7月22日(木・祝)より公開中の劇場版『Gのレコンギスタ Ⅲ』「宇宙からの遺産」の大ヒットを記念して昨日8月25日(水)にスタッフトークメカ編が開催されました!
本作の主人公機であるG -セルフのデザインを担当した安田朗氏、G-アルケインをはじめとした数多くのモビルスーツのデザインを担当した形部一平氏がリモートにて参加。進行は、プロデューサーの仲寿和氏が担当。メカデザインの立場から見た本作の見所をじっくりと語っている。
【イベント名】
劇場版『G のレコンギスタ Ⅲ』「宇宙からの遺産」スタッフトークメカ編
【開催日】2021年8月25日(水) 20:25-20:55
【場所】新宿ピカデリー シアター③
【登壇者】安田朗(メカデザイン)、形部一平(メカデザイン) ※左記の 2 名はリモート参加
仲寿和(プロデューサー)
安田氏と形部氏は仕事場からリモートでの参加ということで、壇上には仲プロデューサー一人が立ち、劇場のスクリーンに二人の顔が見えるような形で、スタッフトークがスタート。
まずは、お二人に『G-レコ Ⅲ』を観た率直な感想を語ってもらった。
安田氏は「僕は『G-レコ Ⅲ』は劇場に2回観に行きました。アイーダさんとベルリの関係、じつは2人は姉弟だったということが判るシーンで、TV シリーズではベルリがそのあと自棄になって戦いに行ったのが、劇場版では股間を押さえながら叫びますよね。あの新作カットは良かったですね。そのシーンがあったおかげで、『G-レコ Ⅲ』は完全に成功すると思ったので、僕にとっては最高の見せ場でした。その一方で、G-セルフが何だかカッコイイシーンが多かったです。特に最後の方、クレッセント・シップに乗るまでのアクションが矢継ぎ早で、滅茶苦茶充実していて、そこもすごく良かったです」と振り返った。
形部氏は「今回はノレドが可愛いなと思いましたね。『G-レコ』のキャラクターはみんなエキセントリックな感じで、それがリギルド・センチュリーの雰囲気を醸し出していると思うんですが、その中でもノレドはひとりだけ、自分たちに近い感覚の古風な女の子という感じがしていて。彼女が画面に出てくると安心感みたいなものを感じました。また、アイーダさんが心情を吐露する場面も増えてきて、独りよがり感が減ってきている感じも嬉しかったです。メカに関しては、やはりガイトラッシュの活躍が派手でしたね。ガイトラッシュは第4部にまで持ち越しになっているので、あのラストシーンの活躍を第4部の冒頭にも入れてもらえると嬉しいですね。あと、山根(公利)さんがデザインされたポリジットが緑色に塗られて、クレッセント・シップの護衛のように登場したのが、メカ的には地味に一番驚きました」と語り、お二人とも、キャラクターとメカの印象深いシーンを披露してくれた。
続いて、話題は G-セルフの作画について。劇場版から G-セルフの目が多重構造であることが表現され、瞳のように見えるようになったことに対しての感想が安田氏に求められた。
安田氏は「瞳の構造に関しては設定画の段階では“ちょっとだけ見えるかも”という程度で描いていたんですが、劇場版ではそれを入れるということになりました。そこで設定を改めて描いています。実際に瞳を入れてみると、それだけで見応えが2倍になったように感じて、“さすが、富野監督!”と思いましたね」と語る。
仲プロデューサーも「目が入っているのに見慣れてしまうと、TVシリーズの頃の方に違和感を感じてしまいますね」と見映えが良くなったという印象を語っている。
形部氏も「安田さんの瞳が多層構造になっている指示があったじゃないですか。それが撮影で見事に再現されていて、アップになった時もかなりいいですよね」とその映像表現を絶賛。
安田氏も「G-セルフは目が大きいことが特徴だと自分でも思っていながらも、監督に瞳を入れて欲しいとは言わなかったんです。それでもきちんと“瞳”に着目して、僕が出来なかったことをきちんとやってくれた富野監督は、やはり凄いなと思いましたね」と富野監督の細かいこだわりに感謝の気持ちを語った。
続いての質問は、「劇場版があるんだったら、もうちょっとデザインを描き足したかったという思いはありましたか?」というもの。
