劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」ぴあフィルムフェスティバルで特別先行上映を実施!オフィシャルレポートが到着!

11月29日(金)2週間限定上映される劇場版『ガンダムGのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」が第41回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)で特別先行上映を実施し、富野由悠季総監督が登壇しトークショーが行われた。

当日はチケットを購入した一般客のみならず、ガンダムファンクラブを通じて招待された10歳~16歳の子供たちとその保護者の親子10組や、PFFからの呼びかけで集まった8歳~18歳の子供たちとその保護者の親子30組が鑑賞。

上映終了後のトークショーには富野由悠季総監督と荒木啓子PFFディレクターが登壇し、「未来の問題を子供たちに考えて欲しくてベルリとアイーダの物語を創った」という富野総監督が、客席に集まった少年少女へ向けて本作へ込めた思いを語り、寄せられた質問に答えました。

また、6月22日から9月1日まで「富野由悠季の世界」が行われていた福岡地域で本作の上映を望む声が数多く上がり、イオンシネマ福岡でも上映されることも発表された。

【トークショー概要(富野総監督コメント抜粋)】

<映画について>
今日この場に呼んで頂いたことに驚いてもいるしあきれてもいます。『ガンダム Gのレコンギスタ』という巨大ロボット物がここで上映されると思っていませんでした。でも本当のことを言うと当たり前だろ、と(笑)。25年遅いです(笑)。アニメが一般化してる今の人はわからないかもしれないけど、アニメは映画ではないと言われ続けてこの50年過ごしてきました。
だから映画界には恨みつらみしかありません。でも、それがあったからここまでやってこられました。CM の仕事をしたりもしましたが、本気にはなれなかった。CM は監督のクレジットが出ないからです。巨大ロボットものでもクレジットが出る作品を続けていればどこかで認めてもらえるかもしれないと思って続けてきました。

 

<作劇と『機動戦士ガンダム』について>
1950年代、60年代のSF映画はすべて観てました。すべてと言っても5、6本しかないんですけど。それらを観ていて気付いたことは、設定やポスターの 1 枚絵がいくら面白そうでも「劇」が面白くなければ面白い映画にはならないということ。
「劇」がとても重要な言葉で、巨大ロボットが 2 体戦闘するだけでは「劇」ではないんです。「劇」をやるというのは人間、人間同士であいつが好きとかあいつが憎いとかそういったドラマとしてのバランスが映画には重要なんです。だから『機動戦士ガンダム』は敵が宇宙人じゃなかった、人間同士の戦争を描いた時点である意味勝ちだったんです。

 

<『伝説巨神イデオン』について>
この話はどこでもしたことがないんですけど、『機動戦士ガンダム』の後にやった『伝説巨神イデオン』は作品と心中する覚悟で作りました。劇中の人間がすべて死ぬというのは最終手段で作家として一番やっちゃいけないんですよ。ただ、惑星間同士の対立をやった時点で全員殺すしかないと思った。だから『イデオン』をやっているときはこれが最後という自殺みたいな感覚がありました。その後のことは考えてなかったし、考えてたら逃げちゃっていたと思います。「富野由悠季の世界」をやるために観直しましたけど、こんなの俺作れない(笑)。あれはまともな神経じゃ作れないですよ。

 

<劇場版『ガンダム G のレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」について>
TV版の不足しているところを補って5本の映画にまとめています。なので最後のエンディングはTV版と全く一緒だけど至る道が全然違います。TV版での作劇の破綻というものがあって、それは富野自身がよくわかっています。自分の作品の欠点はよほどバカじゃない限りわかりますよ。TV版では一番肝心なベルリとアイーダの話が抜けてしまっていました。一目ぼれした女性だったけど、恋人を殺してしまったという関係で最後まで行ってしまったんですね。姉弟だと自覚したときの反応するシーンがドンと抜けてしまっていたんです。
それと僕は作品を通して世直しをしたい。でも世直しの方法論を示すことはできないんです。だから未来に起こる問題をテーマにしている。宇宙エレベータの技術的な問題やフォトン・バッテリーで表しているエネルギー問題を、そこでやっている劇を通して問題提起しています。それを観た子供たちが 30 年後、50 年後に答えを出してくれるかもしれないと期待しています。
今日改めてこの作品を観てもあまり上手じゃない、一般的に伝わるように作られてないと反省はしています。でももしこれを見て、5、6人でも伝わる人がいるならば『G のレコンギスタ』という作品は 50 年持つと思います。そのうぬぼれがないと作品を作れない。その自負心を持ってやっています。余命の問題もあるので再来年までには全 5 部作をやってほしいですね。
そして目が黒いうちに次回作に行きたいと思っています。
今日はお呼び頂きましてありがとうございました!

