「Re:ゼロから始める異世界生活」「転生したらスライムだった件」「薬屋のひとりごと」「無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜」など数々の名作を世に送り出し、アニメファンにもなじみ深い「小説家になろう」に掲載され、非なろう系ジャンルにも関わらずユーザの間で密かな人気を博した知る人ぞ知る名作『正しいアイコラの作り方』。
監督・神谷正智がその完成度の高さに魅了され、8年の準備期間の末に映像化。池袋 シネマ・ロサで公開中(3月8日まで)です。
本作は河原に遺棄されたエロ本を拾うために深夜徘徊していた富岳三郎が、路地裏で幼馴染のローカルアイドル谷川あさひを見かける。こんな夜更けに何をしているのだろうと不思議に思うものの帰宅。翌朝のニュースであさひを見かけた場所で死体が発見されたことを知って驚愕することから始まるオフビート×こじらせ青春ムービー。
今回は本作でヒロインの一人・谷川あさひを演じる花音さんに作品の見所をインタビュー!
撮影前に「<物語>シリーズ」を観ていたという花音さんが、<物語>シリーズからヒントを得たそう。
海外育ちでモデル・女優の他様々なお仕事を経験されている花音さんが撮影で生きたことは。
好きなアニメについても伺いました!
――『正しいアイコラの作り方』への出演はどういった経緯で決まったのでしょうか?
花音:
お世話になっている西川(達郎)監督と神谷監督がお知り合いお知り合いだったそうで西川監督から神谷監督に提案してくださったみたいで、それでお声掛けいただきました。
――『正しいアイコラの作り方』の脚本を読んでみての印象はどうでしたか?
花音:
脚本を読んだ時はその時期に観ていた「<物語>シリーズ」にすごく似ているなぁと思って、本当にアニメを読んでいるみたいな感じで、頭の中で結構動いていてアニメのような雰囲気をすごく大事にしている印象でした。
――神谷監督がアニメの「四畳半神話」を意識したとコメントされていましたが主人公の富岳三郎のモノローグなどは確かにアニメっぽいかもしれませんね。
花音:
他の映画と比べても坪根くんが演じる三郎のナレーションがものすごい膨大な量があって、それこそアニメっぽいというか、私が観ていた「<物語>シリーズ」にもちょっと似ている所もあったので、インスパイアされてっていうのはすごく分かります。
――神谷監督とは最初にお会いした時にどんな会話をされたか覚えてますか?
花音:
神谷監督と初めてお会いしたのが面談というか顔合わせの時だったんですが、その時は私が演じる谷川あさひがどういう役で、劔鈴がどういう役なのか、どういう物語なのかというお話をしました。
あとその時にすごく覚えているのは谷川あさひは「<物語>シリーズ」の戦場ヶ原ひたぎにちょっとちょっと似てる部分があると聞いたので、確かにそうだなと思って結構参考にした所があります。
――神谷監督からのあさひの説明とご自身が脚本を読んでのあさひの印象は一致しましたか?
花音:
脚本を読んでいてもすごくクールな感じの子だなと思ったので、そこは一致していたと思います。実際あんまり感情を表に出さない謎めいている感じの子だったので、正直、自分はかなり感情を表に出してしまう方なので、ちゃんとできるか不安はありました。
――今回、あさひとしては「ローカルアイドル」としてのお仕事として街ロケしているシーンもありました。こういった経験は他のお仕事でもされていましたか?
花音:
めざましテレビの「イマドキ」ガールとして4年間ぐらいやらせて頂いていて、それこそ街ロケや、食レポをしたり、感想を伝えるといったお仕事だったので、それが本当にそのまま生きたとおもいます。店員さんとお話して出していただいた物を食べるみたいなことを、やっていたので、本業だと思いながらやってはいましたが、谷川あさひという役で、それをやってるっていうことを意識してやりました。
ただそれがかなり難しくて、あさひは恐らく普段は感情をあまり表に出さないクールな感じの子だけど、仕事ではちょっと猫かぶってかわいこぶったり、表の顔を作る感じの子なのかなと思ってそういう所を意識して頑張ってお芝居をしました。
――作中あさひの学生生活のシーンはあまり多くありませんでしたが、花音さんご自身の学生生活はどんな感じでしたか?
花音:
高校生の時は半年だけ普通の高校に通っていて、その後に通信科の学校に転校してしまったので、最初の半年間でしかちゃんとした学校生活を味わえなかったんです。
たぶん彼女もお仕事が忙しくてあんまり学校に行けていなくて、学校行事もあんまり楽しめなかったと思うので、そこは似ていると思います。
――ちなみに三郎は男子校に通っていましたが、男子校にはどんなイメージがありますか?
