安月名莉子 2ndシングル「Whiteout」発売記念SPインタビュー「『二面性』をテーマに心の中の葛藤が描かれている」


―― 様々な経験が今の音楽に繋がっているんですね。ここからは楽曲についても掘り下げてお聞きしていきたいと思います。『Whiteout』をはじめて聞いたときの印象についてお聞かせいただけますか?

安月名 本当に、すごくかっこいい! ってなりました。はじめて聴いたのはボンジュール鈴木さんの仮歌入りのデモで、ボンジュールさんの独特の歌い回しや色気に、「これを私が歌ったらどうなってしまうんだろう…」と色々考えました(笑)。
また、『Whiteout』はアコースティックギターの音が入っていないので、ハンドマイクで歌った時に、自分がどんな表現をできるのか楽しみになりました。
まだ『Whiteout』を生演奏でお見せしたことがないので、ライブでは、どんな風に魅せられるのかというのも楽しみです。

―― ボンジュール鈴木さんからは収録の中ではどんなディレクションがありましたか?

安月名 レコーディングではAijiさんとボンジュールさんから歌のディレクションして頂きました。ボンジュールさんからは独特の表現の仕方や、セクシーになり過ぎないように、加減を調整して頂きました。フランス語も英語の言い回しに直したり、発音のこともディレクションして頂きました。
Aメロはラップ調、Bメロの「溢れてく~」という所は、二面性というか、もう一人の自分との掛け合いを表現しています。サビはもう一人の自分との葛藤だったり、テーマがギュと詰まった曲なので、いろいろ試行錯誤して、この歌い方だ!とピンと来た時にすごく嬉しかったです。

リズムもすごく洋楽的で、歌いこなせた時が本当に楽しかったです。
いろんな要素の詰まった曲なので、レコーディングの時はアンテナが常に張り巡らされているような感覚で大変した。
最初は表現することが多くて頭がパニックになってしまった時もあったのですが、何回も歌って頭に入った時はとても楽しかったです。

―― お気に入りのフレーズやこの歌詞が好きという部分があったらお聞かせいただけますか?

安月名 やっぱり一番聴いて欲しいのは、Bメロの掛け合い部分です。この曲はブギーポップの世界観にもすごくマッチした『二面性』をテーマにした曲でもあるのですが、心の中の葛藤が描かれているようにも思います。私も色々考えたり悩んだりするのですが、新しいことに踏み出そうとする瞬間などにもうひとりの自分が出てきて、良くある天使と悪魔が心の中で葛藤するような・・・。そんなイメージが曲中で描かれているように感じます。
『Why me? Why me? Why me? 邪魔しないで』の部分なんかは私の中にも当てはまるところがあって、そういう意味では自分自身にも寄り添って、素直に歌うことができました。

―― 本当に一曲の中に色々な要素がつまっていますね

安月名 はい(笑)。
最初聞いた時は格好良い印象の曲でしたが、アニメを観ている方には「どこか懐かしいね」と言われたり、アニメのエンディングで流れているのを見た時は、不気味さも感じて不思議な印象を受けました。レコーディングしていた時とは違って聞えたのでまだまだ面白い聞き方がある。聞けば聞くほど味がある楽曲だなと思います。

―― 懐かしさという面では原作が98年に発売されている所にも繋がるのかなと思いました。その辺りは歌われた時に意識されたのですか?

安月名 時代はそこまで意識していなかったです。でも原作を読んでからレコーディングに臨んだのでそういう意味では20年前のイメージは入っているかもしれません。

―― 原作を読まれた感想いかがでしたか?

安月名 初めての感覚でした。登場人物もたくさん出てきますし、誰が主役というのもはっきりはしていなくて、普通の学生の生活の中に潜んでいる不気味さが印象的でした。SFの要素もありながらアクションもあって、最後まで読むと「あ、ここはこう繋がっていたのか」というスッキリもあって、率直にすごいなと思いました。

―― アニメを観た印象はいかがでしたか?

安月名 アニメはアクションシーンの迫力が想像以上にすごかったです。また作中には、人間の内側から出てくるような名言があって、自分にも刺さりました。
例えば第1話で言うと「君たちは泣いている人を見て何とも思わないのか」とか、そういう名言が実際に台詞として出てきてキャラクターが動いて喋っているのを見て、本を読んだ段階で刺さっていましたが、もう一段階心に刺さりました。
声優さんの表現は本当に素晴らしいなって思いました。

―― 先ほど不思議な印象を受けたというお話も出ましたが、エンディングの映像を見た印象はいかがでしたか?

安月名 エンディングの映像では、オープニングとガラッと変わってシンプルさがあって綺麗でした。綺麗だからこそ、尚更不気味さを増したようなエンディングに感じました。余韻が残るというか。最後は微笑んでますし。

―― 『Whiteout』がカラオケでも既に配信されているということで、楽曲をこれから歌いたいと思っている方に向けて、歌唱の際のコツみたいなものがあったら教えていただけますでしょうか?

安月名 ポイントはやっぱりBメロですね。Bメロの「溢れていく」と「止めないで」のところを突き抜けるように自分らしく歌って欲しいです。英語の部分はブギポの世界観の通り。あとはもう一人の自分を表に出してください(笑)。

―― 今回のPVでは、ダンスも披露されていましたね

安月名 クラシックバレエの経験はありましたが、5、6年のブランクがあったので大丈夫かなと心配でした。世界観が伝わるようにかっこよく撮っていただけて嬉しかったです。

―― 廃墟での撮影でしたがいかがでしたか?

安月名 楽しかったです。撮影の場所もセットも『ブギーポップは笑わない』の世界観にぴったりで現場を見たときに心が熱くなりました。
ドローンでの撮影は空から幅広く撮影するので周りにスタッフさんが誰もいない状況で、孤独に踊りました(笑)。寂しさもあったのですが、そのぶん世界に入り込めました。

安月名莉子「Whiteout」Music Clip short
https://youtu.be/dza83WuZVzM

 

《その3 カップリング曲の『Sayonara』について、ワンマンライブに向けて に続く》

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