2025年夏に放送となるTVアニメ『光が死んだ夏』のスペシャルステージが、3月22日(土)「AnimeJapan 2025」GREENステージにて開催されました。登壇したのは、 辻中佳紀役・小林千晃さん、ヒカル役・梅田修一朗さん。さらに、本ステージにて新たに出演が発表となった花守ゆみりさん、小若和郁那さん、小林親弘さんが舞台に上がりました。
また、イベント内では追加キャストだけでなく、最新情報が続々と解禁に。メインPV第一弾の公開をはじめ、ED主題歌が「あなたはかいぶつ」(歌:TOOBOE)であることや、キャラクターデザイン・総作画監督を務めた高橋裕一氏ら追加スタッフの名前など、期待が高まる発表が続きました。本イベントのレポートをお届けします。
●青春ホラーは言いえて妙
『光が死んだ夏』は、マンガサイト『ヤングエースUP』(KADOKAWA)にて連載中の、新進気鋭のモクモクれん先生が手がける、青春のざわめきと恐怖が交錯する青春ホラー。平穏だった日常が、ある“ナニカ”をきっかけにじわじわと崩れ始め、やがて取り返しのつかない闇へと堕ちていく――そんな背筋の凍る展開が話題を呼んでいます。アニメは今夏、Netflix世界独占・ABEMA無料独占配信、日本テレビにて放送予定です。
本ステージで司会を担当する日本テレビアナウンサー・佐藤梨那さんの呼びかけに応えて登場したのは、キャラクターをイメージした衣装に身を包んだ辻中佳紀役・小林千晃さんとヒカル役・梅田修一朗さん。さらに、小林千晃さんのそばには、作中に登場する野良猫・メンチ兄貴の姿も。香箱座りで、しっかりと肉球まで再現されたその愛らしさに観客から笑みがこぼれます。
ちなみにメンチ兄貴はモクモクれん先生が監修されたそうで、その完全再現されたフォルムから力の入れ具合が伝わってきました。梅田さんの手元には、原作でも異質な存在感を放つ“ドロドロ”を型のカードが。 同じカードを手にした観客も見受けられ、イベント開幕前から会場は独特な雰囲気が漂っていました。
ここから物語にまつわるトークを繰り広げていきます。まずはあらすじやキャラクターについて解説。
「青春ホラーとはよくいったもので、ホラーがお好きな方も苦手な方も楽しめるような塩梅になっていて、その中にドラマ性がある。たくさんの方に楽しんでいただける作品だなと常々感じています」と小林千晃さん。
演じるよしきは、幼馴染の「光」が〝ナニカ〟に代わってしまったことを受け入れ、葛藤を抱えながらも共に日常を送る高校生。よしきについて問われると「(よしきたちが住む)クビタチ村には、今このステージの中にいる人数が村の全総数くらいというほど、すごく人が少ないんです。それゆえによしきの髪の長さから家庭環境について、どこに居ようとなにかを言われる。そんな村の狭い在り方という状況に辟易としつつも、その想いを吐き出すこともできない。等身大の、村にひとりはこういう子がいるだろうなというリアリティのあるキャラクターです」と、その魅力を語ります。
梅田さん演じるヒカルは、半年前に禁足地の山中で行方不明になった「光」に代わって現れた、声や見た目はそっくりだが光ではない“ナニカ”……という不思議な存在。「よしきにとっての大事な友だちであるヒカル。謎の多い存在なのですが、ひとつ言えることは、よしきのそばにいたいと強く思っている男の子です。いろいろなことを新鮮に喜んだり、感じたり、疑問に思ったりする姿が魅力的なのかなと思っています」。
小林千晃さんはイベント2日前に発表されたキービジュアルに「よしきの背中にはヒカルらしき姿が映ってる」ことにも言及。「ヒカルが太陽の当たる場所にいて、影になっているのがよしき」「これを見るだけでもいろいろなイメージが膨らむ、すごく秀逸なキービジュアルです。描かれている風景は美しいのに、それが逆に、ホラーとしての怖さを際立たせているようにも感じます」と伝えました。
それに同意するように頷く梅田さん。「村の日常の中にあるちょっとした違和感に、ホラーを感じます。でもそれが普通になっているような描写も、ちょっと恐ろしくて。その緊張感が垣間見られるようなキービジュアルになっているのかなと」。
●「???」になっていた追加キャストが発表!
