全世界でシリーズ累計出荷本数が1億3,000万本を超えるサバイバルホラーゲームの金字塔「バイオハザード」の最新CG長編映画『バイオハザード:デスアイランド』がついに2023年7月7日(金)に公開になった。
監督を務めるのは、『海猿』シリーズで知られ、Netflixで独占配信された連続CGドラマ『バイオハザード:インフィニット:ダークネス』も手掛けた羽住英一郎。脚本は2017年公開の『バイオハザード: ヴェンデッタ』でも同職を務めた深見真が担当している。
今作のポイントはレオン、クリス、ジル、クレア、レベッカというシリーズのオールスター総出演するという点。本予告が公開されるとファンの間でも大きな話題になった。
今回はそんな本作の羽住英一郎監督、脚本の深見 真氏のお2人にインタビューを実施!
制作秘話からお2人に注目シーンなど事前に読んだら作品をより楽しめるお話から、何度でも観たくなる裏話まで伺っている。
――今作『バイオハザード:デスアイランド』(以下、『デスアイランド』)のコンセプトはどの辺りから決まっていたんでしょうか?
深見 真(以下、深見):
コンセプトは脚本の前にすでに決まってたんですよ。
「原作シリーズのメインキャラクターが勢ぞろいで、ジルを主役でお願いします」と最初からそういうオーダーでお話を頂きました。
自分は全然いけそうだったので、「それでいけます」とすぐに返事をしました。
脚本作業をやっていく内に、その頃『バイオハザード:インフィニット ダークネス』(以下、『インフィニット ダークネス』)をやっていた羽住監督の作業がひと段落した所で、「『バイオハザード:ヴェンデッタ』(以下、『ヴェンデッタ』)の続編があるんですけどどうですか?」というふうにプロデューサーからお話がいった感じです。
――羽住監督はNetflixの『バイオハザード:インフィニット ダークネス』に続いてのバイオハザードになります。実写の映画作業と勝手も違うと思うのですが、どのあたりにご苦労されたのでしょうか。
また、お話があった時はどんなお気持ちでしたか?
羽住 英一郎監督(以下、羽住):
前回の『インフィニット ダークネス』の時は初めてで、知らない事だらけで大変ではあったんですけど、そうは言いつつすごく楽しかったんです。
僕が今回のお話頂いたのは、ちょうど『インフィニット ダークネス』の仕上げ作業が終わり完成したという時で、ちょうどまたフルCGの仕事をやりたいなと思ってたタイミングに、間髪入れずにお話頂いたのですごく嬉しかったですね。
――深見さんは『ヴェンデッタ』からの続投になります。『デスアイランド』までちょっと期間も空いたと思いますが、すんなり作業に入れましたか?
深見:
『ヴェンデッタ』の後のお話ならいつでも入れる心の準備できていたので。『バイオハザード RE:3』が発売の時期だったので、ちょうどプレイしながら脚本を書いていました。
――『デスアイランド』ではメインキャラクターが勢揃いするということで、バイオハザードの大ファンである深見さん的にはいかがでしたか?
深見:
そこはもう全キャラに思い入れがありますからね。
クリス、ジルは『バイオハザード』から出てるし、クレアが出てくる『バイオハザード2』もやったし、『RE:2』でも大活躍したキャラですしね。
レオンは最新作の『RE:4』でまさに使っている最中なので、どのキャラも描いていて楽しいキャラばかりです。
『バイオハザード4』くらいやったゲームはないんじゃないかな。初めてプレイした時は衝撃でしたね。
――フルCG作品でジルが登場するのは『デスアイランド』が初めてになります。その辺りにも注目しているファンは多いと思いますが、監督はジルというキャラクターをどのように感じましたか?
羽住:
撮影自体はモーションキャプチャーなんですけど、その後どんどんCGとして完成させていく作業の中で、ジルを深く知っていきました。
もちろんモーションキャプチャーの時からジルってこういう感じなんだなってイメージはあったんですけど、作業を進める中で、自分自身がより彼女の魅力に気づいていく事が多かったなと思います。
――『デスアイランド』の舞台はアルカトラズですが、最初から決まっていたんでしょうか?
