TVアニメ『明治東亰恋伽』森鴎外役・浪川大輔さん、菱田春草役・KENNさん放送開始直前 SPインタビュー

森鴎外役・浪川大輔さん(左)、菱田春草役・KENNさん(右)

2011年に携帯アプリゲームとしてリリースされて以来、CDドラマ、劇場アニメ、ミュージカルと表現世界を広げ、長く愛され続けている『明治東亰恋伽』が、いよいよ2019年1月9日(水)よりTVアニメがスタートする。
出演キャストはそのままに監督に大地丙太郎さんを迎え、これまでとも違う一面を見せてくれそうな「めいこい」から森鴎外役・浪川大輔さん、菱田春草役・KENNさんのお2人に放送を直前に控えた今の心境を伺った。

 

――原作ゲーム開始から約7年が経ちましたね。
根強い人気があると感じているのですが、TVアニメ化ということで今のお気持ちは?

浪川 劇場があって、シリーズじゃないですが映像化はやらせてもらったけど、こうやって毎週アニメをTVシリーズとしてやらせてもらうのは初めてなんです。逆に7年経ってからTVアニメ化するのはあまりないですよね。
メディアミックスの時代で、ミュージカルだったり劇場アニメだったり、ラジオやニコ生もやらせてもらってますが、それに順応していく作品はなかなかないと思います。メディアミックスでやるというのは、最初から決まっていなかったと思うので、臨機応変に合わせていけた事がTVアニメ化に繋がったんじゃないかな。それにはスタッフの尽力もあるし、我々も、じゃあやってみよう!と面白くやらせてもらいました。

KENN 今回のTVアニメ化は、何よりファンの方がずっとついて来てくれたことが大きいですよね。歴史上の人物の物語で、フィクションの良さもあるじゃないですか。
はじめはフィーチャーフォンで部分的にボイス録りしてたんだけど、その時代からはじまり、ポータブルゲーム機、スマホで出来るようになったのは面白いなと思いましたね。

――お二人が演じる森鴎外・菱田春草の魅力を教えて下さい。

浪川 森鴎外の魅力は、色んなものに精通しているのは知識人としてすごく武器になるところだと思うんだけど、色んな知識があるから常識人かというと、意外とそうでもない。ちょっと変わったキャラクターというか、斜め上をいっていたり、掴みどころがなかったり、感覚が少し人とズレ気味であったり。そこが魅力になればいいかな。
凄く真っ当な、正面向かって会話が出来るかといわれれば、やろうと思えば出来るんですよね。でも、そうじゃない部分のほうが目立ちがちではあるんですけど。
そこら辺の面を見せられたらなと思います。礼儀もあるし知識もある、目上の人とも話せる。それで下の若い子とも話せる。森鴎外の人としてのキャパは大きいんだけど、(知性の)使い方がどうやらおかしい(笑)。
凄く複雑というか、多岐にわたるキャラクターなのかなと思います。

KENN 春草は一見無愛想なんですけど、実はとても情熱があってハートフルな考えを持っている。鴎外さんみたいに社交的ではなんですけれど、一回信用した人にはとても尽くすというか、真摯に向き合えるキャラクターなのかなと思っています。
アーティスティクな所は“画家モード”といいまして、自分の描きたい対象に出会うと、我を忘れて周りが見えなくなってしまうという所があったり。
あとあまり目が良くなかったりするので、ある意味周りをドキドキさせてしまうキャラクターなのかなと思います。

――7年経ってキャラクターの理解度が深まったり、新たに発見したことはありますか?

KENN 物語を重ねていく内にこういう一面があったんだなとか、楽しんでくれてるお客さんと同じように僕たちも感じてると思います。やっぱり今回はTVアニメでの演出だったりとか、キャラクターのこういうところクローズアップしてしよう、みたいな意図があるので、そういった意味ではどんどん理解度は高まっていくというか、多方面から見れています。

――これまでもゲームやイベントなどでもたくさん演じていますが、今回TVアニメ化ということで改めてキャラクターを演じる上で意識していることを教えてもらえますか。

浪川 ゲームをやってる方は、もちろん「めいこい」の世界観は分かっていらっしゃるとは思います。今回のTVアニメでは、大地監督のテイストが入っておもしろい部分もあるんですけど、特に最初の方はどのキャラも何割増しか色っぽくなっている印象です(笑)。
森鴎外って面白キャラで扱われることが多かったんですが、(今回のTVアニメでは)王道の方をメインに演じるのが逆に新鮮だったかな。
立ち姿、歩いてる姿、一緒に春草といる時もそうですけど、すごくムードがあるというか。ドラマチックな演出になって意識が変わりました。

