日向理恵子による長編ファンタジー小説を、監督・西村純二と構成/脚本・押井守がタッグを組んでアニメ化する「火狩りの王」第2シーズン。1/14(日)の放送・配信(第1話無料放送)を前に、本作のエンディングテーマ「抱きしめて」と、明楽役を務める坂本真綾にインタビュー。激動のストーリーにそっと手を差しのべるような楽曲に込めた想いと、明楽とともに歩んだ道のりを語る。
■第1シーズンのエンディング映像についてのご感想をお聞かせください。
静かに始まって、後半はガラッと変わって盛り上がっていく曲でしたので、歌をレコーディングした時は、どんな絵がつくのかな、と思っていたんですけど、いい意味で想像とはまた全然違っていましたね。和のテイストと、灯子とかなたのシルエットがサビで駆け出すといった演出が、すごい躍動感があって曲にピッタリ合っていて。何度も見たくなるような、綺麗で繊細な絵巻物のようなエンディング映像だな、と思いました。
■第2シーズンのエンディング主題歌「抱きしめて」を初めてお聴きになった際の印象をお聞かせください。
西村純二監督から、第2シーズンのエンディングは『可愛い』『ホッとする』『優しい』といったイメージで作ってほしいと言われたんです。物語の展開がどんどん佳境に入っていき、殺伐とした雰囲気になるからこそ、エンディングでちょっと一息ついて欲しいというのが、監督の思いだと私なりに解釈して、彼女たちの旅の合間に安心できるような場所にたどり着いて、ぐっすり眠ったり、食べ物をちゃんと食べることが出来た時の生命力みたいなものが描かれる場面が、第1シーズンから結構あったと思うんですけど、そういう過酷な旅の中でも、彼らが優しい気持ちや人とのつながりを感じる瞬間はあっただろうなと思って、そういうところを抽出してエンディングにできたらいいのかなと思いました。それを楽曲制作をお願いした大江千里さんにお話しして、上がってきたのがこの曲で、本当に優しい温もりで包んでもらえる楽曲になっていながら、明るく優しいだけじゃない、ちょっと胸をギュッと切なくさせるような展開やコードが含まれていて。歌詞も『抱きしめて』という優しい言葉なんだけども、ちょっとだけ憂いのある響きになっていて、その塩梅が絶妙だなと思いながら聞きました。
■大江さんに抱いていた印象もお聞かせください。
母も私も好きで、幼い頃からよく聴いていたアーティストさんでした。まだ家族でCDをあまり買ったことがないような頃に、大江さんの『ラジオが呼んでいる』を買って聞いていた、というのが最初の大江千里さん体験でした。あと、兄の影響もあって、渡辺美里さんが大好きで。当時は子どもだったので、渡辺美里さんのアルバムを聴きながらどの曲を誰が作曲しているかまで把握して聴いていたわけではなかったんですけど、のちに改めてクレジットを確認すると、好きな楽曲の多くが大江さんの作品なんですよね。なかでも『すき』が大好きでした。母には、まだ大江さんに楽曲提供していただいたことを話していないのですが、聞いたらびっくりするだろうな、と思っています(笑)
■作詞・作曲を担当された、大江千里さんへのオーダーは、どのようにされたのでしょうか。
大江さんは今、ニューヨークにお住まいなので、リモート会議でお話をしました。実は、お話をさせていただいたのが、ウクウライナとロシアの戦争が起きて、毎日のように子供たちが傷ついているような映像がニュースで流れてくるのを見て、心が痛いなと思っていた時期だったんです。灯子たちにとっても、荒廃した最終戦争の後の世界で、誰のせいかわからないけどいろいろな恐ろしい体験をしたり、いつ終わるか分からない暗い夜の中にいて不安な気持ちになっているとしたら、物語の彼らや、この同じ地球上にいるどこかの子供たちが不安な思いで過ごした夜の明け方に、『それでもきっと良い未来はあるよ』というメッセージを届けてあげられるような、そういう希望の持てる曲にしたいと、お伝えしました。灯子やクンは、幼い子供なので、本当は守られるべき存在なんですよね。彼らが戦っている状況の中でも、子供に戻れる瞬間というか、本当に優しいものに包まれて、子どもらしくいられるような、そういう瞬間を描ける曲になれば、とお伝えしました。
■完成したエンディング映像をご覧になってのご感想もお聞かせください。
美しい色彩と絵巻の感じは、第1シーズンにも通じるものがあるんですけど、よりゆるやかな動きの中で、煌四と緋名子という兄妹が、とてもおだやかな表情を浮かべているんですね。優しいこの曲に合わせて、本来の彼らの姿を描いてくださったのかな、と思いました。
■レコーディングの際、どのような思いを込めて「抱きしめて」を歌唱されたのか、お聞かせください。