羽住:
案がいくつも出て、精査した中で残ったのがアルカトラズという感じでした。
深見:
他には豪華客船案だったり、映画の「エアフォース・ワン」みたいにずっと飛行機の中で進む感じにするとか、ロケーションを減らすためにとにかく閉鎖環境にしたかったんです。
ロケーションを減らして一つのロケーションに絞った方が密度が濃くなって美しい風景にできるからと最初からオーダーがあって、色んな案を出し合った中で生き残ったのがアルカトラズ島でした。
――『デスアイランド』ではアクションシーンも目を見張る所があったんですが、アクションシーンもある程度深見さんが想定して書かれているんでしょうか。
深見:
大きい流れみたいなものは書いてあるんですけど、今回最初からある程度監督やアクション班にお任せすることになっていました。なので、映像で観て自分も今回のゾンビ元気がいいなとびっくりしました(笑)。
せっかく築いたバリケードの柵を登ってくるシーンは、バイオっぽくなくていいシーンだなと思いました。
――この辺りは監督ご自身にバイオのゾンビとはこういうものだという固定概念がなかったからこそだなと思いました。
羽住:
ゾンビ自体は色々な映画にも出てきてどんどん進化して、バイオでもリッカーをはじめ色々なゾンビが出てきて進化しています。
僕自身はあまりゾンビに詳しくないので、色んなスタッフから色々アイディアを出してもらってああいう風に仕上がりました。
――お2人のお気に入りのシーンはどこですか?
深見:
これ予告でも観られるんですけど、ジルがゾンビと一緒にガラスのテーブルの上に落ちて、その直後に銃でトトメを刺してテーブルが割れて落ちるシーンがあるんですよ。
言葉にすると長いんですけど、これが格好良くて、予告で使われるのも納得なビシッとしたシーンに仕上がっているんですよ。
このシーンが前半に来るんで、もう掴みは十分です。
いいアクションってキャラクターの表現でできていると思うんですが、このシーンはジルの身体能力だったり、ジルの迷いのなさ、あと怒ったら彼女は怖いぞみたいな感じをあの短い時間でも全部表現できているんです。
ジルの登場シーンとして最高の仕上がりだと思います。
羽住:
最後のクライマックスの所は、この企画を聞いた時からメインの5人が揃う、アベンジャーズ的なお祭り感を感じていたので、何も考えず楽しんでもらえたら嬉しいです。
とにかく色んな武器を出してほしかったので、武器のコーディネーターの方をはじめ色々なアイディアを出してもらい、色んなものが盛り込んでもらいました。
バイオシリーズは歴史が長いので、仲間を誘って劇場に観に行ってもらいたいです。
全員が全作プレイしているわけではないと思うので、あのセリフはどういう意味だったんだろうか、過去のあそこでこういう話があったんだよという風に補い合って盛り上がってもらえるんじゃないかと思います。
深見:
もう一つ、オープニングの家に突入するシーンでジルがライトと拳銃を持って入るんですけど、ずっとライトをつけっぱなしにしていないんですよ。
ライトをつけっぱなしだと敵に気づかれてしまうので、ライトを消して移動してまたつける動きをしています。
この動きがすごく細かくて、これはアクション班にできる人がいるなと感じました。
羽住:
それも武器のコーディネーターからのアドバイスで、この方が海外で傭兵やってるような人だったんですよ。
深見:
動きがすごく良かったので、ちょっとしたマニア向けの見所の一つですね。
――お二人がご一緒にお仕事されるのは今回が初でしょうか?
羽住:
そうですね。
深見:
自分は羽住監督の映画が大好きで、以前一緒にお食事させて頂いた時に直接お話したんですが、特に『劇場版MOZU』が大好きで!
どれくらい好きかというと仲のいい友達と決め台詞を言い合たり、渋谷のスクランブル交差点を見るたびに止まっている車のボンネットの上に飛び乗って西島秀俊の真似をしたくなる位です。
――羽住監督はそんな深見さんの脚本を読まれていかがでしたか?
