子猫の時に拾われ、10年たっても20年たっても死なず、気が付けば30年以上生き人の言葉も喋れるようになっていた化け猫あんずを主人公にした、熱狂的ファンを持ついましろたかし氏による漫画「化け猫あんずちゃん」がアニメーション映画化!
久野遥子・山下敦弘がW監督を務め、俳優の森山未來が声と動きを担当し、第77回カンヌ国際映画祭監督週間に正式出品された映画『化け猫あんずちゃん』が2024年7月19日(金)より全国公開となる。
現在フランスで開催中のアヌシー国際アニメーション映画祭のコンペティション部門に選出された本作が現地時間の6月13日(木)に公式上映され、上映前の舞台挨拶には久野遥子監督と山下敦弘監督が登壇した。
『化け猫あんずちゃん』アヌシー国際アニメーション映画祭2024
コンペティション部門 公式上映
◆日時:6月13日(木)18:00〜(フランス現地時間)
◆開催地:フランス アヌシー
◆登壇者:久野遥子(34歳)、山下敦弘(47歳)
イベントレポート
フランス現地時間6月13日(木)に世界最大のアニメーション映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭2024にて映画『化け猫あんずちゃん』が公式上映を迎え、久野遥子監督と山下敦弘監督が上映前舞台挨拶に登壇いたしました。
山下監督はアヌシー発参加、久野監督は昨年制作中の注目作として「Work in Progress部門」で本作が招待され、プレゼンテーションを行っており、完成した『化け猫あんずちゃん』を携えて1年ぶりのアヌシー凱旋となります。
映画祭の最大の会場であるボンリオ劇場グランドホールにて上映を迎えた本作。チケットは完売しており、会場には約900人が集まりました。当日券を求めて会場外まで列がつくられる事態に!
上映前にはアヌシー映画祭恒例の、作品への期待度を込めた紙飛行機が数多く飛び交う大盛況っぷり!
そして映画祭ディレクターのマスセル・ジャンに紹介され『化け猫あんずちゃん』チーム(久野遥子監督、山下敦弘監督、近藤慶一プロデューサー/シンエイ動画、エマニュエル・アラン・レイナル プロデューサー/MiyuProductios、ピエール・ボサロンプロデューサー/MiyuProductios)が大きな拍手に迎えられ登壇。
初めに近藤プロデューサーから、「この映画は10年前に僕が思いついた企画になります。そんな思い付きが日仏合作、そして僕の予想以上の映画になったことがとても光栄です。」と挨拶。
山下監督は
「初めてのアニメ作品がアヌシーで上映されることをすごく光栄に思います。変なキャラクターばかり出てくる映画ですけど(笑)、好きになってくれたら監督としては嬉しいです!」と観客にメッセージを送りました。
また久野監督は
「去年Work in Progressで、あんずを5カットだけ持ってきてアヌシーのお客さんたちがそれを熱心に観てくださったことが本当に大切な記憶に今もあります。」
と昨年のアヌシーを振り返りつつ、
「今日全部のカットを! あんずを作った皆さんと、あんずを楽しみにしてくださっている皆さんと全員で観られるのがすごく嬉しいです。是非楽しみましょう!」
と話しました。
アニメーションファンの集まるアヌシーとあって久野監督が「全部のカット」と話した際には温かい笑いが起こり会場を包み込んでいました。
拍手が降り注ぐ中で山下監督があんずちゃんのぬいぐるみを掲げると場内はさらに大きな歓声が巻き起こりました。
上映がはじまるとあんずちゃんの行動に笑い声が何度もあがるなど、アヌシーでもあんずちゃんの魅力が伝わった様子。
上映後はスタンディングオベーションが起こり、客席で一緒に映画を観ていた久野監督、山下監督は感激の面持ちで声援にこたえていました。
映画を観た観客たちからは
「最高の映画、最高の色彩!物語がとても明るくて、とても気に入りました。美しい日仏共同制作の作品で、素晴らしかったです。」
「色彩豊かで美しく、見事に演出された作品です。またもう一度見に行きます!」「色彩と背景が印象深かったです。特に光と影の使い方が素晴らしかったです。」
と興奮冷めやら様子で絶賛の声が続々と!
