TVアニメ『ありふれた職業で世界最強』南雲ハジメ役・深町寿成さん、ユエ役・桑原由気さんインタビュー

WEB小説投稿サイト「小説家になろう」で絶大人気を誇り、オーバラップ文庫で書籍化された後もその人気は落ちることなく、シリーズ累計(紙 +電子)発行部数は250万部を突破している『ありふれた職業で世界最強』。

本作はクラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまった“いじめられっ子”の南雲ハジメが、あるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまう。錬成師という異世界でも最弱の能力を駆使し、強力なモンスターが蠢く迷宮の地下深くから脱出を決意し、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす所から物語が動き出す異世界ファンタジー。

多くのファンが待ち望んでいたであろうTVアニメが7月8日(月)からAT-X、TOKYO MX、サンテレビほかでスタートしている。

今回はそんなTVアニメ『ありふれた職業で世界最強』から、圧倒的な絶望の中で最強へ至る道を見つける主人公のハジメを演じる深町寿成さんと、ハジメに救出され、行動を共にする吸血鬼のユエを演じる桑原由気さんの2人から作品の魅力や見所、キャラクターについてなどお話を伺った。

 

――原作を読んだ時の印象はいかがでしたか?

深町寿成(以下、深町) 僕はオーディションを受けるにあたって原作小説とコミックスの両方を読ませていただきましたが、自分が思っていた以上にハードでシリアスな世界観に感じました。かなり硬派というか緊張感があって、純粋に「この後どうなってしまうんだろう」というのが気になって一気に読み進めてしまいました。

桑原由気(以下、桑原) 私もオーディション受ける前に読ませていただいたんですが、その時と今でかなり印象が変わっているんです。最初に読んだ時はやっぱり主人公に投影して読むので、ハジメ視点で読んで「ハジメって冷たい人なのかな」とか、ダークな印象があったので少し暗いお話なのかと思っていたんです。でも、読み進めて仲間も増えていくうちに、どんどん明るくなってお話の印象も変わりました。
今はユエの視点で読んでいるのでハジメって本当に優しかったり、過去の話を知ると「あ、こんな過去があったんだ…」という気持ちになったりして、本当に愛おしく感じます。なので、初めて読んだ時とアフレコが始まってからではガラッと印象が変わりました。

 

――ご自身が演じるハジメ・ユエそれぞれのキャラクターの印象はどうだったでしょうか?

深町 ハジメは普通の男の子の時と、強くなって見た目も変貌した後っていう二つのビジュアルがあったので、「いったい何があったらこの男の子はこの姿になるんだろう」と気になったのが第一印象です。
その辺りはストーリーの上でも明かされていきますが、特に変化後のハジメの姿が眼帯に、白髪、機械の義手を着けていたりと、すごくワクワクしてしまう設定が盛りだくさんで自分自身の男の子心をくすぐられました(笑)。

ただ、それでもハジメは元の状態から一貫してブレなくて、意志の強さというのも感じました。例えば、自分がまだ弱い時でも諦めずに今の自分にできることをやろうとするんです。それはクラスのみんなと訓練している時もそうですし、迷宮の中で一人になった絶望的な状態でもなんとかして生き残ろうとしたり、すごく意志の強さがある。
変化後もそうですね。魅力的な女性キャラクターたちがたくさんいるけど、その中でも自分はユエ一筋だというそういう芯の強さも持っていて印象的でした。

桑原 ビジュアルだけを見たユエの最初の印象はクールで冷静な落ち着いた子なのかなと思いました。今まで自分もそういうキャラクターを演じてくることが多かったので。だけど、読み進めていくと思ったより表に感情を出します。
見た目は幼いけど、やはり生きてきた時間が長いので大人びたことも言うし、自分の中で「そんな考えないや」と思うこともいっぱい持っていて、達観しているなと。
可愛い女の子がハジメの周りにいても全然動揺しないですし、本妻の余裕みたいのもあってすごいなって(笑)。驚きのほうが多かったです。
一方で香織には張り合ったりする、なんだかちょっと子供っぽい所もありますし、自分にはないものもたくさん持ってるキャラクターという印象です。
原作には妖艶な一面を見せるお話も出てくるんですけど、それはもう本当に長く生きてないと出ない色気だと思うので、そういうギャップがすごく可愛い子だなと思います。

 

――ご自身が演じるキャラクター以外で気になるキャラクターはいらっしゃいますか?