羽住:
私が入った時にはある程度台本の形はできていました。
メインキャラクター5人をバランス良く捌くのはなかなか大変なんですけど、それをうまく組み合わせを入れ替わらせていて、エンタメ感満載ですごくワクワクして、読んだ記憶がありますね。
深見:
羽住監督はものすごく良い画作りをされる監督なので、何を撮っても日本映画離れした感じになりますよね。
「太陽は動かない」は昔の無国籍な香港映画みたいな空気があるし、「ワイルド7」はちょっと冷たくなってて、海外のノワール風味の犯罪映画みたいな空気が漂ってる。「カラダ探し」はた冷たい感じの映像になってて、映像の温度がジャンルによって上がり下がりしている。
この辺はライティングとかもかなりこだわられたんじゃないでしょうか。
羽住:
そうですね。
映画はフレームで切り取っている世界なので、この空間にどのくらいあるか想像させるのが大事ですから。
ライティングがベタっとしていると、見てもつまらないですよね。
深見:
ハリウッド映画という言い方も陳腐なんですけど、「海猿」でもスペクタクルスペクトラルな邦画離れした映像なんですよね。
大作から小品まで、常に作品に合った質感と温度をコントロールされている絵作りをされる監督なので、今回ご一緒できて本当に嬉しかったです。
――今作もなかなか光が当たらないシーンが多い中、ライティングにはこだわられたんでしょうか。
羽住:
CGとはいえ暗くて見えない部分も全部作り込んではあるので、見せたくはなるんですが、そこはなるべくシーンによってはもったいないんですけど、そういうライティングにはしたりしてますね。
――周りが海に囲まれているアルカトラズ島が舞台ですが、海をはじめ水の表現も苦労されたのではないですか?
羽住:
水は基本的にフルCG画だとどういう風にできてくるかはコンピューターにやらせてみないと分からないので、計算が立たない。
とにかく時間がかかるので、なるべく使わないに越したことはないのですが、制作の最終段階に入り、CGチームの方から見せ場だから水を使ったシーンを増やしましょうと提案してくれて、最終的にはすごく良くなったと思います。。
――本作は「悪役」も注目ポイントだと思いますが、今回の事件の首謀者の人物像は最初から決まっていたんでしょうか。
深見:
あれは羽住監督が入ってから定まったキャラです。
最初はもう少し高尚な哲学だったり、理想を持っているキャラだったんですが、それが監督が入って打ち合わせをして無駄な所を削ぎ落としていくうちに、今のソリッドな造形になりました。
羽住:
この5人をアルカトラズ島に集めて何をしたいのか考えた時に元々は同じような正義感を持っていた人であってほしかった。
それは何でそういう風に変わってしまったのかっていうエピソードをきちんと描くことで、みんなの好きな5人のキャラはやっぱり正義なんだけど、見方や角度を変えればそうじゃないじゃないかという、体制の側にいるだけで、本当にそれが正義なのかということをきちんと突いてくれるキャラであってほしいと考えました。
そういう意味で言うと洗脳されたとはいえ、ジルって一回はそういう行動を取ってしまったが彼女はやっぱり踏み止まった。
その辺がやっぱりメインが5人もいるんで、あんまり悪役を描くことはできないので、短い中で描ければという思いがありました。
――バイオシリーズのゲーム内には様々な小ネタが隠されていますが、バイオファンが楽しめる小ネタが仕込まれていたりしませんか?