花音:
もし私が男子だったらめっちゃ楽しいんだろうなぁと思います(笑)
三郎と月山の関係も私はすごく好きでした。
確かに女の子目線からしたら男子みたいな感じで思うかもしれないけど、自分が男子だったらすごい楽しいだろうなぁと思います。
――今作は山形県で撮影されていますが、いかがでしたか?山形県は満喫できましたか?
花音:
撮影が1週間ぐらいあって、その1週間を3回に分けて撮影に行かせて頂いたんですが、その中で1日オフの日があって髙石あかりちゃんとお休みがカブっていたので2人で温泉音泉とかに行かせてもらいました。
2人でお揃いの温泉のTシャツを買って帰りました(笑)
撮影は10月から12月の間に撮影したので、10月はそこまで寒くはなかったんですが、東京より寒かったです。
――谷川あさひ以外の登場人物についてもお伺いします。
坪根悠仁さん演じる富岳三郎の印象は?
花音:
「The 男子」っていう感じで描かれていますよね。
それこそアニメの世界で見るような男子校に通ってる男子だなっていう印象です。
谷川あさひは幼馴染でずっと見てきているから、なんとなくちょっと好きになっちゃう気持ちも分からなくもなかったです。
お隣さんというシチュエーションにちょっと憧れます。
――もう一人のヒロインの劔鈴はどんな印象でしたか?
花音:
もうすごくインパクトが強くて。脚本読んでいる時は、なんとなくこんな感じの子なんだなーとは思っていたんですけど、髙石あかりさんが演じると、すごく個性的で(笑)。
あれをものにできるのもすごいですし、劔鈴みたいな子は周りにはいないけど、いたら楽しいだろうなーって思いました。
――ご自身が出ている、出ていないに限らず印象に残ってるシーンは?
花音:
自分が出ているシーンで印象に残っているのは最後の三郎のシーンです。
あさひが初めて自分の気持ちをちゃんと表に出して三郎に伝えているし、このシーンであさひの人間味のある部分を一番見せている感じがしてこのシーンがすごく好きで印象に残ってます。
自分が出ていなくて印象に残っているのが三郎と劔鈴のタクシーのシーンです。
タクシーの中は1カットで撮られていて、動画を見せてもらったんですが、ワンカットならではのリアルさがあってすごく可愛いし、キュンキュンするシーンだったので、このシーンがすごく好きです。
――「<物語>シリーズ」は観ているということですが、アニメや漫画はお好きですか?
花音:
「<物語>シリーズ」はまだ途中までしか観れてないんですけど、すごく好きです。
漫画だと「東京喰種」や「チェンソーマン」を読んでます。
――アメリカご出身ですが、こういう話はアメリカのお友達ともしたりしますか?
花音:
アメリカでは一度アニメオタクの方と仲良くなったことがあって、その方はそれこそ日本がすごく好きで、アニメが生きがいみたいな方で、私よりもはるかにアニメの知識があって、私の知らないアニメもいっぱい知っていて、私がその方からアニメのおすすめを教えてもらうことがありました。
なので、やっぱりすごい人気なんだなーって思いました。
あとはフランスから来た友達が「進撃の巨人」のガチャガチャをやってたりして、フランスでも好きな人が好きなんだなーって思いました。
――最後にメッセージをお願いします。
花音:
全編山形で撮影された、監督含め私たち渾身の一作です。
最初はミステリーから始まってどうなる分からない展開で、最後も予想のつかない感じで楽しめると思います。
3人が成長していく青春物語で、ほっこりとした気持ちになると思うので、楽しんでもらえたらなと思っています。
見所はたくさんあるんですが、三郎や谷川あさひの恋模様に注目してもらえたら嬉しいです。
映画 『正しいアイコラの作り方』 予告編
https://youtu.be/FXrNlBJaAT8?si=DAaMeEc0ytggCoW5
☆作品詳細
正しいアイコラの作り方
2024年2月10日〜3月8日 東京都 池袋 シネマ・ロサ
2024年3月16日〜3月23日 大阪府 シアターセブン
近日公開 愛知県 シネマスコーレ
〈出演〉
坪根 悠仁、花音、髙石 あかり
菅生直也、古林南、大石菊華、新良貴優士、高橋和心、井上慶人、満利江(友情出演)
〈スタッフ〉
監督/編集:神谷正智
脚本:神谷正智・神谷正倫
原作:水月一人『正しいアイコラの作り方』
プロデューサー:佐藤哲哉
撮影:山田笑子
照明:蟻正恭子
録音:織笠想真・渡部雅人
音楽:永井カイル(THA NEON LILY)
HP:https://sorekara.wixsite.com/tadakora
X:@tadashiiaikora
©2024正しいアイコラの作り方