ここで『光が死んだ夏』のメインPV第1弾が初公開に。本作ならではの爽やかな青春ドラマと、背筋がひやりとするホラーが交錯する独特の世界観が映し出され、観客だけでなく、メインキャストの2人も一気に作品の中へと引き込み「鳥肌が止まらんです!」と梅田さん。
本PVを彩っていた音楽がTOOBOEによるED主題歌「あなたはかいぶつ」であること、追加キャスト・スタッフが一挙発表となり、客席がざわつく場面もありました。
余韻が残る中「原作が持つ雰囲気と、夏という感じが伝わってくる映像というか……説明的ではなく、絵力と声の演出で、村で違和感があるような出来事が起こっている、という想像が掻き立てさせられるPVでしたね」と小林千晃さん。
そして「最後のほうにキャストが載っていましたが……」と含みを込めて話すと「では、PVの中に登場していた、キャストの方々にも登場いただきましょう!」という司会者の声で、山岸朝子役・花守ゆみりさん、暮林理恵役・小若和郁那さん、田中役・小林親弘さんが登壇しました。
改めて、3人が演じるキャラクターについても紹介。花守さん演じる山岸朝子は幼い頃から、普通の人にはわからないものが〝聞こえる〟よしきのクラスメイト。〝聞こえる〟朝子に対して、普通の人にはわからないものが〝見える〟主婦なのが暮林理恵。
そして、田中は「とある会社に属し、何かを調査しているらしき男。いつもひょうひょうとしていて掴みどころがない。連れているハムスターは相棒」ということですが……?「紹介文を見て分かる通り、何も言えないんです。謎の男ですね」と小林親弘さん。ちなみに相棒のハムスターは、キーキャラクターだそうで、ぜひ楽しみにしていてほしいと伝えました。
●アフレコ現場でお祓いを
ここからは、登壇キャスト5人によるクロストークを展開。普段からほぼ全員で収録しているという本作のアフレコ現場。小林千晃さんが「先日、スタジオでお祓いをしたんです。スタジオでちゃんとしっかりと祓ってもらいました」と明かします。「儀式をこの座組で見られたのも、いい経験でした」としみじみと梅田さん。ただ、その日はたまたま花守さんが不在だったそうで「またやってほしいなあ……」と、残念そうな表情を見せる場面も。キャスト同士の仲の良さや、現場の空気感が伝わってくる一幕となりました
また、アフレコ現場の和気あいあいとしたエピソードに加えて、作中で登場する三重弁の方言指導についての話題も。5人の中に三重県出身者はいないものの、三重出身の方言指導の先生、原作者・モクモクれん先生や監督が適宜チェックをされているとのこと。小林親弘さん演じる田中は方言ではない役柄のため、「みんな大変そうだなと思って見てます」と語り、周囲の苦労を横目にどこか余裕の表情。リアルな方言表現にも注目してほしいという現場の細やかな取り組みが伝わるトークとなりました。
さらに、作品の見どころとして、キャスト陣からは映像美や音響へのこだわり、キャラクターたちの個性など、アニメーションならではの表現への注目が呼びかけられました。「よしきの前髪」にも注目してほしいと伝えたのは、小林千晃さん。続けて梅田さん「漢字の“光”とカタカナの“ヒカル”、その演技の違いにもぜひ注目していただきたい」と、役柄の演じ分けに込めた想いを明かします。
花守さんは「PVでも感じていただけたかと思うのですが“聞こえてはいけないもの”の表現が本当にすごいです。作品を通して、これは今聞こえちゃいけなかったんだ、という瞬間を実感していただけると思うので、楽しみにしていてほしいです」と擬音のこだわりについても語ります。
小林親弘さんも、「音が入ることによって、怖さがさらに増して、より楽しめると思います。ぜひ注目してほしいですね」とコメント。「イヤホンで聴いたら、さらに盛り上がるかも……?」と、キャスト同士で作品の“音”をより深く味わう方法で盛り上がる一面もありました。
また、小若さんが暮林理恵について「厳しいことも言うのですが、チャーミングです。私はこの作品のヒロインだと思っています。とってもおちゃめな主婦です」と改めて紹介しました。
●“ひかなつ”にぜひ浸ってください
最後にキャスト陣からメッセージ。
小林親弘さん「この作品は本当にのどかで、どこかゆったりとした空気感があって。ほんのりのんびりした村の中で、じわじわと恐怖が忍び寄ってくるような、そんな物語です。でも、ただ怖いだけじゃなくて、人間同士のあたたかさとか、ちょっとした“人間愛”みたいな部分も描かれていて。絶対に“夏に見るべき”作品ですので、夏に放送・配信されることを、とても嬉しく思っています。アフレコも引き続き頑張っていきますので、どうぞご期待ください」
小若さん「今日、この日を本当に楽しみにしていました! 役者たちも、キャラクターも、苦悩しながら、もがきながら、とにかく頑張っております! 今年の夏まであと少し、楽しみにしていてください」