KENN 今でも印象的に残っているのが、初めの方にボイスを取る時に、ダミーヘッドマイクを使って、二人で取らせて頂いたことがあるんです。その頃は物語が始まったばかりで、シリアスめな部分も多かったりだとか、明治の例えば鹿鳴館だったり、不忍池とか、そういう有名な所を紹介しながらのドラマCDもあったりとかして・・・。
原点じゃないですけど、それを思い出したような感じがしています。

浪川 確かに! イベントを多くやってからかなぁ。ギャグ方面に(笑)。KENN君が言ったように原点に戻ったような感じはありますよね。

――作品の見どころについて教えてください。今後ご自身で楽しみにしているシーンがあったら教えてください

浪川 最初の収録の時にスタッフがうっとりすると言ってくれたのが嬉しかったです。明治時代のにおいを感じられる雰囲気は、見どころとして感じて欲しいです。後は大地監督なので、今までの「めいこい」のパロディだったり、おもしろい部分をうまいこと引き出してくれている。どのキャラクターも個性が立っていると思います。

KENN そうですね。キャラクターのバランスが絶妙で、“各キャラクター全員を立てる”みたいなのがすごいなぁって思ったのが一番大きな印象でした。

浪川 乙女ゲームでよくあるなんとかルートみたいな所があると、他のキャラが薄くなっちゃう事があるんですが、「めいこい」はそんなことないです。

KENN 鴎外さんはもちろん主役として立つ所は立ってるんですけど、他のキャラクターたちも自然にシーンやお話が移り変わって行くんです。

――今回TVアニメシリーズの大地大地丙太郎監督という事で、監督からどのようなディレクションがありましたか?

浪川 音響監督もいらっしゃるので、大地監督の指示なのか、音響監督の指示なのか分からない所もありますが結構細かい所まで丁寧にやる印象はありますね。大地監督は、「明治東亰恋伽」という世界観を非常に大切にしてくれている。

KENN 導入からすごく丁寧で、しかもドラマチックですよね。

浪川 すごくその気持ちが伝わってくるような感じです。ギャグテイストのほうも期待していいと思いますよ。あと細かい所にもこだわってくれてもいます。

KENN そうですね。こういう方向もいいけれど、こういう方向でやってみてもらえますかと言って頂いて。

――ということは、アフレコの時も結構アドリブを入れてたりしたんですか?

浪川 結構多いですね。ここアドリブ入れてくださいとか。どのキャラもですけど、裏で動いてるから(アドリブを)入れてくださいとか。ただ使われるかどうかは・・・(笑)。

KENN それはオンエアを見てからのお楽しみですよね(笑)。

――楽しみにしている描写はありますか?

浪川 あんまり詳しく言えないけど、あの歌はいいよね。

KENN あれですね(笑)。

浪川 あれは新たな挑戦だと思う。急にテイストが変わるっていうね(笑)。

KENN でも、ドラマCDとか朗読の時のあのテンションに近いところがあるかな。

浪川 そう! それを映像化したみたいな・・・そういう所が出てくるんですよ(笑)。そうギャップというか、いろんな面が見れるっていうのは本当にいいなと思います。

――アフレコ現場の様子、現場で印象に残っていることやエピソードはありますか?

浪川 みんなずっとやってるからこその阿吽の呼吸があります。7年やってるから慣れているとかじゃなくて、自分のセリフ一つ一つ取っても、これはこうやってみようという挑戦があった時に受け手がしっかりそれを感じ取れる。それがお互いに出来る、信頼感のある現場だなとよく思います。
あと、みんな良くしゃべる(笑)。
まぁ非常に楽しいです。7年間やってきたからこそスタッフさんも信頼してくれていて。
好きにやってくださいっていう所と、こうしたいって所、こっち(声優陣)にも重きを置いてくれている。すごくバランスのいい現場ですね。

KENN 浪川さんが自らぼけて、空気作りもしっかりやってくださってます。ただ僕らいつもそれに甘えさせてもらってしまって…。

浪川 親戚や小学校の頃の友達じゃないですけど、久々に会ってもその時の感じにすぐ戻れるみたいな空気感があるのかな。だから遠慮もしないで芝居もできる。やりやすい現場だと思います。

――ご自身が演じるキャラクター以外で気になるキャラクターはいらっしゃいますか?