深見:
元々『バイオハザード RE:3』のオマージュでジルが大物の武器を使うんですが、そのシーンのカメラワークがすごく原作のゲームっぽいカメラワークをしていたので、監督に確認したらたまたまということだったんですが、ここはゲームファンならニッコリできると思います。
羽住:
今回はお祭りなので、最初のゲームから好きなんだよっていう人だったり、ゲームはやったことなくて、名前だけ聞いたことあるっていう人でもとにかく全員が楽しめる映画にしたいなと思って作っています。
一番コアなファンたちに向けて作ったのはオープニングなんです。
それこそ劇場で何度か見るか、Blu-rayや配信された時に止めてみないと分からない位いっぱい詰まってるので、何度も見てもらいたいですね。
――最後に作品を楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。
深見:
羽住監督が『何も考えずに楽しめる映画』という言葉を使われていましたが、そういった映画を作るのは難しい事です。
それがもしかしたら今回できたかもしれません。
映画のこういう所が引っかかって楽しめないという事もあったかもしれませんが、映画に引っかかる点が多いとどうしても集中できず色々と考えてしまう。今回の『バイオハザード:デスアイランド』ではちゃんと何も考えずに楽しめる作品になっています。
羽住:
『バイオハザード』はゲームはもちろん、実写やNetflix版、フルCGのアニメの映画もこれで5本目と色んな所にあります。
それがフルCGに関しては全部ゲームと地続きの世界という所がこのコンテンツの魅力だと思います。今回初めて見たとしても今度はゲームに覗いてみて楽しめたり、見る前に過去作を見て期待値を膨らませてもらうのもいいです。
色んな楽しみ方ができると思うので、初心者も連れてってもいいと思います。
ぜひそういう方も誘って仲間たちと一緒に楽しんでもらえれば嬉しいです。
☆作品詳細
バイオハザード:デスアイランド
【公開日】
EJアニメシアター新宿ほか7月7日(金)より全国ロードショー
〈スタッフ〉
【監督】 羽住英一郎
【脚本】 深見 真
【CG 制作】 Quebico
【プロデュース】 トムス・エンタテインメント
【配給】 角川 ANIMATION
【製作】 DEATH ISLAND FILM PARTNERS
【原作】 株式会社カプコン
公式サイト https://biohazard-deathisland.com/
Twitter https://twitter.com/bio_deathisland
推奨ハッシュタグ #d_island
特典名:オリジナル LED キーライト
配布期間:7月7日(金)~7月20日(木)まで
※お一人様、1回のご鑑賞につき1つのお渡しとなります
※数量限定のため、配布期間中であっても無くなり次第終了となります
※劇場内での上映中の使用はご遠慮ください
※特典の取り扱いについては、同封されている使用上の注意をご覧ください。
イントロダクション
全世界でシリーズ累計出荷本数が1億3,000万本を超えるサバイバルホラーゲームの金字塔「バイオハザード」。
2021年にシリーズ初の連続CGドラマ化され、動画配信サービスNetflixで再生回数ランキングの首位を獲得した『バイオハザード:インフィニット ダークネス』の制作スタッフが再び集結、ここに新たなCG長編映画の名作が誕生する。
本作の舞台はかつて刑務所として使用されていた監獄島・アルカトラズ。交わるはずのない2つの事件の手がかりをもとめ、クリスたちは島へと向かう。この島が彼らにとって【デスアイランド(ルビ:死の島)】になることを知らずに―。
あらすじ
アメリカ大統領直属のエージェントのレオンは、機密情報を握るアントニオ・テイラーを拉致した武装集団の車両を追っていた。だが突如現れた謎の女の妨害に遭い、犯人たちを取り逃がしてしまう。
一方、対バイオテロ組織「B.S.A.A.」のクリスは、サンフランシスコを中心に起きている、感染経路不明のゾンビ発生事件を担当していた。
調査の結果、ウィルスの被害者全員がある場所を訪れていたことを突き止める。
そこは、かつて刑務所として使用されていた監獄島・アルカトラズだ。
島へ調査に向かう為、クリス一行はフェリーへと乗り込む。
映画『バイオハザード:デスアイランド』TVスポット15秒【7月7日(金)公開
https://www.youtube.com/watch?v=wkdAPPVleFg
映画『バイオハザード:デスアイランド』本予告
https://www.youtube.com/watch?v=ThmEKGQC_s8
映画『バイオハザード:デスアイランド』本予告30秒版
https://www.youtube.com/watch?v=_pTsKRUkoJc
映画『バイオハザード:デスアイランド』本予告60秒版
https://www.youtube.com/watch?v=yuhAos6aEq4
映画『バイオハザード:デスアイランド』特報【2023年夏公開】
https://youtu.be/UhZyqZy5_pU
©2023 CAPCOM / DEATH ISLAND FILM PARTNERS