と興奮冷めやらぬ様子で絶賛の声が続々と届きました!
アヌシー国際アニメーション映画祭は、1960年にカンヌ国際映画祭から独立して設立。以来、世界で最も長い歴史を持ち、最も大きなアニメーション映画祭として注目を集める。
カンヌ国際映画祭「監督週間」に続き、アヌシー国際アニメーション映画祭でも公式上映を迎えた本作。世界のアニメファン、映画ファンも魅了する“化け猫”の活躍にご期待ください!
またコンペティション部門にノミネートされている本作ですが、受賞結果は現地時間の6月15日(土)夜執り行われる閉会式にて発表予定。今後の情報にもご注目ください!
映画『化け猫あんずちゃん』予告編【2024年7月19日公開】
https://youtu.be/BhF63BAHtmU
☆作品詳細
化け猫あんずちゃん
2024年7月19(金) 全国公開
監督:久野遥子・山下敦弘
原作:いましろたかし『化け猫あんずちゃん』(講談社 KCデラックス 刊)
キャスト(声・動き):森山未來 五藤希愛
青木崇高 市川実和子 鈴木慶一 水澤紳吾 吉岡睦雄 澤部 渡 宇野祥平
制作プロダクション:シンエイ動画×Miyu Productions
脚本:いまおかしんじ 音楽:鈴木慶一 編集:小島俊彦
キャラクターデザイン:久野遥子 作画監督:石舘波子 中内友紀恵
美術監督& 色彩設計:Julien De Man コンポジット開発:Guillaume Cassuto
撮影監督:牧野真人 CG監督:飯塚智香 音響監督:滝野ますみ
実写撮影協力:マッチポイント
撮影:池内義浩 録音:弥栄裕樹 スタイリスト:伊賀大介
主題歌:「またたび」佐藤千亜妃(A.S.A.B)
プロデューサー:近藤慶一 Emmanuel-Alain Raynal Pierre Baussaron 根岸洋之
製作:化け猫あんずちゃん製作委員会
配給:TOHO NEXT
公式サイト:ghostcat-anzu.jp
公式X:@ghostcat_anzu
INTRODUCTION
山下敦弘×久野遥子×森山未來で 化け猫!
多摩美術大学在学中に制作した短編アニメーション「Airy Me」が第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞。アニメーション・イラストレーター・漫画家と各方面から熱い支持をうける気鋭のクリエイター久野遥子監督。
『カラオケ行こ!』(24)の大ヒットも記憶に新しい、長年映画ファンから絶大な支持を集め続ける日本映画名手・山下敦弘監督。
主役である「あんずちゃん」に、『ボクたちはみんな大人になれなかった』(21)、『ほかげ』(23)他、数々の話題作に出演し、俳優だけでなく多岐に渡るジャンルで国内外で唯一無二の活躍を続ける森山未來。
日本の芸術分野をけん引する才能が集結し、いましろたかし原作の『化け猫あんずちゃん』がアニメーション映画化!
今年5月に行われる第77回カンヌ国際映画祭の「監督週間」に日本のアニメーションとして6年振りに選出され、さらに6月に開催される世界最古・世界最大のアニメーション映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭2024の「コンペティション部門」でも出品が決定。37歳の化け猫に世界が大注目!