深町 やっぱり行動を共にしているユエにはどうしても気持ちが入りますね。
収録自体も(桑原さんと)2人だけでということが多かったですし、ユエと一緒に過ごす時間が長かったので、自分もハジメを演じる上でユエに対しての思い入れが大きくなっていきました。
クラスメイトとはすぐに別れてしまうんですけど、ユエ以外で、実際に演じている所を聞いて印象が変わったのは檜山です。
檜山は結構酷い奴だったりはするんですけど、どこか憎めないキャラクターで、物語が重たくなりすぎないようなアクセントになっている気がします。
ハジメとしてはかなり酷いことをされてるんですけどね(笑)。

桑原 これは深町さんに気をつかったわけじゃないんですけど・・・、ハジメです(笑)。
やっぱりユエとしては長い期間封印されていて不安だったり、凄く怖かったりしたと思うんです。その中で助けてくれた大切な人っていうのも大きいですけど、その後にも自分の居場所を作ってくれた人なので、それってもうユエにとって命の恩人よりもかけがえのない本当に大事な存在ですね。
ハジメ以外では愛ちゃん先生はすごく可愛らしくて、実際にこんな先生がいたら友達になりたいなって思いました。元々可愛らしいキャラではあるんですけど、声が付いてもう抱きしめたくなるというか、「先生じゃない!」と思いました(笑)。クラスのみんなが友達扱いしてるのも納得ですよね。

 

――ハジメは序盤からとてつもない試練に直面して、いじめられっ子からだいぶ印象も変わってしまいます。ハジメを演じるにあたり、どのような演技プランを考えましたか?

深町 ハジメの変化って、実は何段階かあると思っているんです。これまで何事もなく平穏な日常を送っていたハジメが異世界に召喚されて、能力のない自分でも頑張らなきゃいけないという気持ちの変化と、クラスメイトから裏切られ、迷宮の奈落の底に一人取り残されてなんとかして生きなきゃいけなくなった絶望の中で人格の変化、内面的な変化がある。その後に身体が強くなる肉体的な変化があります。気持ち的には完全に闇落ちしてるんですけど、そこからユエと出会って、また変化していく。そんな感じで変化の段階が多いんです。
原作小説だったら内面の変化も文章として説明できるんですけど、アニメのスピード感でその変化を観ている人に伝えられるかというのは自分の演技にかかる部分が大きくなってくるので、そこを表現ができたらいいなという気持ちで臨ませていただきました。

 

――確かに見た目の変化以上に内面の変化はグラデーションになっていますね

深町 そうですね。要所要所での気持ちの変化は意識しています。ユエと出会ったり、その後色々な仲間たちと出会う中でちょっとずつ変化していく。この作品は最強のハジメっていう部分だけじゃなくて、ハジメの気持ちが変化していく物語なんじゃないかなと自分では捉えています。

 

――そのあたりは監督さんもしくは音響監督さんから何か指摘はあったのでしょうか

深町 気持ちの変化をどこまで出すかは収録の時に話し合いました。あまり細かすぎると映像にした時に伝わらないかも知れないので最初は自分の思うようにやってみて、そこから少しずつ調整していきました。

 

――表現という点では1話から苦痛に歪む声や叫びもかなりあって大変だったんじゃないですか?

深町 はい。第1話でできるだけ苦しさや辛さといった絶望感を出したいということで、監督もすごくこだわっていました。
何度も「より、もっともっと恐怖を、もっと絶望を」とディレクションを受けて気持ちものせていただきました。

《その2 桑原さん ユエを演じることについて に続く》

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