんて綺麗な瞳なんだ!」と突っ込むほど力強く回答。
続けて福山さんは「頭を空っぽにして最後まで見てい頂いたら、『あ、なんか分かっちゃった』と思うかもしれませんね」と話し、それぞれ鑑賞前の観客へ心得えを伝授。
それぞれが演じるキャラクターについて問われると、水瀬さんは自身が演じるヒドミについて「かなりクールな女の子で、あまり外の世界と自分を比べたり、混同させたりする娘ではなくて、自分をすごく持った芯の強い女の子なんですが、『フリクリ』に出てくる以上それだけではない女の子になっています。画面の中で色んな姿になっていくので、そこはぜひ注目してもらいたいです」
続いて福山さんは「チャラけた事をやりながら、実は熱血的なものもありつつで、僕をアニメキャラにしたらこんな感じになるのかな(笑)」と自身の演じる井出交について近いものを感じた様子だった。
そしてアフレコ時の様子を振り返ると、2人とも印象に残った事としてハルハ・ラハル役の林原めぐみさんの名を挙げた。今作が初共演だったという水瀬さんは「すごく色んな刺激を受けたというか・・・。やっぱり林原さんだからできる、生まれるものがたくさんありすぎて。言葉にするのは難しいですが、一緒にアフレコをしていて『視聴者に戻らせていただいていいですか』って気持ちになりました」と熱く語る。
林原さんとは数年ぶりの共演となった福山さんは「理屈は分かるけど、なんでそれができるの分からないっていうことがいっぱいあったんですよ。メカニズムが分かった所ででできるかは分からないじゃないですか。それを、林原さんはこともなげにやっていて・・・。ここまで行かなきゃダメなのかと思う位刺激的な時間でした」と正直な心の内を明かしてくれた。
さらに福山さんが林原さんの別のエピソードとして、収録の時に手作りのお弁当を差し入れてくれたと裏話を披露。水瀬さんも「しかも一口サイズのおにぎりになっていて。美味しくて何個も食べちゃいました」と笑顔で話してくれた。
本作の見所ポイントもそれぞれ上げてくれている。水瀬さんは「簡潔にいうと中2な世界観なんです。変わりたくても変われなかったりとか、朝起きたら急にすごい力が芽生えてそうって思っちゃう謎の自信だったりとか、心の中で自分は誰かよりみたいなものが、このお話のキーになっていると思います。リアルな青春群像劇として観ていただきたいです」とコメント。
福山さんは「アニメが好きでこの業界に入ってきて、こういった作品に関われてうれしいです。僕が小中学生の頃、ただただ楽しくて観ていたときの面白さがある気がしています。自分がなんでアニメを好きになったのかを思い返させてくれました。このあとご覧になる皆さんも、いろんなことを思い返していただいて、僕がちょっとだけいいこと言ってたなってことも思い出していただけたら(笑)」と、福山さんらしく笑いで締めてくくった。
最後に2人から会場に集まった観客に一言ずつ送られ、世界最速で行われた完成披露上映会は幕を閉じた。
★作品詳細
劇場版『フリクリ オルタナ』
9月7日(金)公開
【スタッフ】
監督:上村泰
副監督:鈴木清崇
脚本:岩井秀人
キャラクター原案:貞本義行
キャラクターデザイン:高橋裕一
メカデザイン:押山清高(スタジオドリアン)
衣装デザイン:谷口宏美
プロップデザイン:細越裕治/秋篠Denforword日和(Aki Production)
美術監督:藤井綾香
色彩設計:中村千穂
CGディレクター:さいとうつかさ
撮影監督:頓所信二
編集:神宮司由美
音楽監督・音楽:R・O・N
音響監督:なかのとおる
主題歌:the pillows「Star overhead」
スーパーバイザー:鶴巻和哉
総監督:本広克行
アニメーション制作:Production I.G × NUT × REVOROOT
配給:東宝映像事業部
製作:劇場版フリクリ製作委員会
【キャスト】
ハルハラ・ハル子:新谷真弓
河本カナ:美山加恋
辺田友美(ペッツ):吉田有里
矢島聖(ヒジリ―);飯田里穂
本山満(モッさん):田村睦心
須藤 完:小西克幸
佐々木 門:永塚拓馬
相田 弁:鈴木崚汰
河本静香:伊藤美紀
河本文太:真坂真帆
デニス用賀:森 功至
木滝真希:松谷彼哉
神田束太:青山穣
劇場版『フリクリ プログレ』
9月28日(金)公開
【スタッフ】
監督:荒井和人/海谷敏久/小川優樹/井端義秀/末澤慧/博史池畠
脚本:岩井秀人
キャラクター原案:貞本義行
キャラクターデザイン:久保田誓
サブキャラクターデザイン:米山舞
メカデザイン:押山清高(スタジオドリアン)
プロップデザイン:村山章子/久原陽子
美術監督:荒井和浩
色彩設計:有澤法子
CGディレクター:高柳陽
撮影監督:田中宏侍
編集:濱宇津妙子
音楽監督・音楽:R・O・N
音響監督:なかのとおる
主題歌:the pillows「Spiky Seeds」
スーパーバイザー:鶴巻和哉
総監督:本広克行
アニメーション制作:Production I.G
配給:東宝映像事業部
製作:劇場版フリクリ製作委員会
【キャスト】
ハルハ・ラハル:林原めぐみ
ジンユ:沢城みゆき
雲雀弄ヒドミ:水瀬いのり
井出 交:福山 潤
森 吾郎:村中 知
マルコ野方:中澤まさとも
アイコ:黒沢ともよ
雲雀弄ヒナエ:井上喜久子
マスラオ:大倉孝二
アイパッチ:菅生隆之
屯吉:浦山 迅
花枝タミ:鈴木れい子
公式サイト:flcl-anime.com
公式Twitter:@FLCL_JAPAN
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