熱狂的ファンを持ついましろたかし氏による漫画「化け猫あんずちゃん」がアニメーション映画化!
久野遥子・山下敦弘がW監督を務め、俳優の森山未來が主人公の化け猫の声と動きを担当し、第77回カンヌ国際映画祭「監督週間」にて公式上映され、アヌシー国際アニメーション映画祭2024 長編コンペティション部門への正式出品された、世界中から注目を集める映画『化け猫あんずちゃん』が7月19日(金)より全国公開となる。
今回、7月8日(月)に招き猫発祥の地ともいわれる今戸神社で本作の公開直前大ヒット祈願イベントを実施!
キャラクターの声と動きを担当した森山未來、五藤希愛、市川実和子、そして久野遥子監督、山下敦弘監督が登壇した。
本殿で祈祷を受けた後、キャスト・監督らが登場し、本作の見どころや撮影、制作の裏側、公開に向けた意気込みなどを語り、本作を製作したシンエイ動画と、フランスのMIYU Productionsのスタッフも登壇。
日仏合作で贈られる本作の魅力をアピールしました。
《イベント概要》
日程:7月8日(月)11:00〜12:00
場所:今戸神社(東京都台東区今戸1丁目5−22)
登壇者:森山未來、五藤希愛、市川実和子
久野遥子監督、山下敦弘監督
近藤慶一(シンエイ動画プロデューサー)、エマニュエル=アラン・レナール、ピエール・ボサロン(MIYU Productions プロデューサー)
イベントレポート
7月8日(月)、招き猫発祥の地ともいわれる今戸神社にて映画『化け猫あんずちゃん』のキャスト・監督らが映画のヒットを祈願して本殿でご祈祷を受けました。
ご祈祷を受けたのち、森山未來、五藤希愛、市川実和子、久野遥子監督、山下敦弘監督、近藤慶一(シンエイ動画)、エマニュエル=アラン・レナール、ピエール・ボサロン(MIYU Productions)がマスコミの前に登壇。
まずは本作について森山が「2020年にパイロット版の製作から始まって、そこから足掛け4年になるんですけども、まさかこんな大きな映画になって、招き猫の発祥と言われる神社にみんなで集まるようになるなんて、面白いですね。山下監督は以前もご一緒させていただいてますし、近藤プロデューサーも『苦役列車』の助監督で、脚本のいまおかさんもご一緒したこともあって、最初は“あ、面白そう”という軽い気持ちで参加させていただきました」と何年も前にスタートした企画が、思いもよらず大きなプロジェクトになったことに驚きの気持ちを表した。
日仏合作である本作。一緒につくりたいと思った理由を聞かれ、フランスのMIYU Productionsのエマニュエルプロデューサーは「何年か前に久野遥子監督の短編『Airy me』を観たときに、小さな宝石を見つけたような気持ちになりました。日本とやるからにはぜひ久野遥子監督と仕事がしたいと思っていたので、前のめりで参加させていただきました。とても光栄に思っています」と久野監督の才能に惹かれて日仏合作となったことを語ります。
撮影現場での思い出の話になると市川は「現場ではみんな稽古中みたいな格好で。森山さんは猫耳カチューシャと、ベージュのTシャツ短パンで携帯電話を首からぶら下げていたのが印象的です」と実写での撮影時に森山が化け猫風の衣装で演技をしていたエピソードを明かします。続いて森山は「録音とかもガンマイクを使って、映り込みを気にせず音を録ることを優先して撮影しました。あと、照明もいなくて、実写の撮影時はある種の自主映画のような感じでした。それが最終的にロトスコープでアニメーションになるということを考えて撮影が進められていきました。完成した作品は背景の色彩などが日本の色味の感覚とは違う質感だなと思いました。ロトスコープで表現される実写の動き、そして音声もほとんど現場で収録した音を使っているので、不思議な臨場感と没入感がありました」とその完成度の高さに自信を覗かせる。
また、市川は「本当にリアルで、あんずちゃんはシンプルなキャラクターでありながら、未來くんが演じる現実感というか、そのギャップであんずちゃんが本当にいるような気がしてしまいました」とその演技力を絶賛。続いて五藤も「森山さんとは初日からご一緒させていただいて、あんずちゃんが木に登るシーンがあったんです。そしたら本番で、森山さんが本当に高い木に猫みたいな動きで登っていかれたのが凄かったです」と森山のしなやかな猫のような動きに初日から圧倒されたエピソードを語りました。