花守さん「絵がとても綺麗で、特に、青が綺麗だなと感じていました。田中以外も……いや、田中もハムスターと頑張ってます(笑)。夏にはきっと、すてきな“青”をお届けできると思っていますので、どうぞ、楽しみにしていてください!」
梅田さん「たくさんの人に大事にされている作品です。ヒカルという存在を、大切に演じられたらと思いながらアフレコに臨んでいます。ぜひ夏の放送を、ぜひ楽しみにしていてください」
小林千晃さん「本作初のイベントステージで、皆さんと一緒に盛り上がれて本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。ホラーとしての怖さだけでなく、友だちや家族、自分自身の在り方までを考えさせられるドラマでもあります。まだ原作が完結していない中なので、アニメがどう完結するのか、楽しみにされている方も多いと思います。今年の夏は、“ひかなつ”にぜひ浸ってください」
『光が死んだ夏』は、2025年夏にTVアニメ放送・配信開始。
文・逆井マリ
TVアニメ「光が死んだ夏」新情報解禁スペシャルステージ【AnimeJapan 2025】
https://youtu.be/N0VDtoHw-Fc?si=Yte4rju7r3z8MCbV
☆作品詳細
光が死んだ夏
TVアニメ2025年夏放送・配信開始
Netflix世界独占配信、Netflix・ABEMAにて見放題最速配信決定。ABEMAでは無料独占配信も決定。
〈キャスト〉
辻中佳紀:小林千晃
ヒカル:梅田修一朗
山岸朝子:花守ゆみり
暮林理恵:小若和郁那
田中:小林親弘
〈スタッフ〉
原作 :モクモクれん(KADOKAWA「ヤングエースUP」連載)
監督・シリーズ構成 :竹下良平
キャラクターデザイン・総作画監督 :高橋裕一
ドロドロアニメーター :平岡政展
プロップデザイン :應地隆之介
サブキャラクターデザイン :渡辺舞、西願宏子、長澤翔子
美術設定 :多田周平、高橋武之、曽野由大
美術監督 :本田こうへい
色彩設計 :中野尚美
色彩設計補佐 :越田侑子
3D監督 :中野祥典
撮影監督 :前田智大
2Dデザイン :永良雄亮、津江優里
編集 :木村佳史子
音響演出 :笠松広司
音響制作 :dugout
音楽 :梅林太郎
エンディング主題歌 :「あなたはかいぶつ」TOOBOE
アニメーション制作 :CygamesPictures
エンディング主題歌
「あなたはかいぶつ」 TOOBOE
公式サイト:https://hikanatsu-anime.com/
公式X:@hikanatsu_anime
イントロダクション
とある集落で
幼い頃からずっと一緒に育ってきた
同い年のよしきと光
照りつける太陽
耳にこびりつくクマゼミの声
帰り道に食べるアイス
他愛もないことで笑い合う
いつもと変わらない夏のある日
「……お前、やっぱ光ちゃうやろ」
半年前、山で行方不明になった光は
一週間後ふらりと帰ってきた
声も姿も光に見えるモノ
その中に蠢いていたのは――
「光はもうおらんのや……それやったら」
友人の姿をした〝ナニカ〟と歩みだす、
“いつもと変わらない”日常
だが、時を同じくして
奇怪な事件が集落を襲い始める
未知の〝ナニカ〟へ墜ちていく
青春ホラー物語の幕が、今、上がる――
STORY
光はもうおらんのや…それやったら――。
ある集落で暮らす少年、よしきと光。
同い年の2人はずっと一緒に育ってきた。
しかしある日、よしきが光だと思っていたものは別のナニカにすり替わっていたことに確信を持ってしまう。
それでも、一緒にいたい。
友人の姿をしたナニカとの、いつも通りの日々が始まる。
時を同じくして、集落では様々な事件が起こっていき――。
新進気鋭の作家・モクモクれんが描く、未知のナニカへ墜ちていく物語。
原作情報
第1巻~第6巻好評発売中
著書:モクモクれん
ヤングエースUPで好評連載中
ノベライズ
単行本1巻好評発売中(B6単行本/KADOKAWA刊)
著者:額賀 澪 原作・イラスト:モクモクれん
原作公式サイト
https://promo.kadokawa.co.jp/hikarugashinda/
原作連載ページ(ヤングエースUP)
https://web-ace.jp/youngaceup/contents/1000183/
原作公式 X
https://twitter.com/hikarugashinda
著者 X(モクモクれん)
https://twitter.com/mokmok_len
TVアニメ「光が死んだ夏」メインPV第1弾【2025年夏放送・配信開始】
https://youtu.be/CHwd4b0Ayq0?si=kImr3nfN8RkIjupS
TVアニメ「光が死んだ夏」ティザーPV【2025年夏放送・配信開始】
https://youtu.be/fAfcm5Cydvs?si=29Ugu-4kavHJc-qG
©モクモクれん/KADOKAWA/「光が死んだ夏」製作委員会