安田氏は「もう、たくさんありました。G-セルフの高速パックとマリンパックは入れたいと思っていたんですが、TVシリーズの時にこちらが数多く提案したことで、怒られたことがあったんです。それで、富野監督の演出の疾走感の邪魔をしたのではないかと……。そういう意味では、劇場版は今ある材料でどこまで富野監督の演出が走るのかというのを観たかったというのはあります。だから、あえて何も足さない方が良かったんじゃないかと思いましたね」とTVシリーズでの反省をもとに、あえてデザインを足さなくてもいいと判断したとのこと。
形部氏は「僕は勝手にデザインを出しすぎた立場なので、既にメカの数が過多になっている部分もあると思うんです。だだ、ひとつだけ思うのは、カバカーリーのラストバトルの時に、G-セルフのパーフェクトパックと張り合えるように、カバカーリーのバックパックも変えても良かったかなと思っています。そのシーンは、劇場版ではかなり先になりますけどね」とTVシリーズの後半のデザインについて、「当時こうできていればと良かった」という希望を語ってくれた。
続いて、安田氏は、G-セルフのバックパックのデザインが増えた理由については、このように語っている。「富野監督と話している時、“俺のシナリオは、どんなメカを出しても、そのシーンをちゃんと入れられるようになっているんだ”とすごく自慢されたので、“だったら、いくらでも増やそう”と沢山提案を出したんです。そうしたら、怒られたんですよね(笑)。それは、僕がデザインを上げるのが遅かったというのもあるんですが……。」と、富野監督との当時のやり取りについても語ってくれた。
その後、話題は入場者プレゼントとして配布された、形部氏によるグリモアとカットシーが描かれたクリアファイルの画稿について。このイラストはもともと、形部氏からTVシリーズの際に「アイキャッチ用に使ってみてはどうか?」と提案されたものを使用している。
「TVシリーズの時のメカ打ち合わせの後に、宿題が出ることがよくありまして。例えば、“ハロビーに関して、何かアイデアは無いか?”とか、“タイトルロゴを描かないか?”とか、その都度乗っかって描きまして。アイキャッチ用のイラストもその時に出たものですね。タイトルロゴはみんなが見た瞬間“これ、『エヴァンゲリオン』にそっくりじゃない?”と言われて、すぐに却下されたのは覚えています」と形部氏は当時を振り返える。
ちなみに、クリアファイルには当時形部氏が描いたロゴもそのまま使用されているので、手にされた方は、ぜひ確認して欲しい。
続いては、まだ発売日が決定していない『G-レコ Ⅲ』のBlu-rayとDVDのパッケージについて。すでに、パッケージイラストに関しては、形部氏に発注がされているということから、仲プロデューサーは、形部氏に「久々にパッケージ用に『G-レコ』のメカを描いてみた」ことについての感想を尋ねた。
形部氏は「第3部は、宇宙用のジャハナムを描いています。でも、『G-レコ Ⅲ』で言えば、ガイトラッシュとかがパッケージになるのかなと思っていたんですが、“強めのパイロットくくり”みたいになっているのかなと思って描かせていただきました。また、店舗特典用に小さい色紙みたいなものも描かせていただいたんですが、そちらではモンテーロを描きまして、クリム縛りで描いたという感じです。宇宙用ジャハナムは、今見ると肩の関節は“こうしたかったな”というのは、やっぱり時間が経つと思ったりしますね」との感想を答えた。
その後、安田氏から自身がデザインを担当したモビルスーツのレクテン、そしてG-セルフのコックピットについての思い出が語られた。「レクテンは、身長の設定が17メートルに設定されているんですが、本当は15メートルにしたかったですね。富野監督からは“復座にして欲しい”と言われたので、2人乗りだからと大きくしたんですが、そういう場面は全然出て来ないです(笑)。G-セルフは1人乗りなのに4人も乗ったりしていますが(笑)」と、富野監督のメカデザインの発注時と映像演出時の使われ方の違いについて触れると仲プロデューサーも「コックピットに複数人数を乗せる演出を富野監督はよくやるけれど、なぜか複数乗りの機体ではそれをやらないですね」と富野監督のちょっと気になる演出の好みを披露。
さらに安田氏は、「G-セルフのコックピットは僕的にカッコ良く描いたんですが、富野監督から“こんなコックピットに乗るのは地獄だ”と言われて。最終的にいろんな部分を取り払ったんですが、映像を観たら“たくさん人を入れたかったんだな”って思いましたね(笑)。富野監督からの説明を聞くと“宇宙空間では下手をすると何日も漂流することになるかもしれないから、その中で人間が生きていくためにはある程度の広さが必要なんだ“とも言っていましたね」と富野監督とのやり取りの思い出を語った。