大江さんから『目には見えない大事なものをテーマに作った』とお聞きしたんですが、まさにそんな感じで、目には見えない何かが、『瞼を開けて通りをごらん』と話しかけているような、不思議な視点からの歌詞なんですよね。歌う時も、身近なところにいる、姿は見えないけれど優しい何かが語りかけているような、そういう身近な距離感で聴く人に歌っているような、そんなイメージで歌いました。
■「火狩りの王」には明楽役としてもご出演されていますが、第1シーズンを振り返ってのご感想をお聞かせください。
明楽は途中から登場するキャラクターだったので、私の体感的にはあっという間に第1シーズンが終わってしまったのですが、『第2シーズンには、まだまだいろんな場面待っているぞ』と思いながら、始まるのを楽しみにしていました。最初は灯子と知り合って、大変なこの世界の中でお互いに足りない部分を補いながら、行きがかり上、目的のために一緒に行動し始めたんですけど、どんどん灯子たちが特別な存在になっていて。その上、クンのように慕ってくれる小さな幼い者たちとの関わりの中で、明楽自身にもすごく責任感や、ある種の母性じゃないですけど『自分が守ってやらなきゃ』というような気持ちも増していくのかなっていう感じでしたね。私自身、原作小説を読んでいて、ずっと『明楽、死にそうだな』と思っていて(笑)。死亡フラグが立ちまくっているので、ハラハラしながら第2シーズンを待っていらっしゃる方も多いのかな、と思います。共演者の方でも、先々の展開の情報をあえて入れていない方からは『明楽。絶対死にますよね』『明楽、死ぬんですか?』と言われてしまうぐらい、危うい場面は多々あるんですけど、めちゃくちゃ驚く展開が最後に待ち受けています。一番意外な結末に向かっていく、登場した時には想像もしないようなことになるのが、明楽なのかなと個人的には思いますね。
■坂本さんが思う「火狩りの王」第2シーズンの注目ポイントをお聞かせください。
新キャラクターの揺るる火役で、石見舞菜香ちゃんが参加してくれているのですが、はかなさや透明感があって、神聖な雰囲気をまとっている声の持ち主なんですよね。そんな彼女と同じ神聖な声を持つ、綺羅役の早見沙織ちゃんが絡むシーンがあるのですが、本当にすごくて。ぜひ注目していただければと思います。
■「火狩りの王」第2シーズンの放送を待ち望んでいる皆様へメッセージをお願いします。
私自身、「火狩りの王」の一ファンと言えるくらい、お話が面白くて、一話を見たら絶対に最後まで見届けたくなる作品だなと思っています。第1シーズンをご覧になった方は、じりじりと待ってらっしゃると思うんですが、それの期待を裏切らない丁寧な作品作りになっていると感じました。第2シーズンの放送を機に、また一から見直していただいたり、もちろん新しい方にもぜひ観ていただきたいです。歌の方としては、第1シーズンのエンディング曲『まだ遠くにいる』とは、まるで180度違う世界観の曲が今回のエンディングになったんですけど、一つのお話からこれだけ真逆の曲が生まれるっていうのは、それだけこの作品の中にいろんな表情があって、いろいろなテーマを切り取ることができる、奥行きのある作品なんだな、と改めて感じました。ぜひ、灯子と煌四の行く末を見届けてください。
第2シーズンの1話目となる、第11話「月の鎌」の一部シーンを先行公開。序盤から目まぐるしく動き出すストーリーの一部を、ぜひお楽しみいただきたい。WOWOW公式YouTubeチャンネル(https://youtu.be/f3g04qB-MO0)にて公開中だ。
第1シーズンは、WOWOWオンデマンド、各配信サイトで全話配信中。詳しくは公式サイト(http://hikarinoou-anime.com/)と公式Xをご確認いただきたい。
【第2弾PV(30秒ver.)】オリジナルアニメ「火狩りの王 第2シーズン」2024年1月14日(日)放送・配信【WOWOW】
https://youtu.be/d7OSJox0xnU?si=X75ZnTRyK0HL3JE3
【第2弾PV(120秒ver.)】オリジナルアニメ「火狩りの王 第2シーズン」2024年1月14日(日)放送・配信【WOWOW】
https://youtu.be/n-ngIpw3-7U?si=Ifpl43-vc5SwPSB1
「火狩りの王」第2シーズン あらすじ
人と同じように、人体発火病原体によって天然の火を使うことができなくなった神族が、忌むべき火を遠ざけておくために炎魔を造った――。
世界の真実を灯子と煌四が知るのと時を同じくして、神族の統治転覆を狙う〈蜘蛛〉たちが炎魔を放ち、煌四が開発した強力な雷撃を落とす雷撃砲が工場に設置され、誘導用の雷瓶が各地に埋められるなど、さまざまな思惑が首都に忍び寄っていた。
そして、遂に、最終戦争前に打ち上げられ、永らく虚空を彷徨っていた人工の星〈揺るる火〉が、帰ってくる。
「千年彗星〈揺るる火〉を狩った火狩りは、〈火狩りの王〉と呼ばれるだろう」