そんな俳優たちが演じる実写映像をロトスコープでアニメーションに生まれ変わらせた久野監督は「お芝居が面白いところはそのまま面白くなっていきます。映画の撮影初日は今日みたいな暑い日だったのですが皆さん汗をだくだくかいていて、それだけで凄い迫力でした。なのでアニメでも綺麗に汗をかかせよう、玉のような汗にしようとこだわりました。そういうことができるのがロトスコープならではなのかなと思いました」と振り返る。
カンヌ国際映画祭「監督週間」にも選出された本作。山下監督は「正直、なんでカンヌに呼ばれたのか未だにわかっていないのですが、カンヌのなかでも癒し枠としてのポジションだったのか、みんな温かい感じで迎えてもらいました」と笑いを誘い、続いて久野監督も「観た人にすごい癒しだったよと言われたりしました。妖怪だったり地獄だったり、海外の映画祭では宗教観の違いもあるのか、面白がってもらえたかなと思います」と海外の映画祭の舞台を経た感想を語ります。
最後に森山は「この映画は国内だけでなく海外でも上映されますし、映画祭でもどんどん出て行くので、先ほど癒しの映画だとおっしゃいましたが、この癒しの波が広がって行くのを楽しみにしていただければと思います」と“化け猫”の活躍に期待を込めた挨拶をし、イベントは幕を閉じました。
映画『化け猫あんずちゃん』特別映像<ピーピーちゃん編>【2024年7月19日公開】
https://youtu.be/vtCEq2LhO2Y?si=X9M2OlJuArl722Xr
☆作品詳細
化け猫あんずちゃん
2024年7月19(金) 全国公開
監督:久野遥子・山下敦弘
原作:いましろたかし『化け猫あんずちゃん』(講談社 KCデラックス 刊)
キャスト(声・動き):森山未來 五藤希愛
青木崇高 市川実和子 鈴木慶一 水澤紳吾 吉岡睦雄 澤部 渡 宇野祥平
制作プロダクション:シンエイ動画×Miyu Productions
脚本:いまおかしんじ 音楽:鈴木慶一 編集:小島俊彦
キャラクターデザイン:久野遥子 作画監督:石舘波子 中内友紀恵
美術監督& 色彩設計:Julien De Man コンポジット開発:Guillaume Cassuto
撮影監督:牧野真人 CG監督:飯塚智香 音響監督:滝野ますみ
実写撮影協力:マッチポイント
撮影:池内義浩 録音:弥栄裕樹 スタイリスト:伊賀大介
主題歌:「またたび」佐藤千亜妃(A.S.A.B)
プロデューサー:近藤慶一 Emmanuel-Alain Raynal Pierre Baussaron 根岸洋之
製作:化け猫あんずちゃん製作委員会
配給:TOHO NEXT
公式サイト:ghostcat-anzu.jp
公式X:@ghostcat_anzu
INTRODUCTION
山下敦弘×久野遥子×森山未來で 化け猫!
多摩美術大学在学中に制作した短編アニメーション「Airy Me」が第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞。アニメーション・イラストレーター・漫画家と各方面から熱い支持をうける気鋭のクリエイター久野遥子監督。
『カラオケ行こ!』(24)の大ヒットも記憶に新しい、長年映画ファンから絶大な支持を集め続ける日本映画名手・山下敦弘監督。
主役である「あんずちゃん」に、『ボクたちはみんな大人になれなかった』(21)、『ほかげ』(23)他、数々の話題作に出演し、俳優だけでなく多岐に渡るジャンルで国内外で唯一無二の活躍を続ける森山未來。
日本の芸術分野をけん引する才能が集結し、いましろたかし原作の『化け猫あんずちゃん』がアニメーション映画化!
今年5月に行われる第77回カンヌ国際映画祭の「監督週間」に日本のアニメーションとして6年振りに選出され、さらに6月に開催される世界最古・世界最大のアニメーション映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭2024の「コンペティション部門」でも出品が決定。37歳の化け猫に世界が大注目!