本作では実写で撮影した映像からトレースし、アニメーションにする「ロトスコープ」という手法を採用。従来では、演奏シーンやダンスなど人間の動きをリアルにアニメーション化する事で用いられる事が多いのだが、本作では撮影現場でしか生まれない「お芝居」をアニメーションに落とし込む事に注力している。 もうひとつ大事な要素が、セリフの同時録音である。その現場でしか生まれない掛け合いによる役者の「声」も同時に録音する必要がある。 その為、実写班には山下監督を中心とし、実写映画界の優秀なスタッフが集結し、映画撮影そのままの撮影を敢行。 そして、その映像や音声をもとに久野監督が緻密な芝居から抽出するエッセンスを吟味し、スタッフと共にアニメーションを作り上げている。
あの森山未來が実写映画同様に動き話す姿を撮影しておきながら、映画館で目にするのはアニメーションで表現された完全に化け猫の“あんずちゃん”という、贅沢ともいえる、徹底的にこだわった制作方法。実写で役者が演じた登場人物たちはその魅力を活かしながら、久野監督デザインによるキュートなキャラクターに変貌をとげ、ロトスコープアニメーションならではの生き生きとした動き・表情で動き回る特別な仕上がりは可愛くもどこか現実味のある未だかつて観た事がないアニメーション映画となっている。
脚本は『苦役列車』(12)でも山下監督とタッグを組み、監督としてクリストファー・ドイルと撮影タッグを組んだ異例の経歴を持ついまおかしんじが執筆。撮影に『リンダ リンダ リンダ』(05)『苦役列車』 など多くの山下作品でカメラを握る池内義浩。衣装は『シン・ウルトラマン』(22)『竜とそばかすの姫』(21)など実写、アニメーション関わらずアーティスト、演劇と幅広いジャンルで活躍し続ける伊賀大介が担当。森山の他キャスト(声・動き)に、あんずちゃんと共に過ごす少女“かりん”を山下監督の『1秒先の彼』(23)でもフレッシュな魅力を発揮した五藤希愛、かりんの父を青木崇高、母を市川実和子、おしょーさんを鈴木慶一、さらに水澤紳吾、吉岡睦雄、宇野祥平ら山下組常連の名バイプレイヤーたちも集結。鈴木は本作の音楽も担当し、味のある世界観に彩を加える。また主題歌を佐藤千亜妃が本作のための新曲『またたび』を書き下ろした。
実写映画の精鋭たちが勢ぞろいする中アニメーションには、アートディレクターをアカデミー賞ノミネート作品である『レッドタートル ある島の物語』(16)で背景を担当したJulien De Man。コンポジット開発にはイギリスでVFXアーティストと活躍するGuillaume Cassutoが参加。キャラクターデザインは監督である久野が自ら手掛け、作画監督を石舘波子(『ペンギン・ハイウェイ』(18)作画監督)、中内友紀恵(『あはれ!名作くん』作画)が務めている。本作ならではの最強の布陣が実現した。
また、アニメーション制作では『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』で知られ、『窓ぎわのトットちゃん』など繊細な芝居を得意とするスタジオである「シンエイ動画」と、カンヌ国際映画祭やアヌシー国際映画祭で数々の賞を受賞し、新進気鋭のフランスのスタジオ「Miyu Productions」が長編として初の日仏共同にてアニメーションを制作。 シンエイ動画がキャラクターの動きを描き、Miyu Productionsが背景美術と色彩を担う。
実写×アニメーション。
日本×フランス。
ジャンルや国を超えた才能がタッグを組んだ、前代未聞のアニメーション映画ついに公開!
STORY
雷の鳴る豪雨の中。お寺の和尚さんは段ボールの中で鳴いている子猫をみつける。その子猫は「あんず」と名付けられ、それは大切に育てられた。
時は流れ、おかしなことにあんずちゃんはいつしか人間の言葉を話し、人間のように暮らす「化け猫」になっていた。
移動手段は原付。お仕事は按摩のアルバイト。現在37歳。そんなあんずちゃんの元へ、親子ゲンカの末ずっと行方知れずだった和尚さんの息子・哲也が11歳の娘「かりん」を連れて帰ってくる。しかしまた和尚さんとケンカし、彼女を置いて去ってしまう。
大人の前ではいつもとっても“いい子”のかりんだが、お世話を頼まれたあんずちゃんは、猫かぶりだと知り、次第にめんどくさくなっていく。
かりんは哲也が別れ際に言った「母さんの命日に戻ってくるから」という言葉を信じて待ち続けるも、一向に帰ってこない。母親のお墓に手を合わせたいというささやかな望みさえ叶わないかりんは、あんずにお願いをする。「母さんに会わせて」
たった一つの願いから、地獄をも巻き込んだ土俵際の逃走劇が始まるんだニャ。
映画『化け猫あんずちゃん』特報【2024年7月公開】
https://youtu.be/_efHmCt9FLQ
©️いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会