浪川 すごくキャッチーなのは(泉)鏡花ちゃんかなぁ。

KENN ああ。劇場版でもメインになりましたしね。

浪川 わかりやすく可愛らしいというか…。「よしよし」って思える感じはいいと思いますね。あと、KENN君がいるからじゃないんですけど、春草の佇まい。
暗いわけじゃないじゃないか、春草って。物思いにふけやすいというか・・・。敏感だけどなかなか言わなかったりとか。言わなきゃいけないときにはしっかり言うっていう時のその言い方がいい。これKENN君がいないから言えますけど。

KENN めっちゃいるなぁ(笑)。

浪川 好きって言いたい時に、すぐ好きとかって言えない時の気持ちってあるじゃないですか。言いたいけど言えない、けど言わなきゃ!みたいな。
春草ってどっちかっていうと後ろにいるタイプだけど、そこで急に前に出てくるタイプじゃないのに出てきた!ていうのがわかる感じ。あれはすごい気になる。こっちが一生懸命いっぱいしゃべってるのにずるいって思う(笑)。

KENN 別に省エネしてるわけじゃないですよ(笑)。
逆に僕は鴎外さんがすごい気になる。春草は鴎外さんのお家で居候して、ずっと見てきているからずるいなって。大人で包容力があって押しが強い割に引き算をしている、みたいな。そういう大人なところが羨ましいなってずっと思っていました。
普段は押しが強くてグイグイ行くけど、肝心な時にすっと引くじゃないですか。そこに女子はやられるんじゃないかなって思うんですよね。

浪川 今回結構嫉妬心が出るんです。鴎外が他の人に対して。

KENN それもずるいんですよ!(笑)。「どこいってたの!」みたいな。大人なのにそれほど心が動かされてしまって、言葉に出てしまう所もずるいんですよね。

浪川 じゃあ、これはどちらがずるいか観ている人に判断してもらおうか(笑)。

――森鴎外は色々と変わったこだわりを持っているキャラクターですが、浪川さんがプライベート、もしくはお仕事でこだわっていることはありますか?

浪川 俺のこだわりは炊飯器かな。お米自体も大好きなんですよ。ただ炊飯器が非常に最近良くて! まず今年発売と去年発売で値段が変わるわけじゃないですか。けど性能はほぼ変わらないんですよ。だから去年のでいいんです。
今年のものはそれはそれで去年よりもいいと思いますよ。けどそれによってお米が輝きを増す、まさに「明治東亰恋伽」(笑)。
こんなにリンクするんだってお米を食べながら思いましたね。7年経った炊飯器もこんなにお米を輝かせれくれる(笑)。

KENN こだわりはあると思うんですけど、多分それに気付いていないですよね。
声のお仕事だったら…音程は結構気にしちゃうんですよね。セリフの前の音程とかイントネーションは皆さん気にしていると思うんですけど、例えば同じ言葉を言わなきゃいけないときがあるじゃないですか、「そっか」とか「はい」とか。
そういう時なるべく意識して音を変えるようにしています。もちろん感情も同じ「はい」ということはないと思うんですけど、プラス音程も意識しています。あとはイントネーションとかもメロディーで覚えてる。

浪川 炊飯器とセリフの出し方と、さっきの自分の発言が恥ずかしくて仕方ない(笑)。

――菱田は日本画家(見習い)で絵のことになると夢中になって周りが見えなくなってしまうキャラクターですが、KENNさんが夢中になっていることはなんですか?