そうした話をしているところで、スタッフトークも終了の時間に。「これだけは言っておきたいということはありますか?」という問いに対して、安田氏は「富野アニメのメカアクションは本当にカッコイイですね。大きな流れの中に小さな流れがある構成が本当に素晴らしいです」とコメント。
そして、最後には3人からメッセージで、スタッフトークは、締めくくられた。
「『G-レコ Ⅲ』の上映もおよそ今週いっぱいというとこで、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。この後、第4部、第5部と続いて行きますので、その時はまた劇場の方に来ていただければと思います。今回はありがとうございました」(仲プロデューサー)
「このご時世の中、劇場まで足を運んでいただいたことは、すごくありがたいです。まだ、第4部と第5部が残っていて、しかも第4部はかなり変わっているともお聞きし、ジット団も登場して大きな流れになるようですので、僕も皆さんと一緒に『G-レコ』の劇場版を楽しみたいと思っています。これからもよろしくお願いいたします」(形部)
「本日は『G-レコ Ⅲ』を観ていただき、ありがとうございました。第4部に関しては、全然知らないんですが、新作パートがすごく多いという噂を聞いています。TV シリーズの分量ならば、第4部で最終回に行きそうな雰囲気ですが、それが実際にはどうなるのか? すごく興味があるので、みなさんと一緒に公開を楽しみにしています。本日はありがとうございました」(安田)
★作品詳細
【公開日】
2021年7月22日(木・祝)全国ロードショー
【メインスタッフ】
総監督・脚本:富野由悠季
原作:矢立 肇、富野由悠季
演出:吉沢俊一
キャラクターデザイン:吉田健一
メカニカルデザイン:安田 朗、形部一平、山根公利
デザインワークス:コヤマシゲト、西村キヌ、剛田チーズ、内田パブロ、沙倉拓実、倉島亜由美、桑名郁朗、中谷誠一
美術監督:岡田有章、佐藤 歩
色彩設計:水田信子
ディスプレイデザイン:青木 隆
CG ディレクター:藤江智洋
撮影監督:脇 顯太朗
編集:今井大介
音楽:菅野祐悟
音響監督:木村絵理子
企画・製作:サンライズ
配給:バンダイナムコアーツ、サンライズ
劇場版『Gのレコンギスタ』テーマソングアーティスト:DREAMS COME TRUE
【メインキャスト】
ベルリ・ゼナム:石井マーク
アイーダ・スルガン:嶋村 侑
ノレド・ナグ:寿 美菜子
マスク:佐藤拓也
クリム・ニック:逢坂良太
マニィ・アンバサダ:高垣彩陽
ラライヤ・マンディ:福井裕佳梨
ミック・ジャック:鶏冠井美智子
バララ・ペオール:中原麻衣
【Story of Ⅲ】
突如、ザンクト・ポルトにいるアメリア軍の航宙艦が攻撃を受けた。スペースコロニー国家トワサンガが、地球への帰還を目指す「レコンギスタ」作戦を開始したためだった。ザンクト・ポルトには地球内外の4勢力が集結、それぞれが権利を主張して意見を戦わせる中、アイーダは真実を求め、ベルリや仲間とトワサンガを目指すことを決意する。そして月の裏側にあるトワサンガで、ベルリとアイーダに衝撃の事実が明かされる……。
公式サイト:http://www.g-reco.net/
公式Twitter:https://twitter.com/gundam_reco
『G』YouTube URL
https://www.youtube.com/watch?v=tiBcEJ8WX2A&t=285s
ガンダムシリーズの生みの親、富野由悠季が原作・総監督を務める、全ての“ガンダム”の歴史を包括した一大叙事詩!
∀ガンダム Blu-ray Box Ⅰ・Ⅱ(特装限定版)〈全2巻〉発売!
∀ガンダム Blu-ray Box Ⅰ・Ⅱ
(特装限定版)〈全2巻〉
2021年9月28日(火)発売!
作品公式HP:http://www.turn-a-gundam.net/
■1999年4月9日~2000年4月14日 フジテレビ系列にて放送 全50話
『∀ガンダム』ファン必見の特典を収録した豪華仕様!
・キャラクター原案の安田朗による描き下ろし収納BOX
・重田敦司、菱沼義仁描き下ろしインナージャケット
・当時35mmフィルムで制作されたクオリティを最大限に引き出した、 鮮やかな高画質映像!
