コミック配信サイト「少年ジャンプ+」で2021年7月に発表され、初日で閲覧数250万以上を記録した藤本タツキ原作『ルックバック』が劇場アニメ化、6月28日(金)より全国劇場で大ヒット公開中。
今回、全国公開されたことを記念して、7月5日(金)に【祝・公開】舞台挨拶舞台挨拶が実施された。
舞台挨拶には、本作で原動画を務めたアニメーターの井上俊之とアニメーション研究者の高瀬康司が登壇!
アニメーションの制作過程や本作でこだわったポイントについて語った。
<イベント概要>
日時:7月5日(金)20:11〜20:36
場所:新宿バルト9 スクリーン9
(東京都新宿区新宿3丁目1-26三丁目イーストビル9階)
登壇者(敬称略): 井上俊之 、(MC)⾼瀬康司
イベントレポート
漫画家・藤本タツキ渾身の青春コミックを劇場アニメ化した『ルックバック』が絶賛上映中!公開初日から3日間の興行収入ランキングで1位を獲得し、動員13万人、興行収入2.2億円を突破し、上映劇場も拡大するなど、更なる拡がりが期待される本作。本日7月5日には都内映画館で舞台挨拶が実施され、本作で原動画を務めた井上俊之が登壇しました。
公開初日から、話題が沸騰し、Xでもトレンド入りし続ける中、満員御礼で迎えたこの日。
アニメーションの”作画”というものについて井上は「作画とは、アニメーション作品において画面上で動くものの絵を描いて動きをつけること」。と説明し、一方で今回初めて”原動画”としてクレジットをされたという劇場アニメ『ルックバック』の原動画については「通常アニメーターには原画と動画というものがあって、原画は動きのキーになる重要なポイントだけを描き、動画はそのキーを繋ぐもの。今回は原画マンが描いたラフな絵のまま色を塗ってもらう工程となっているため、”原動画”というクレジットを新たに作ってもらいました。」と述べ、本作ならではの特殊な制作スタイルについて語りました。
完成した映像を見た感想について聞かれると、「デジタルで作業している部分もあるので、思ったほど原画のラフな感じは出ていないと感じましたが、多くの人にこの作品は何か違うなと思わせたのは、やはり手書きの感じが残っているところがポイントだと感じました。」とその魅力について言及。
そんな本作で井上さんが手掛けたシーンの中で思い入れのある部分について聞かれると、「僕は全体の25%ほどを紙で描いているんですが、藤野と京本の出会いのシーンから「またね」までは僕が原画を描いたので印象に残っています。」と語りました。京本の「藤野先生は天才です!」と呼びかけるシーンは原画のかなりラフな感じが出ているので、ぜひもう一度見て確認して貰えればと思います。」と明かしました。さらに、「雨の中、藤野が段々と昂って畦道をスキップしていくシーンは、原作では見開き1ページだったので、このシーンはまさにアニメーション作品でやる意味がそこにあったなと思いました。」と、本作ならではの魅力を語りました。
監督について尋ねられると、「冒頭で藤野の家にフォーカスしていくシーンは実はビニールハウスや田んぼがびっちり描かれているんです。1枚の絵にゆっくり寄っていくのがスタンダードにも関わらず、作画で接近しているカットを描こうと考えるのは、押山監督の恐ろしいところだなと思いました。」と驚嘆。「作業の大変さを顧みず、アニメーションの力を信じている。監督は根っからのアニメーターなので、労力をかければ必ず観客に伝わるはずだと信じている。」と、その信念を絶賛しました。「僕は多くの背景動画を描いたことによって、監督を支えることができたと感じています。貢献できて幸せな作品でした。」と作品に携われた喜びを語りました。
さらに、本編に登場する絵を上達させるために「とにかく描け、バカ」というシーンについて自身の考えを尋ねられると、「全くその通りだなと思います。自分より上手い人を見つけるたびにコンプレックスを感じて、それをバネにして長年やってきた上で今があると思っているので、身に染みてわかる内容でした。悔しい思いをして、たくさん描くためのモチベーションを保ってきました。」と、自身の経験を振り返りました。
最後に押山監督のこだわりを感じるシーンについて聞かれると、「制作が進むにつれて、どんどん絵が緻密になっていくし、後半になるにつれて本当に熱が入っていて、絵1枚1枚見ても力が入っていて動きも良くなっていると感じました。追い込まれていけばいくほど本来の押山監督の良さが出ていたと思います。」と、監督の才能を熱く語り、「ぜひ何度も見て欲しい」とさらなるヒットを願い、大盛況のうちにイベントは幕を閉じました。
劇場アニメ『ルックバック』入場者特典
劇場アニメ『ルックバック』の入場者特典として、原作者・藤本タツキの原作ネームを全ページ収録した<Original Storyboard>を数量限定で配布することが決定!