KENN 夢中になっていることか…。グミとラムネを買うかな。

浪川 確かにはまってるね~。いっぱい食べさせてもらってる(笑)。一年で食べるグミとラムネってKENN君にもらってる位だもん(笑)。

KENN ラムネがブドウ糖が90%以上入っているらしくて、それがお酒飲んだ後とか集中力が切れた時にいいという話を聞いて買うようになったら、色々な種類が色々買うようになって。グミも好きだし。ついパクパク食べちゃうな。

――最後に作品を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。

KENN 今回はTVアニメということで、キャスト、スタッフの皆さんも楽しみながら、「めいこい」の魅力を伝えるべく全力で作らせていただいたので、是非楽しみにしていただければと思います。

浪川 今回始めての方もいらっしゃると思うんだけど、TVアニメからでも全然入れます。前から知っていらっしゃる方もキャラクターの新たな一面が見られると思います。「めいこい」は王道といえば王道の作品かもしれません。
タイムスリップしたりしますが、感情と感情が重なる恋愛感だとかはすごく分かりやすい展開になっていて、それをそのまま素直に受け入れて頂ければ非常に楽しめる、真っ直ぐなアニメだと思います。
ぜひ面と向かって観て頂けると、作品の良さであったり、キャラクターの個性も非常に強いので、自分のお気に入りのキャラクターを見つけて楽しんで頂くのが一番かなと思います。ずっと続けていきたい作品だと思っていますので応援よろしくお願いします。

 

TVアニメ「明治東亰恋伽」は、2019年1月9日(水)23:30より、TOKYO MXで放送、ほか各局で順次放送スタート。
シリーズ最新作、アプリゲーム「明治東亰恋伽~ハヰカラデヱト~」も好評配信中。

 

★作品詳細
TVアニメ『明治東亰恋伽

2019年1月9日(水)よりTOKYO MX、テレビ愛知、BSフジほかで順次放送開始!

TOKYO MX 1月9日より毎週水曜23:30~
テレビ愛知 1月9日より毎週水曜26:05~(※第1話は26:35~より放送)
サンテレビ 1月12日より毎週土曜25:00~(※第1話は25:30~より放送)
KBS京都 1月13日より毎週日曜23:00~
BSフジ 1月13日より毎週日曜24:30~

U-NEXTほか各社にて配信開始!
U-NEXT/Amazonビデオ/クランクイン!ビデオ/J:COMオンデマンド/dアニメストア/
ニコニコチャンネル/バンダイチャンネル/ビデオパス/ビデオマーケット/hulu/
フジテレビオンデマンド(FOD)/Rakuten TV

【スタッフ】
原作:MAGES./LOVE&ART
監督:大地丙太郎
キャラクターデザイン・総作画監督:山中純子
脚本:はるか、髙橋幹子 脚本監修:魚住ユキコ
美術監督:佐藤 勝 色彩設計:加藤里恵 撮影監督:佐々木明美 編集:藤田育代
音響監督:たなかかずや 音楽:SHIKI
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント

【キャスト】
綾月芽衣:諸星すみれ
森 鴎外:浪川大輔
菱田春草:KENN
川上音二郎:鳥海浩輔
泉 鏡花:岡本信彦
藤田五郎:福山 潤
小泉八雲:立花慎之介
岩崎桃介:細谷佳正
チャーリー:森川智之

★オープニングテーマ:
『月灯りの狂詩曲(ラプソディア)』/KENN
★エンディングテーマ:
『星屑の詠み人』/森鴎外(cv.浪川大輔)& 菱田春草(cv.KENN)
『メロウな夜に踊りましょう』/小泉八雲(cv.立花慎之介)& 泉鏡花(cv.岡本信彦)
『宵や、酔いや -Yoiya Yoiya-』/川上音二郎(cv.鳥海浩輔)& 藤田五郎(cv.福山 潤)

 

TVアニメ「明治東亰恋伽」PV第2弾
https://youtu.be/UcrB_df_ZG8

 

アニメ公式サイト:http://meikoi.com/tv-anime/
公式Twitter:@meikoi_staff

 

◆原作情報
2011年に携帯アプリ配信版からスタートし、その後もPlayStation Portable®版・PlayStation®Vita版の発売、その他ゲーム以外にも幅広くメディアミックスを展開しています。今後の展開として、新作アプリゲームのリリースと、TVアニメシリーズ、実写ドラマ、実写映画の制作が決定しています。

公式ポータルサイト: http://meikoi.com/ 
公式ファンクラブサイト:http://ch.nicovideo.jp/meikoi 
公式Twitter:https://twitter.com/meikoi_staff 

© LOVE&ART/めいこい製作委員会
©MAGES./LOVE&ART