本作では実写で撮影した映像からトレースし、アニメーションにする「ロトスコープ」という手法を採用。従来では、演奏シーンやダンスなど人間の動きをリアルにアニメーション化する事で用いられる事が多いのだが、本作では撮影現場でしか生まれない「お芝居」をアニメーションに落とし込む事に注力している。 もうひとつ大事な要素が、セリフの同時録音である。その現場でしか生まれない掛け合いによる役者の「声」も同時に録音する必要がある。 その為、実写班には山下監督を中心とし、実写映画界の優秀なスタッフが集結し、映画撮影そのままの撮影を敢行。 そして、その映像や音声をもとに久野監督が緻密な芝居から抽出するエッセンスを吟味し、スタッフと共にアニメーションを作り上げている。
あの森山未來が実写映画同様に動き話す姿を撮影しておきながら、映画館で目にするのはアニメーションで表現された完全に化け猫の“あんずちゃん”という、贅沢ともいえる、徹底的にこだわった制作方法。実写で役者が演じた登場人物たちはその魅力を活かしながら、久野監督デザインによるキュートなキャラクターに変貌をとげ、ロトスコープアニメーションならではの生き生きとした動き・表情で動き回る特別な仕上がりは可愛くもどこか現実味のある未だかつて観た事がないアニメーション映画となっている。
脚本は『苦役列車』(12)でも山下監督とタッグを組み、監督としてクリストファー・ドイルと撮影タッグを組んだ異例の経歴を持ついまおかしんじが執筆。撮影に『リンダ リンダ リンダ』(05)『苦役列車』 など多くの山下作品でカメラを握る池内義浩。衣装は『シン・ウルトラマン』(22)『竜とそばかすの姫』(21)など実写、アニメーション関わらずアーティスト、演劇と幅広いジャンルで活躍し続ける伊賀大介が担当。森山の他キャスト(声・動き)に、あんずちゃんと共に過ごす少女“かりん”を山下監督の『1秒先の彼』(23)でもフレッシュな魅力を発揮した五藤希愛、かりんの父を青木崇高、母を市川実和子、おしょーさんを鈴木慶一、さらに水澤紳吾、吉岡睦雄、宇野祥平ら山下組常連の名バイプレイヤーたちも集結。鈴木は本作の音楽も担当し、味のある世界観に彩を加える。また主題歌を佐藤千亜妃が本作のための新曲『またたび』を書き下ろした。
実写映画の精鋭たちが勢ぞろいする中アニメーションには、アートディレクターをアカデミー賞ノミネート作品である『レッドタートル ある島の物語』(16)で背景を担当したJulien De Man。コンポジット開発にはイギリスでVFXアーティストと活躍するGuillaume Cassutoが参加。キャラクターデザインは監督である久野が自ら手掛け、作画監督を石舘波子(『ペンギン・ハイウェイ』(18)作画監督)、中内友紀恵(『あはれ!名作くん』作画)が務めている。本作ならではの最強の布陣が実現した。
また、アニメーション制作では『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』で知られ、『窓ぎわのトットちゃん』など繊細な芝居を得意とするスタジオである「シンエイ動画」と、カンヌ国際映画祭やアヌシー国際映画祭で数々の賞を受賞し、新進気鋭のフランスのスタジオ「Miyu Productions」が長編として初の日仏共同にてアニメーションを制作。 シンエイ動画がキャラクターの動きを描き、Miyu Productionsが背景美術と色彩を担う。
実写×アニメーション。
日本×フランス。
ジャンルや国を超えた才能がタッグを組んだ、前代未聞のアニメーション映画ついに公開!
STORY
雷の鳴る豪雨の中。お寺の和尚さんは段ボールの中で鳴いている子猫をみつける。その子猫は「あんず」と名付けられ、それは大切に育てられた。
時は流れ、おかしなことにあんずちゃんはいつしか人間の言葉を話し、人間のように暮らす「化け猫」になっていた。
移動手段は原付。お仕事は按摩のアルバイト。現在37歳。そんなあんずちゃんの元へ、親子ゲンカの末ずっと行方知れずだった和尚さんの息子・哲也が11歳の娘「かりん」を連れて帰ってくる。しかしまた和尚さんとケンカし、彼女を置いて去ってしまう。
大人の前ではいつもとっても“いい子”のかりんだが、お世話を頼まれたあんずちゃんは、猫かぶりだと知り、次第にめんどくさくなっていく。
かりんは哲也が別れ際に言った「母さんの命日に戻ってくるから」という言葉を信じて待ち続けるも、一向に帰ってこない。母親のお墓に手を合わせたいというささやかな望みさえ叶わないかりんは、あんずにお願いをする。「母さんに会わせて」
たった一つの願いから、地獄をも巻き込んだ土俵際の逃走劇が始まるんだニャ。
映画『化け猫あんずちゃん』予告編【2024年7月19日公開】
https://youtu.be/BhF63BAHtmU
映画『化け猫あんずちゃん』特報【2024年7月公開】
https://youtu.be/_efHmCt9FLQ
©️いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会