・メカニカル&キャラクター解説、アートワークス等収録された特製ブックレット
・『∀ガンダム』TVシリーズ初のメインキャスト・スタッフによるオーディオコメンタリーを新規収録!(※2014年収録)
【ストーリー】
正暦2343年。少年ロランは、仲間のキース、フランと共に月の世界から密かに地球に降り立った。彼は、そこで様々な出会いをし、月の女王ディアナにそっくりな少女キエルとその妹ソシエがいるハイム家に雇われ2年の月日を幸せに過ごしていた。
しかし、ソシエとロラン成人式の夜、彼の故郷である月の軍隊“ディアナカウンター”が、地球帰還作戦を開始。アメリア大陸の有力領主であるグエンが組織する、自警団“ミリシャ”との間で戦争が勃発。戦闘の最中、黒歴史の遺産である白いモビルスーツ“ターンエーガンダム”が目を覚ました。
【スタッフ】
企画:サンライズ/原作:矢立 肇、富野由悠季/キャラクター原案:安田 朗/キャラクター設定:菱沼義仁/メカニカルデザイン:大河原邦男、シド・ミード、重田敦司、沙倉拓実/音楽:菅野よう子/総監督:富野由悠季/制作:サンライズ 他
【キャスト】
ロラン:朴ろ美(「ろ」は「王」に「路」と書きます)/キエル&ディアナ:高橋理恵子/ソシエ:村田秋乃/グエン:青羽 剛/キース:福山 潤/フラン:渡辺久美子/メシェー:鬼頭典子/フィル:小山剛志/ハリー:稲田 徹/ポゥ:中西裕美子/ギンガナム:子安武人/アグリッパ:石丸博也 他
商品詳細
∀ガンダム Blu-ray Box Ⅰ(特装限定版)
【価格】 35,200円(税込)
【収録話数】 25話収録
【品番】 BCXA-1650
【スペック】
カラー/605分(本編603分+特典2分)/リニアPCM(ステレオ)/AVC/BD50G×4枚/ 4:3<1080p High Definition>・一部4:3<1080i High Definition> ※第16話「∀(ターンエー)のすべて」は当時の素材状況により、デジタルアップコンバート版となります。
【封入特典】 特製ブックレット(112p)
【音声特典】 オーディオコメンタリー
第1話 朴ろ美(ロラン役)、高橋理恵子(ディアナ&キエル役)、村田秋乃(ソシエ役)
第8話 朴ろ美(ロラン役)、渡辺久美子(フラン役)、福山潤(キース役)
第10話 村田秋乃(ソシエ役)、福山潤(キース役)、稲田徹(ハリー役)、佐藤せつじ(ジョゼフ役)
第21話 高橋理恵子(ディアナ&キエル役)、鬼頭典子(メシェー役)、小林愛(リリ役)
【映像特典】
ノンテロップOP「ターンAターン」
ノンテロップED「AURA」
【他、仕様】
安田朗描き下ろし収納BOX
重田敦司、菱沼義仁描き下ろしインナージャケット
※朴ろ美の「ろ」は「王」に「路」と書きます。
※本商品は2014年9月24日に発売された期間限定生産版(BCXA-0904)と同仕様・同価格となります。
※特装限定版は予告なく生産を終了する場合がございます。
∀ガンダム Blu-ray Box Ⅱ(特装限定版)
【価格】35,200円(税込)
【収録話数】25話収録
【品番】BCXA-1651
【スペック】
カラー/639分(本編603分+特典36分)/リニアPCM(ステレオ)/AVC/BD50G×4枚/ 4:3<1080p High Definition>・特典一部4:3<1080i High Definition> ■封入特典 特製ブックレット(108p)
【音声特典】オーディオコメンタリー
第27話 朴ろ美(ロラン役)、村田秋乃(ソシエ役)、大塚芳忠(ギャバン役)
第43話 スタッフサイド 朴ろ美(ロラン役)、安田朗(キャラクター原案)、富岡秀行(プロデューサー)、 高橋哲子(文芸・脚本)
第43話 キャストサイド 稲田徹(ハリー役)、夏樹リオ(メリーベル役)、田中一成(ブルーノ役)、 宇垣秀成(ヤコップ役)
第49話 稲田徹(ハリー役)、小山剛志(フィル役)、中西裕美子(ポゥ役)、子安武人(ギンガナム役)
第50話 朴ろ美(ロラン役)、高橋理恵子(ディアナ&キエル役)、子安武人(ギンガナム役)
【映像特典】
ノンテロップOP「CENTURY COLOR」
ノンテロップED「月の繭」
ノンテロップED「限りなき旅路」
Blu-ray Box PV&CM
∀ガンダムスペシャルガイド
【他、仕様】
安田朗描き下ろし収納BOX
重田敦司、菱沼義仁描き下ろしインナージャケット
※朴ろ美の「ろ」は「王」に「路」と書きます。
※本商品は2014年12月25日に発売された期間限定生産版(BCXA-0905)と同仕様・同価格となります。
※特装限定版は予告なく生産を終了する場合がございます。
「これだけ観れば『G-レコ』のすべてがわかる! 劇場版『Gのレコンギスタ』を赤ペン瀧川が5分で解説!」
https://youtu.be/QyPHc6bmHwQ
劇場版『Gのレコンギスタ』富野由悠季総監督メッセージ映像
https://youtu.be/gyPeqqeHMNY
劇場版『Gのレコンギスタ Ⅲ』「宇宙からの遺産」60秒特報【ガンチャン】
https://youtu.be/zEJu4ddy-yQ
劇場版『Gのレコンギスタ Ⅲ』「宇宙からの遺産」30秒特報【ガンチャン】
https://youtu.be/OCQMSm33XaM
©創通・サンライズ