首都すべての火狩りが千年彗星の帰還を知るなかで、煌四の父の形見でもある三日月鎌で炎魔を狩った灯子。
神族を取りまとめる手揺姫(姫神)へ、願い文を届けようとする明楽。
父の狩り犬・かなたを送り届けてくれた恩人の灯子を、神族によって体を作り替えられた妹・緋名子とともに守ろうとする煌四。
人々が必死に戦う中、神族は帰還した〈揺るる火〉を手揺姫の任を継ぐ者とするため、ある娘を依巫にしようとしていた。
そして、灯子は、姫神たちの孤独と悲しみを知る。
千年彗星〈揺るる火〉を狩り、新たな世界の統治者〈火狩りの王〉となるのは誰なのか。
灯子と煌四。運命に導かれた二人が解き明かしていく世界の秘密、そして彼らが選ぶ未来は――。
☆作品詳細
WOWOWオリジナルアニメ「火狩りの王」
◆「火狩りの王」第1シーズン 配信情報(各配信サイトにて順次配信中)
WOWOWオンデマンドで全話配信中(https://wod.wowow.co.jp/program/170247)
【月額課金制】
Hulu(https://www.hulu.jp/)
U-NEXT(11/1~配信開始)(https://video.unext.jp/)
【都度課金制】
J:COMオンデマンド(https://linkvod.myjcom.jp/)
iTSCOMオンデマンド(https://www.itscom.co.jp/service/cabletv/)
Amazon プライムビデオ(10/13~配信開始)(https://www.amazon.co.jp/gp/video/storefront/)
DMM TV(https://tv.dmm.com/vod/)
Google Play(10/13~配信開始)(https://play.google.com/store/movies/category/TV)
HAPPY!動画(http://a.happydouga.jp/)
ビデオマーケット(https://www.videomarket.jp/)
music.jp(https://music-book.jp/)
カンテレドーガ(https://ktv-smart.jp/)
クランクイン!ビデオ(11/17~配信開始)(https://video.crank-in.net/)
ドコモ・アニメストア(https://animestore.docomo.ne.jp/animestore/tp_pc)
〈スタッフ〉
原作:日向理恵子(「火狩りの王」ほるぷ出版 刊)
キャラクター原案:山田章博
監督:西村純二
構成/脚本:押井守
キャラクターデザイン:齋藤卓也
総作画監督:齋藤卓也・黄瀬和哉・海谷敏久
エフェクト作画監督:小澤和則
イメージイラスト/プロップデザイン:岩畑剛一
美術設定:中島美佳
メカニックデザイン:神菊薫
クリーチャーデザイン:松原朋広
美術監督:李書九
色彩設計:渡辺陽子
筆文字:勝又まゆみ
劇中画:水野歌
CG監督:西牟田祐禎
CG制作:レイルズ
タイトルデザイン/2Dワークス:山崎真紀子
特殊効果:櫻井英朗
撮影監督:小川滋見
編集:植松淳一
監督助手:菅野幸子
音楽:川井憲次
音響監督:若林和弘
音響制作:プロダクション I.G
アニメーション制作:シグナル・エムディ
〈キャスト〉
久野美咲(灯子)石毛翔弥(煌四)坂本真綾(明楽)細谷佳正(炉六)早見沙織(綺羅)山口愛(緋名子)
國立幸(クン)小市眞琴(火穂)三宅健太(油百七)名塚佳織(火華)宮野真守(焚三)綿貫竜之介(火十)
大原さやか(ヤナギ)嶋村侑(キリ)石見舞菜香(揺るる火)M・A・O(瑠璃茉莉)
石田彰(ひばり)榊原良子(語り)
■公式サイト:http://hikarinoou-anime.com/
■公式Twitter:@HikarinoOuAnime
【第1弾PV(30秒ver.)】オリジナルアニメ「火狩りの王 第2シーズン」2024年1月14日(日)放送・配信【WOWOW】
https://youtu.be/dRahfQVWFcc?si=F8ukFazFOzEN8xXb
【第1弾PV(90秒ver.)】オリジナルアニメ「火狩りの王 第2シーズン」2024年1月14日(日)放送・配信【WOWOW】
https://youtu.be/YvwgESrieAw?si=Xy6e0otEH1Iu2Zmu
【ティザーPV】アニメ「火狩りの王 第2シーズン」2024年1月放送・配信【WOWOW】
https://youtu.be/FvGJKe8-E7A?si=qc1GaeYLzr6umi-O
【特報映像公開】WOWOWオリジナルアニメ「火狩りの王」第2シーズン制作決定【WOWOW】
https://youtu.be/vMqrXcJB768
Ⓒ日向理恵子・ほるぷ出版/WOWOW