原作コミックと同じボリュームで原作ネームの全てをご覧頂ける貴重な1冊となっている。
劇場限定の特典となるので、ぜひお見逃しなく。
【入場者特典詳細】
<Original Storyboard>配布決定!
【収録内容】
「ルックバック」原作ネーム(全ページ)
※6月28日(金)より『ルックバック』上映館にて本作鑑賞お一人様につき1つプレゼント致します。
※劇場により数に限りがありますので、プレゼント終了の際はご了承ください。
※特典は非売品です。転売、内容の複写・複製・転用・SNSなどでの配信等の行為は一切禁止となります。
■『ルックバック』とは
『ルックバック』は、『ファイアパンチ』、『チェンソーマン』といった話題作を手掛け、劇場版アニメ『チェンソーマン レゼ篇』の公開も控える漫画家・藤本タツキ渾身の作品。2021年7月にコミック配信サイト「少年ジャンプ+」にて公開され、ひたむきに漫画を作り続ける藤野と京本という2人の少女の姿をみずみずしく描きながらも、やがて起きる2人の運命を分ける出来事を強烈なリアル感を持った筆致で描き出し、著名なクリエイターたちをはじめ、多くの漫画ファンの注目を集めました。本作の劇場アニメ化にあたり、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』、『借りぐらしのアリエッティ』、『風立ちぬ』など、数多くの話題作に主要スタッフとして携わってきた、押山清高(おしやま・きよたか)が監督、脚本、キャラクターデザインを務めます。
また、主演は、河合優実と吉田美月喜のW主演。「不適切にもほどがある!」(24)での演技で話題が沸騰した、今最も注目を集める俳優・河合優実と、映画「あつい胸さわぎ」(23)「カムイのうた」(24)等では主演を務め、昨今目覚ましい活躍に拍車をかける俳優・吉田美月喜が、劇場アニメ『ルックバック』の藤野と京本に生命を吹き込みます。
■あらすじ
学生新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートからは絶賛を受けていたが、ある日、不登校の同級生・京本の4コマを載せたいと先生から告げられる…。二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思い。しかしある日、すべてを打ち砕く出来事が…。胸を突き刺す、圧巻の青春物語が始まる。
☆作品詳細
ルックバック
6月28日(金)全国ロードショー
〈スタッフ〉
原作:藤本タツキ「ルックバック」(集英社ジャンプコミックス刊)
監督・脚本・キャラクターデザイン:押山清高
出演:河合優実、吉田美月喜
アニメーション制作:スタジオドリアン
公式サイト:lookback-anime.com
公式X:@lookback_anime
■原作
「ルックバック」(集英社ジャンプコミックス刊) コミックス発売中
劇場アニメ「ルックバック」本予告【6月28日(金)全国公開】
https://youtu.be/gH6zVJVHEaM?si=zqb_herUKNScJKYT
劇場アニメ「ルックバック」特報
https://youtu.be/6pKt9OsxwWc?si=NUgNnWyuKA8w1e2u
© 藤本タツキ/集英社 © 2024「ルックバック」製作委員会