 

◆イベント概要

【イベント名】
劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」
ぴあフィルムフェスティバル(PFF)特別先行上映&富野由悠季トークイベント

【開催日】2019年9月14日(土) 13:30-17:00

【場所】
国立映画アーカイブ 長瀬記念ホールOZU(東京都中央区京橋 3-7-6)

【登壇者】
富野由悠季総監督、荒木啓子(PFF ディレクター)

 

★作品詳細

劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」

2019年11月29日(金)より2週間限定上映

【上映劇場】全国 22 館
東京:新宿ピカデリー/イオンシネマシアタス調布 神奈川:イオンシネマ港北ニュータウン
千葉:イオンシネマ幕張新都心 埼玉:MOVIX さいたま/イオンシネマ春日部 栃木:MOVIX 宇都宮
新潟:イオンシネマ新潟南 宮城:MOVIX 仙台 北海道:札幌シネマフロンティア
愛知:ミッドランドスクエアシネマ/イオンシネマ名古屋茶屋 三重:イオンシネマ津南
石川:イオンシネマ金沢フォーラス 大阪:なんばパークスシネマ 兵庫:神戸国際松竹
京都:イオンシネマ京都桂川 和歌山:イオンシネマ和歌山 岡山:イオンシネマ岡山
広島:イオンシネマ広島西風新都 香川:イオンシネマ綾川 徳島:イオンシネマ徳島

【イントロダクション】
富野由悠季が、『ガンダム』のTVアニメシリーズとして、『∀ガンダム』以来15年ぶりに手がけた作品、『ガンダム Gのレコンギスタ』(2014年、全26話)。
総監督として指揮するのみならず、全話の脚本も自ら手がけるなど精魂を注いだ本作。
脈々と流れる富野イズム、「少年ベルリの出会い」の物語が放送から5年という歳月を経て今、新規カットを加え、全5部作の劇場版として大スペクタクル公開!

【第1部スタッフ】
総監督・脚本:富野由悠季
キャラクターデザイン:吉田健一
メカニカルデザイン:安田 朗、形部一平、山根公利
美術監督:岡田有章、佐藤 歩
色彩設計:水田信子
ディスプレイデザイン:青木 隆
CGディレクター:藤江智洋
撮影監督:脇顯太朗
編集:今井大介
音楽:菅野祐悟
音響監督:木村絵理子

公式サイト:http://www.g-reco.net/
公式Twitter:https://twitter.com/gundam_reco

 

「第41回ぴあフィルムフェスティバル」の招待作品部門で特別先行上映が決定!

「第41回ぴあフィルムフェスティバル(以下、PFFと記載)」の招待作品部門で、劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」の特別先行上映が決定。
特別先行上映当日は、富野由悠季氏が登壇するトークショーも実施予定。
上映日やチケット等の詳細は、PFF公式サイトや作品公式サイトで追って発表予定となっている。

【開催概要】
●名称:第41回ぴあフィルムフェスティバル
●期間:2019年9月7日(土)~21日(土)[月曜休館・13日間]
●会場:国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋 3-7-6 )

PFF(ぴあフィルムフェスティバル)は、“映画の新しい才能の発見と育成”をテーマに、当時、まだ観る機会の少なかったインディペンデント映画の面白さを広く伝えるため、1977年にスタートした映画祭です。
メインプログラムは、第1回より続く世界でも珍しい自主映画のコンペティション「PFFアワード」で、入選者の中からは、後にプロの映画監督として活躍する人たちが120名を越え、若く新しい才能が集う場所として、広く認知されるようになっています。

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