TVアニメ『ヴァンパイア騎士』のエンディング主題歌「still doll」でデビューして以来、2018年にメジャー10周年を迎えた分島花音。
作詞、作曲の他にも、チェロ演奏、イラスト、衣装デザインもこなすマルチな才能で、様々なアニメ作品へ主題歌を提供している彼女の10年の軌跡を1枚に凝縮したベストアルバム『DECADE』が2019年2月13日にいよいよ発売になる。
自身のスタイルを掴むきっかけ、今回の1枚に込めた思い、今後の展望など話を聞いた。
デビューのきっかけ、今のスタイルの原点
――デビュー10周年おめでとうございます。デビューされたきっかけは何ですか?
分島花音 ありがとうございます。学生の時にティーンエイジャーオーディションという19歳までの人が応募できるシンガーソングライターのオーディションがあって、そこにデモテープを送ったのがきっかけです。
――元々学生時代にバンド活動などはされていたんですか?
分島花音 高校生の頃は軽音楽に入っていたのですが、自分の作った曲をサポートで弾いてくれるような子に全部写譜(しゃふ)をしたり、デモを作って、配ったりして、オケ(演奏)をお願いしたりしてたりとか、その程度ですね。積極的にライブ活動をしたりとかではなくて、文化祭などで演奏する程度でした。
――その頃からもう曲を書かれていたんですか?
分島花音 作曲に興味を持ち始めたのが中学、高校位の時からでした。それまではクラシックを3歳からやっていたので、クラシックやジャズなどしかあまり聴く機会がなかったんです。中学に入ったり、友達が増えていくと「どんな曲を聴いているの?」という話になることも増えて、洋楽やJ-POPを聴くようになって、「クラシック以外にもこんなに音楽があるんだ」と、そこで音楽の幅が広がりました。
クラシックは既存の曲をいかに正確に弾くかという所に重きを置いていますが、作曲ができるという所でJ-POPに魅力を感じて…。「音楽って自分で作っていいんだ!」という所ですごく作曲に興味を持って、そこから曲を作り始めるようになりました。
――一番最初に曲を作ったのがそれ位の年齢の時なんですか?
分島花音 そうですね。15、16あたりだと思います。
でもその時はまだ意欲的というわけではなくて、最初は「将来何かしらで音楽に携わる仕事はしたいな」と思うくらいでした。
それがデモを作って行くに連れて、自分の曲を作る、作曲のような仕事に就きたいなと思うようになりました
その時はまだシンガーソングライターみたいな明確な目標や夢ではなくて、曲を作る仕事がしたいという感じでしたね。
――「歌」という所にシフトして行ったのは何かきっかけがあるんですか?
分島花音 当時は一人で曲を作っていて、ギターやピアノもそんなに弾けないのでチェロでデモを作っていたんです。歌ってもらえる人も歌詞を書いてくれる人も居なかったので自分で歌詞を書いて歌ってという感じした。それが結果的に全て自分でやるシンガーソングライターにつながったんだと思います。
――曲を作りたいというエネルギーが歌わせた、歌に向かって行ったという感じですか?
分島花音 そうですね(笑)。歌がないと無いで作品にならないので探り探りに歌詞を書いたりしてました。中学の頃は合唱部にも入ったりしていましたが、個人ではライブとかもやっていなかったので、趣味の延長で作っていた感じです。
《その2 ベストアルバム『DECADE』に込めた思いは に続く》